児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

ボロメーオSQ

2008年06月02日 | 徒然
今年はボロメーオSQのアウトリーチは1回も見られない事になってしまった。今回もまたニコラス・キッチン(ニック)のアイデアはきっと刺激になるのだろうけれど、まあ長崎北九州いわきと仕事が続いているので、何とかコンサートの本番だけでも聴くことにしようと思っている。今回は今日までのフェスティヴァルの3日間、全部客席にいる事にした(ちなみにフェスの後半はどうしてもいわきの本番とかぶる日があり,その日だけは欠席)。
師のゴールドベルクのバロンビッタを使い始めてから、約2年になるけれども、その間にニックの弾き方も、クァルテットの音の作り方も何となく変わって来ていることは間違いない。ただそれだけではなく、曲への追い込み方が昔以上にきびしい姿勢になっているような気がする。そのために、完成度と言う意味ではすごいところにのぼってきた事になる。低音の二人の音の出し方もずいぶん変わって来ているし、まだそこを見せていない力量というのはおみごととしか言いようがない。
実際、土曜日のベートーベンの132の第3楽章など、めったにないくらい感情を刺激された。すごい。その前の日の18-3でも楽譜にまだ音が隠されていたのか・・と言うような新しい音が聞こえてきた。こういう知的な面白さを音楽を聴くという文脈でどのように説明したらいいのだろうか,と考えてしまうくらいである。
ところで、ある人が、パソコンでスコアを見ながらSQを演奏する,と言うことの良さと問題を指摘していた。私の場合、スコアを見ることは全般把握には良さそうであって、そこの効果がどのくらいなのかをちょっと気になるくらいである。
しかし、今日が終わってやっと半分。ツアーをやるのとは全く別の体力と苦労を必要としそうだ。しかし、3日間の前半戦の集中力は極めて高く、演奏の質ももう超、が付きそうな出来である。後半も楽しみ。