朝から気分の優れない日だったから、昼食は久しぶりに和食の十ドルランチを食べに行こうと思った。
二、三ヶ所用を済ませてレストランへ。
こんな日、日本語を喋る必要があると感じているわけではないのだが体の片隅にそういう要求があるのかもしれない。
何時も選ぶ秋刀魚定食は税込みで$10.12、チップを入れても$12で済む。お目当ては主役の秋刀魚ではなく付録の揚げ出し豆腐。このカテゴリーに鯖もあるけれど脂っこくて嫌いだから何時も秋刀魚。秋刀魚は骨が多いから嫌いという人も居るけれど私は骨の影響しないところだけを食べる。子供の頃から私の食べ残しは一人前残っていると母が言っていたものだ。
まだ早いので客は二、三人。斜め向かいで食べていた白人男性と眼が遭ったら笑顔で会釈されて、戸惑う。私を知っている人かしら?
慌てて会釈を返す。失礼になってはいけないから。
ウエートレスは仕事上の日本語は話すが韓国系の人で口数は少ない。でもおっとりした優しい感じの人で、会って何となくホッとする人だ。
食べ終わって、支払いも済ませ外に出ようとして歩きながら鍵を取り出そうとしたら、無い。パウチに入れた筈なのに無い。
食事中にパウチの中を弄った時に落としたかもしれないと席に戻ったのだけれど落ちてもいない。
先刻のウェートレスも、マネージャーも探してくれるが、無い。
緑色のバンジー・コードが付いているから目立つし、どこかに紛れる小さなものでもないのだから、実に不思議なのだ。
車の中に忘れてきたんでしょう。
実はジャケットのポケットに入れていたのを、外套掛けに掛ける時、身に付けておく方が安心かと思って移動させたのだ。だから、車の中ということは絶対にない。
というところへ新しい客が入ってきた。
見れば此処しばらく会っていない友人二人。付き合いは薄いが長い人たちだ。
事情を聞いて二人とも車の中だ、行って見ておいでと言う。
しょうがないのでブツブツ良いながらも車に戻るが勿論無い。
そんなら、とペニーが言う。ポケットみんな空けナ。
パウチの中味をみんな出してみせる。ホラ、無いでしょう。
このパウチは主要ポケットの前後に厚みの無いポケットが一つづつ付いていて、前方のにはペン、メモ用紙、櫛などを入れてある。後方の体にくっつく方には運転免許が入っている。こっちを開けたら、アッタ。
ほーら、見てミナ。
そこで座りなおし、彼女達が食事をする間、しばらく会わなかった間の情報交換。
御主人どうしてる?とペニーに聞かれてハッとする。三年前の今頃私は病院通いをしていたのだ。ペニーとはもう三年あまり会っていなかったことになる。
彼女たちは二人とも牡蠣フライを美味しそうに食べ、私はそれを見ながらそんな物が美味しいなんて気が知れないと思う。そんなことを話しながら、話題は年の話に自然に移行。
テリーは78歳になった。信じられないほど若々しい。
忙しくしてるよ、と言う。
ペニーが音頭を取って踊りを教え、その辺で生地を買って着物を自分たちで縫い、最近はパーフォーマンスもしているとか。
日本舞踊?あなたが?
がさつ者のペニーには似合わない気がして私は驚く、が、彼女は平然として、日本舞踊と盆踊りの中間みたいなヤツ、と言っていた。想像出来なくは無いが、そんな踊りってどんななのだろう。でも、それはどうでも良いような気がする。70才を過ぎてそういうことを楽しみ且つ人々に楽しみを分け与える、良い事ではない?
