★ Serena ★

カナダ暮らしのエスペランチスト、自然愛好家。
エスペラントやカナダの野草、ネーチャークラブの活動など思いつくままに。

シヌーク雲

2007-01-09 20:52:36 | 自 然

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離婚して一人住まいのオタワの友人を訪ねる心算が中々機会が無く冬になってしまいました。彼女はここ数年、年末年始はカルガリーに住む娘夫妻のところで過ごします。そんな訳で今回は彼女の娘夫妻の家を訪ねました。
弁護士と結婚した脳外科医のこの子達が住む家は高級住宅地にあるガラスをふんだんに使った近代的な家です。近くにはアーバーレークと呼ばれる人口湖があり夏は水泳やカヌー、冬はスケートが出来ますが、誰でも使えるのではありません。周囲の住民に限られており、会員証を持って行かないと門を入れないし、お客は連れてこられるけれど人数に制限があります。
其処までの往復が約30分。日没が4時半と言う季節です。3時半ころ散歩に出たのですがあたりは既に薄暗く、ご覧のような写真になりました。
1枚目:重たく劇的に覆いかぶさるシヌーク雲。彼方にロッキーの山並みが。。
2枚目:山の斜面にある住宅地から湖へ下る坂道。シヌーク雲は少し明るい。
3枚目:シヌーク雲を出て西に沈もうとする束の間の夕日。手前の金網の柵内がアーバーレーク。
シヌーク(Chinook)は西からロッキー山脈を越えて吹いてくる暖かい風で一種のフェーン現象です。
シヌーク・インデアンの住む地域から吹いてくる風と言うのでこの名が付いたもので、言い伝えによればシヌークは雪を食う者(snow eater)という意味があり、1フートの雪を一日以内に融かしてしまいます。
シヌーク風、或いは単にシヌークはロッキーの西では暖かく湿気を帯びた西南からの風で雨(海抜の高い所では雪)を運んで来るのですが、山脈を越えると湿度を失い乾いた風になります。
これが毛皮商人たちによって平原地帯に広められたもともとの名で「シヌークの国から吹いてくる風」の意味なのです。
またシヌークの発音も地域で異なり、太平洋岸ではチヌーク、平原地帯ではフランス読みでシヌークです。なぜならロッキーを越えてこの言葉をもたらしたのはフランス語を話す毛皮商人(voyageur)達だったからです。
☆毛皮会社に雇われカナダ辺地に人や物資を運んだ人達で、カヌーを操り探検家としての役目も果たした。

この風が吹くと3-4時間の間に30℃も気温が上がることがあります。-30℃もの寒さの最中には恵みの風と言えましょう。

iRocky.comロッキー辞典を参照して下さい。

私たちが散歩した坂道からは谷間を挟んで「カルガリー冬季オリンピック」スキージャンプ台も見えました。