しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

映画:男はつらいよ フーテンの寅 森崎東監督

2014-11-22 | 映画
男はつらいよ第3作です。
本作と第4作は、山田洋次脚本ですが、山田洋次監督作品ではありません。
1970年1月15日公開
前作が1969年11月15日公開、第4作が1970年2月27日公開ですから当時の日本映画の撮影ペースはものすごいですねぇ。
画像amazonから

内容(amazon商品紹介より)
お見合いを承諾した寅さんが相手の女性に逢ってびっくり、知り合いの旅館の従業員・駒子だった。駒子が恋人の腹いせに見合いをしたことを知った寅さんは二人の間を取り持ち、結婚式を挙げさせた。それから一ヶ月、湯の山温泉で旅館の番頭をやっていた寅さんは、旅館の経営をいっさい切り盛りしている未亡人・お志津に淡い慕情を寄せていた。そのお志津のために、お志津の弟・信夫と芸者・染奴の間も取り持った。しかし、お志津には心に決めた人がいることを知らされ失恋してしまう。 ■ロケ地:三重県四日市・湯の山温泉 ■マドンナ:新珠三千代


一、二作と人気だったためか今回のマドンナお志津役に新珠三千代、サブマドンナ 染奴役に香山美子と配役のグレードも上がっているような…。
そのマドンナの弟で染奴の恋人役の河原崎健三も山崎務同様必殺仕置人に死神役で出ていましたね….。
「青春」まっさかりキャラで、これまたキャラが違うのが楽しい。

冒頭、前作は後にも採用される「夢」からのスタートとなりましたが、今回は旅人宿で風邪を引いている寅さんの画からのスタートです。
宿の女中さんが樹木希林なのがまたいい…。(笑)

旅から柴又に帰った寅さんのお見合い相手が春川ますみ、これも懐かしい…。
「江戸を斬る」のイメージ(笑)

前作、前々作とマドンナは割と若い御嬢さんでしたが、今回は子持ちの未亡人ながら御嬢さん育ちの新珠三千代が演じるお志津さん。
成熟した女性の魅力があります。
寅さんの自分に対する恋心に気づいたときも、前作までは「悪いなぁ…」という感じがそこはかとなくありましたが….。
今回は「迷惑だわ~」というのがあからさまにでています。
このお志津さんは寅さんに引導を渡すのも「やだわぁ」と逃げてしまい、気持ちを代弁するのが宿の女中頭と番頭さん….。
寅さんかわいそうですが、まぁこんなもんですよねぇ。

番頭さん役の左卜全がとてもいい味を出しており、この場面はシリーズ通してもかなり名場面なんじゃないかなぁと感じました。
また本作ではお志津の弟信夫と芸者染奴の仲を寅さんがとりもつわけですが、この辺の恋のキューピット役的寅さん像も後作に受け継がれていくわけですねぇ。

ラスト近く旅先でTV取材された寅さんがお志津さんに叫ぶ場面がありましたが、それも全然伝わらない….。
お志津さんの再婚相手は大学教授ですし、お志津さんの弟(河原崎健三)も大学をやめて染奴と駆け落ちしてしまうし…。
当時の学園紛争的な空気が色濃い設定なんでしょうか。

この辺含め監督の違いが作風に出ているかもしれませんね。

ラスト寅さんが南へ向かう船の中で若者相手に的屋のタンカを切ったり、「旅人」的生活を語っているところで終わりますが、自由人として「寅さん」を捉えている感じも当時のヒッピー的文化を象徴したりしているんのかなぁと感じました。

「自由人」寅さんのキャラ付けがされた作品なのでないでしょうか。


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