児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

熊本の邦楽活性化事業

2010年10月23日 | アウトリーチ


それぞれの演奏家にとっては、これから県内の市に行って学校でのアウトリーチとコンサート(又はワークショップ)に臨むので、次が本番と言うことでもあるけれど、アウトリーチフォーラムも含めこの手の事業は、地域のために演奏家が何をやるのか、やれるのかというところを突き詰めていくと、そこを現場で一緒に考えていくしか、良くする方法が思いつかないのが今のところの日本の現実かもしれない(最近音楽大学でも取り組み始めているとはいえ、本気で教える人がまだ少ないわけだから)。それに、それを一生懸命やったあと、アーチストが選ぶ途として何が示せるのか・・・ということなど悩みはつきないわけである。
個人的には邦楽は「これから登る山」なのでより興味深い。常にクラシックと比較しながらああでもないこうでもないと考えるのも楽しいのである。クラシックの方はやや峠にいるような気持ちになることがある。もちろん現場は面白い。演奏家も子どもたちも一回一回反応が違うわけだから、よくピアニスト田村が言うところの「一期一会」の緊張感があるのだけれども。
3組の演奏家たちは、邦楽の専門家に推薦をして貰った上で主催者のプロデューサーと共に面接をして(面接と言うと偉そうで使いたくない言葉なのだけれど、誰かが責任をとって選ばないといけないわけだから)3人を選び、その人にグループを組んで貰うという方法。邦楽の場合特に合奏形態が多くないこともあり悩ましいのだけれど、コーディネーターと個人のアーチストが向かい合ってしまう怖さもあるので、より話し合いが必要なグループの方が手法開発には良いのではないか、と言う判断でKOTOしも箏の方を中心にした。でも地唄の方が入ったので三味線が中心になっている組もある。広島でやった雅楽や長唄三味線も面白かったのだけれど・・・。
来年1月15日の熊本県立劇場のガラコンサートで3組が再集結するまでそれぞれのグループがどのようになっているかとても楽しみ。熊本在住の作曲家光永浩一郎さんに合同演奏の曲をお願いしているのでそれも楽しみである。
写真は合宿最後に熊本市立帯山西小学校で行ったアウトリーチの模様の一部。