★ Serena ★

カナダ暮らしのエスペランチスト、自然愛好家。
エスペラントやカナダの野草、ネーチャークラブの活動など思いつくままに。

ビーヴァーのしっぽ September 07, 2005 04:42

2005-09-07 17:42:08 | カナダの民話
あまもりさんのヌートリアの写真から思い出し、今日はインデアンの民話と同名のお菓子を:
それは遠い昔むかしのことですが、とある湖でビーヴァーとジャコウネズミが楽しく遊んでいました。水は澄んでいて冷たさも心地よく、泳いだり、潜ったり、飛び込んだりと楽しい時間が過ぎていきました。
ビーヴァーはちょっと動作を止めて聞き耳を立てました。
『ジャコウネズミのしっぽは水を叩いた時、なんて素敵な音をだすんだろう。』とビーヴァーは思いました。
『ボクにもあんなしっぽがあったらいいのになァ。ボクのしっぽは全然音なんかたてないんだから。』
そこでビーヴァーはジャコウネズミに近寄って言いました。
『ねぇ、ジャコウネズミクン。君のしっぽは水を叩くと素敵な音を出すねぇ。ボクにもそんなしっぽがあったらいいなァと思うんだ。ちょっとの間だけ取りかえっこしない?』
ジャコウネズミはことさら深い考えも無く『ちょっとの間だけだょ。』と快く取り替えっこを承知しました。
ビーヴァーはその新しい尻尾に興奮しました。あっちへ、廻り、こっちへ潜り、ひっくり返り。。。とあらゆるしぐさをしてみました。とても幸せでした。水の中に飛び込み、その新しい尻尾が水の表面を叩く音に満足して微笑しました。それはそれは素晴らしい響きでした。
ジャコウネズミは水辺に立ってビーヴァーが水をはじき幸せいっぱいで遊び廻るのを見ていました。見ているうちにだんだん取り替えっこを後悔しはじめました。だって、ビーヴァーがあまりにも楽しそうに遊ぶものですから。
それで、もう返して欲しいと思い、次にビーヴァーが水の上に顔を出した時すぐに言いました。
『ねぇ、ボクのしっぽもう返してよ。』
もうただのいっときもその尻尾無しではいられないような気がしました。でも、ビーヴァーは返そうなんて気はさらさら無くて、急いで藪の中に隠れました。ジャコウネズミはその時やっとビーヴァーに騙されたと気づきました。ビーヴァーには尻尾を返す気なんて全く無いのだと判ってとても悲しくなりました。
ジャコウネズミは泣きながらビーヴァーの後を追いました。
『返してよ、返してよ。ボクの尻尾を返してよ。ボクだってその尻尾欲しいんだから。』
何度も頼みましたが、無駄でした。ビーヴァーはジャコウネズミの尻尾を決して返そうとはしませんでした。そして今でもその平たい尻尾を持ち歩いているのです。(インデアンの民話)

世界中にビーヴァーの種類は多いようですが、ここでは:
学名:Castor canadensisのページを紹介します。エスペラント名は:Kastoroです。

お菓子
オタワ名物のお菓子『ビーヴァーティル』を食べたいというグループを案内したことがある。ガイドブックなどでしばし話題になっていたこともあって私もその話しを聞いてはいたが、まだ試食の機会に恵まれていなかった。
皆さんはオタワでは絶対それを食べなくちゃ...という意気込み方で、バイワード・マーケットの片隅にある屋台風の小さな窓口でワイワイ言いながらそれを買い、私にも一口分けて下さった。
『なーんだ』と言っちゃァ悪いけど、それは私がしょっちゅう自宅で作って食べてる代物。
懐に米200ドル、片道切符で諸国行脚に出た最初の目的地はエスペラント世界大会が開かれていたハンガリーはブダペシュト。そこでのささやかな金欠ランチがまさにこれ。ランゴシュと呼ばれるお菓子で食べ方は塩を振り掛け,ニンニクをこすり付けて熱いうちに。と、その食べ方はカナダへ来てからハンガリー人の友人に教わったのだが。昼時、オフィス街の勤め人やたまたま街に出ていた人々が日本人ならさしずめ屋台で蕎麦をすする様に、列を作ってランゴシュを買い立ち食いする。『ビーヴァーティル』は粉砂糖をかけてあって甘く、それだけの違い。

ビーヴァーティールの作り方
パン用の捏ね粉を作る。
これを一握り位にちぎって麺棒で薄くのす。
ビーヴァーの尻尾の形になるよう、楕円形に。
これを油でこんがり揚げ、粉砂糖を振り掛けて終わり。
ランゴシュ(Lángos)にするなら、揚げたてに生ニンニクをこすり付け、塩を振り掛けて。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ビーヴァーの尻尾 (あまもり)
2005-09-07 21:42:17
serenaさん、トラックバックありがとうございます。

カナダインディアンの民話は面白いですね。もっともっと知りたいです。

日本の古事記も各地に残る古い民話をかき集めて創られたもので、民話こそその国の成り立ちを表していると思っています。

ビーヴァーのうちわのような尻尾は、元々ジャコウネズミのものだったとは面白いです。川で泳ぐのにうちわのような尻尾は随分便利なんだろうなぁと思います。

尻尾がフサフサなのはカワウソの方ですね。

ヌートリアはスペイン語でカワウソという意味らしいですが、顔形はカワウソよりビーヴァーに似ていますね。ただ、尻尾だけはジャコウネズミと同じ。

ひょっとしたら、ビーヴァーが尻尾を交換した相手はジャコウネズミではなくヌートリアだったかも(笑)
Unknown (glimi)
2005-09-08 08:21:33
ランゴッシュは舌の形ですね。langoから想像してですが。

 最近インド風のナンが日本ではやっています。それも大きな舌の形です。長細く丸めて平らにするるのが楽なのでしょうね!
Unknown (serena)
2005-09-08 10:16:07
ヌートリアを英語ではなんて言うのだろうとこの前も調べたのに忘れて仕舞い、又調べなおし。

忘れないうちに書いておきます。Coypu(コイプー)と似ても似つかない名前です。英和辞典ではカイリネズミですって。カイリって海の狸と書くのかなァとおもうのですが。。海狸はビーヴァーのことだから、やはり似ていて可笑しくない訳ですよ。



ランゴシュは形は自由です。

人によって矢蓮って言うのかなァ、短冊形の中に縦に一本切り込みを入れてクルリと一回捻じる形、こんにゃくだのカリントウなんかに使っている、あの形にする人も居るし、熱い油に捏ね粉をナイフで削ぎ入れながら揚げている人も居るし、丸くする人もいるし。。。です。
Langosの意味 (serena)
2005-09-08 21:24:53
を訊きました。

Langoは炎と言う意味だそうです。語尾に付くS(シュ)は形容詞を作ります。

又、Langosは苗字の一つでもあるそうです。