一種の健康方でもあるのだろう。
運命の絆、などといえば大袈裟かもしれないが、私が鍵を見失わなかったら今日の出会いは無かったのだ。
Everything happens for a reason. 何事も理由があって起る。
と言う言葉を思い出した。
気の置けない日本語でのおしゃべり、幾分気が晴れて帰路についた。
二、三ヶ所用を済ませてレストランへ。
こんな日、日本語を喋る必要があると感じているわけではないのだが体の片隅にそういう要求があるのかもしれない。
何時も選ぶ秋刀魚定食は税込みで$10.12、チップを入れても$12で済む。お目当ては主役の秋刀魚ではなく付録の揚げ出し豆腐。このカテゴリーに鯖もあるけれど脂っこくて嫌いだから何時も秋刀魚。秋刀魚は骨が多いから嫌いという人も居るけれど私は骨の影響しないところだけを食べる。子供の頃から私の食べ残しは一人前残っていると母が言っていたものだ。
まだ早いので客は二、三人。斜め向かいで食べていた白人男性と眼が遭ったら笑顔で会釈されて、戸惑う。私を知っている人かしら?
慌てて会釈を返す。失礼になってはいけないから。
ウエートレスは仕事上の日本語は話すが韓国系の人で口数は少ない。でもおっとりした優しい感じの人で、会って何となくホッとする人だ。
食べ終わって、支払いも済ませ外に出ようとして歩きながら鍵を取り出そうとしたら、無い。パウチに入れた筈なのに無い。
食事中にパウチの中を弄った時に落としたかもしれないと席に戻ったのだけれど落ちてもいない。
先刻のウェートレスも、マネージャーも探してくれるが、無い。
緑色のバンジー・コードが付いているから目立つし、どこかに紛れる小さなものでもないのだから、実に不思議なのだ。
車の中に忘れてきたんでしょう。
実はジャケットのポケットに入れていたのを、外套掛けに掛ける時、身に付けておく方が安心かと思って移動させたのだ。だから、車の中ということは絶対にない。
というところへ新しい客が入ってきた。
見れば此処しばらく会っていない友人二人。付き合いは薄いが長い人たちだ。
事情を聞いて二人とも車の中だ、行って見ておいでと言う。
しょうがないのでブツブツ良いながらも車に戻るが勿論無い。
そんなら、とペニーが言う。ポケットみんな空けナ。
パウチの中味をみんな出してみせる。ホラ、無いでしょう。
このパウチは主要ポケットの前後に厚みの無いポケットが一つづつ付いていて、前方のにはペン、メモ用紙、櫛などを入れてある。後方の体にくっつく方には運転免許が入っている。こっちを開けたら、アッタ。
ほーら、見てミナ。
そこで座りなおし、彼女達が食事をする間、しばらく会わなかった間の情報交換。
御主人どうしてる?とペニーに聞かれてハッとする。三年前の今頃私は病院通いをしていたのだ。ペニーとはもう三年あまり会っていなかったことになる。
彼女たちは二人とも牡蠣フライを美味しそうに食べ、私はそれを見ながらそんな物が美味しいなんて気が知れないと思う。そんなことを話しながら、話題は年の話に自然に移行。
テリーは78歳になった。信じられないほど若々しい。
忙しくしてるよ、と言う。
ペニーが音頭を取って踊りを教え、その辺で生地を買って着物を自分たちで縫い、最近はパーフォーマンスもしているとか。
日本舞踊?あなたが?
がさつ者のペニーには似合わない気がして私は驚く、が、彼女は平然として、日本舞踊と盆踊りの中間みたいなヤツ、と言っていた。想像出来なくは無いが、そんな踊りってどんななのだろう。でも、それはどうでも良いような気がする。70才を過ぎてそういうことを楽しみ且つ人々に楽しみを分け与える、良い事ではない?
一種の健康方でもあるのだろう。
運命の絆、などといえば大袈裟かもしれないが、私が鍵を見失わなかったら今日の出会いは無かったのだ。
Everything happens for a reason. 何事も理由があって起る。
と言う言葉を思い出した。
気の置けない日本語でのおしゃべり、幾分気が晴れて帰路についた。
よって、ここのところ決まって、当日の夕食は秋刀魚の塩焼き。なんと昨日は1匹50円でした。モチ大根おろしは自家製。チップもなし(笑い)。こんなに安くては漁師さんに気の毒です。
ああ、それと、チップって、お店に支払うのではなく、ウェートレスさん宛ですよね。だから日本のように出口にレジスターがなく、各テーブルで精算する。
アメリカはそうでしたが、カナダも同じですか?
