★ Serena ★

カナダ暮らしのエスペランチスト、自然愛好家。
エスペラントやカナダの野草、ネーチャークラブの活動など思いつくままに。

どんよりと曇った秋は。。

2009-10-23 16:55:41 | 自 然
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どんよりと曇った秋は心が沈みます。
明るい紅葉の色さえくすんで見えて、鴨一羽見えない水面のさざなみの動きが静けさを破っていました。
夏はバーベキューを楽しむ家族が集まるダッファリン島です。
夫は自分の「別荘」と呼んでいました。彼のバーべキューは超簡単で、コルバッサを焼き、パプリカとピックルスにパンがあればよかったのです。だから気が向いたら「Let's go!」の一声で。。。
車のラジオから流れる音楽を聴きながら彼が瀧のように涙を流していたのもここでした。悲しくても涙が出ない人でしたからショックでした。島を一巡りして帰った私に
「ボク泣いている」と彼が言い
「そうね」と私の返事は簡単でしたが。。
その時ラジオから流れていた曲がなんだったのか、彼の若い日々を思い出させたその曲がなんだったのか。
車のラジオはいつもクラシック音楽専門の放送局をつけています。私はづっと聞き続け同じ曲に出会う日を待っていました。
ある日、聞こえてきたのがこれです。シューベルトの未完成交響曲
涙の意味も判ったような気がしました。人生なんてみんな未完成なのに何故そんなに悲しかったのだろう。青年時代が懐かしく、故郷に帰りたいとは思わないけれど青年時代に帰りたいと言う人でしたから、若い日を思い出しての感動だったのかもしれません。

エスペラントの父ザメンホフ
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2 コメント

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serenaさん、こんばんは (polo181)
2009-10-24 21:40:30
素晴らしいご主人だったのですね。シューベルトの未完成は私も好きです。未完成ながら、ああれで完成しているとさえ私は思います。暗い暗いトンネルを抜けて、かすかな明るい夜明けのようなものを感じる作品だと思います。この曲を聴くと必ず現れる映像と言葉があります。映像は、四畳半のアパートにいて裸電球の下にミカン箱を机代わりに実りのない論文と格闘している自分がいる。繁華街が近いので女性の笑い声や街の喧噪が聞こえてくる。やがて朝日が昇る頃となり一つしかない小さな窓から差し込んでくる。涙は枯れて、仰向けに倒れるのです。そして、現れる言葉は、啄木の「友がみな われよりえらく見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻としたしむ」です。
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苦労の若い日々がありましたね (serena<poloさんへ>)
2009-10-25 20:10:25
そういう日々があったからこそ今僅かな幸せに感謝できるのでしょう。

夫は思い遣りのある人でした。孤独な老人や病気の知人によく電話したり、訪問したりは定期的でしたし。。。
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