そして、探し物見つかってよかったですね。
基本的にはウェートレスに払うものですが、店によって、特に日本人経営の店では想像できないようなやり方をしているところもあるようですよ。(アルバイトした人の話)
食事が終わったら、「チェック、プリーズ」です。
そして伝票が来たら現金なら即チップも含めて良し、お釣りを貰ってから別においても良いです。クレジットカードなら、スリップがきた段階でそこに書き込みますが、チップだけ別に現金で置いても良いです。その辺は適当に好きなように又は自分に都合の良いようにできます。
探し物、始めから無くしていなかったのです。そそっかしい。
すると、そのウェートレスさんの手元にチップのお金が行くのはどういう形で行くのですか。
精算してから渡すほうが、本来のチップっぽいですね。
消費税やら何やらがゴチャゴチャで、本当にお店が税務申告して預り消費税を納付するのかしらって思ってしまいます。
クレジットカードの用紙にはチップの金額を書く欄があるのです。
コンピューターの仕組みがそういう種々の税金などを記入できるようになっているから、そんなにややこしいことは無いと思いますよ。昔のようにそろばんだったらどうか。
経理の知識も経験もないので答らしい答を上げられなくてごめんなさい。
私たちも仕事で貰ったチップは全て記録しておき、申告していました。
日本食のレストランでサンマを食べられる!もちろん、大根下ろしと醤油もあるのでしょう。そして、ご飯とみそ汁にお新香、こうなってくると日本にいるのと同じだ。10ドルはいくら?そうそう、あのチップはめんどくさいね。今でも旅館では仲居さんへの心付けというのがあるから、日本だって同じだ。
市長歴連続30年、キャンペーンも演説も何にもしなくても立候補しただけで95%の市民の支持があるという人です。
今年が30年目らしいので日本にも話題は伝わっていくでしょう、間も無く。
実績があるから支持があるわけですが、いずれカナダの偉人に名を連ねることになりましょう。その名はヘーゼル・マカリオン。トロントに隣接するミシサゥガ市の市長です。
ところで、秋刀魚定食ですが、大根おろしと小さな酢の物の鉢とレモンが同じ皿にのってきます。それにサラダと揚げ出し豆腐、お新香はありません。
今の十ドルは恐らく千円でしょう。ランチ定食千二百円、悪くないですよね。
チップの件、そうなんですよ、仰るとおりです。
日本人は良くチップを出さない、良いわけは日本にはその習慣が無いから。チップを出す範囲が狭いだけであるんですよねぇ。
チップの収入はバカになりません。日本人は何%と決まっていると信じているけれど、それは目安であって幾ら上げても良いのです。だから腕前によってはチップだけで暮らせるという人もいますよ。私だってお金があったらもっと上げたいと思うことはありますもの。
ガイドをしていて、チップが少なかった時、誤魔化していると思われたことがあります。日本人はこういう事情で云々と説明しなければなりませんでした。個人客は極端に分かれますね。旅行社の人に、失礼だから上げるなと言われたからという良いわけ付きで、チップ替わりに団扇形の絵葉書を渡された事があり、絶句という日もあったし、良いんですか、こんなに!という日もありました。
本当は物々交換の取引でも税金は払わなければならないのだと思いますが、実際はどうなのか。
クレジットでのチップ支払い以外は、雇い主はノータッチと思ってしまいますが…。
チップの替わりといて、絵葉書なんて、クサリますね。私は、外国旅行のお土産といって、宿泊したホテルの洗面用備品(石鹸とかシャワーキャップ)をくれた人がありました。その人の人間性に愕然ときました。高齢の超お金持ちの方でした。そういうのは治りませんね。
ただ、ウェートレスのような仕事で、現金のときもあればクレジットカードで払われる場合もあるという状況下では私には判りませんが当然経理係りには判りますね、雇い主にも伝えられるかどうかは知りません。
税金の申告は雇い主を通さず個人でしますから、その点ではノータッチです。
私のような仕事の場合、現金が不通ですが、日本の旅行社が面倒くさがって(か?)チップ込み、というやり方をする時があり、その場合は給料日に別勘定で支払われました。
ケチ人間は持っている財産と関係ないことは私も仕事を通してはっきり知りましたよ。むしろあまりお金持ちでない方が出す時は出す、って感じです。