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★ Serena ★

カナダ暮らしのエスペランチスト、自然愛好家。
エスペラントやカナダの野草、ネーチャークラブの活動など思いつくままに。

ミルク・ウィード

2005-07-09 03:53:22 | 野の花 - 夏から秋へ

エスペラント名:Askulepiado

カナダから越冬のためメキシコに渡るモナーク蝶の好物でもあり、モナーク蝶が激減していることで、心配している有志達からミルクウィードを庭に植えましょうという呼び掛けが起っています。

その1:
バターフライ・ウィード(Butterfly Weed)

学名:Asclepias tuberosa。

別名は
オレンジ・ミルクウィード(Orange Milkweed)
チガー・フラワー(Chigger Flower)
プルーアリシ・ルート(Pleurisy Root)。

始めてこの派手なオレンジ色の花に出会った時、「ワーオ!」が実感でした。
一つ一つの花は単純なのですが集団になってその美しさを誇っています。
これだけ目立てば蝶も見逃すことは無いでしょう。
ミルクウィードは一般に折ると乳白色の液がにじみ出ますが、この花は例外。

昔アメリカ原住民は肋膜炎(Pleurisy)その他の肺に関係のある病気を治すためその根を齧ったそうで、そこから来た「プルーアリシ・ルート」の名が今も残っています。チガー・フラワーの(Chigger)はダニの一種とか。なぜこの名が付いたのかは判りません。


その2:
スワンプ・ミルクウィード(Swamp Milkweed)
学名:Asclepias incarnata

バターフライ・ウィードより落着いた色合いで、鼻を近づけると仄かに匂う香りも悪くありません。
湿地帯を好み花の色は濃いピンクや白があるようですが私が知っているのは濃いピンクの方です。
学名のincarnata は肌色のと言う意味。ようやく咲き始めました。



その3:
コモン・ミルクウィード(Common Milkweed)
学名:Asclepias syriaca

白っぽい花の房はふわっと丸く、手鞠のような形をしています。
少し俯いて、というより頭が重くて堪らない、という風に垂れ加減に咲きます。
細長い苞状の実は実ると綿毛の付いた種を風に任せて飛ばします。日本の唐綿(Asclepias curassavica)とは従兄弟くらいの関係でしょうか。つい先日撮ったばかりの写真があると自信たっぷりだったのですが、行方不明です。庭に咲いていた花なのでじゃァもう一度、と出てみたら時期は終わり茶色にうな垂れていました。というわけでこの花の写真はお預けです。
《古い写真を見つけたので、追加しておきました》

他にもミルクウィードと名の付く花は幾つかあるようですが、今のところ私が知っているのはこれだけです。






ルーズストライフ - 二種

2005-07-08 02:43:56 | 野の花 - 夏から秋へ


一つはパープル・ルーズストライフ。日本のミソハギ(Lythrum anceps)とは少し違いますが従兄弟ぐらいの間柄、美しい赤紫の花は嫌でも目に留まります。

ヨーロッパ原産、何時の頃からか北米の湿地帯を荒らしている手に負えない雑草と指定している州が多いようです。何故かというと、非常に強く繁殖力もあり、動物や小鳥、昆虫、魚等が生きていくために必要な湿地帯の植物を淘汰してしまうからです。言わば「美しき殺人鬼、植物版」とでも言えましょう。

英語名はPurple Loosestrife、
学名はLythrum salicaria 、
エスペラント名は不明。


もう一つはフリンジド・ルーズストライフ。こちらはサクラソウ科、やはり湿地を好む、おとなしい黄色の花が可憐な植物です。
花がうつむき加減に咲くので写真に撮るのがひと苦労。葉柄に毛が生えているところからこの名が付いたようですが、二つの全く違った植物に何故紛らわしい同じような名前を付けたのか不思議です。



英語名はFringed Loosestrife、
学名はLysimachia ciliata 、
日本名もエスペラント名も判りません。
どちらも今が季節です。

フリンジド・ルーズストライフは真っ盛り、パープル・ルーズストライフは咲き始めたところで、これからハイウエーなど走っていると群生するこの花の派手な色が眼に飛び込んで来るでしょう。



新発見! 君の名は。。。

2005-06-25 01:19:35 | 野の花 - 夏から秋へ




昨日通り掛った路傍に見慣れない花を見つけました。
良く通る道なのに、且つ何年も通っている道なのに、今まで気付かなかった花です。
何冊か持っている図鑑を探しても似たような花さえ見出せません。
4-5平方メートルくらいの所に群生していました。
花の丈は50センチくらいで、葉は細かく、房状に花をつけています。この花がとても魅力的なのです。

それぞれの花の大きさは2センチ弱、ラッパ状の花は五枚の花弁を持ち、雄蕊はカールして先端に黒い胡麻粒が付いているように見えます。雌蕊の軸には細かい茶色の毛が疎らに生えていて、下側の3枚の花びらには濃いピンクの動脈のような筋が入っています。花弁の色は白ともいえるほど淡いピンクで、この花を一層可愛らしく感じさせる役目を果たしているように思えます。
どなたかこの花に付いて知ってる方がいたら教えてください。


写真上はクローズアップ、下は花の房です。


チコリ

2005-06-20 02:25:18 | 野の花 - 夏から秋へ


夏が来ると路傍に咲く花の一つ。その美しい紫を帯びた青色に目が行きます。
中々名前を知る機会がなく、当時は図鑑も持っていなかったし気になっていた花でした。
ある夏、プリンス・エドワード島へツアーで行った時、路傍はこの花で一杯でした。
その時バスの運転手ルーイにようやく教えてもらったのです。彼とはその後何回か一緒に仕事をしたのですが暫らく姿を見ない年が続きました。ある年バス会社の人に彼の消息を尋ねると
『昨年急に亡くなったのよ』と言う返事。良く太っていたので心臓に掛かる負担が大きかったようです。背丈はあまり高くない人でしたから、横に転がした方が早いタイプでした。
物静かな人であまりおしゃべりもしなかったし何度か一緒に仕事をしたと言うだけなのですが、チコリの咲く季節が来ると達磨さんのような彼の顔を思い出します。

一度に数個の花を付けますが、花の命は一日だけ、それでいて夏中花を楽しませてくれる、ヨーロッパ原産の花です。花が咲くのも萎むのも毎日同じ時間というのも面白いですね。

根は茹でて野菜としても食べられるし、乾燥させ粉末にしてコーヒーの代用品になります。戦時中のヨーロッパではもっぱらこれがコーヒー代わりに使われていたようです。
コーヒーそのものよりも水に溶けやすく少量で十分な香りを楽しめるので経済的でもあるのだそうですが、カフェイン無しでコーヒーの味を楽しめるし、血液の浄化や肝臓の健康に良いとのことです。
現在でもカフェインに敏感な人はチコリを主体にした身代わりコーヒーを求めることが出来ます。

もちろんこのように使われているのは栽培されている物で、きのこ狩りのように路傍のチコリを狩り集めるのではありません。
この花は何故か、Blue-sailors ブルー・セーラーズとも呼ばれます。日本語ではキクニガナ。

サラダに使われるエンダイヴ(Cichorium endivia)もチコリの一種ですがチコリの葉も若いのはサラダに使えるとのこと。まだ使ったことはありません。花が咲いて始めてその存在を認識するので、その頃は葉も硬くなっているのです。

英語名はChicory、学名はCichorium intybus、エスペラント名はCikorioで、エスペラント名のCikorioは、エンダイヴ等も含めた広義でのチコリです。
      


バター・アンド・エッグス

2005-05-23 09:07:41 | 野の花 - 夏から秋へ
Butter-and-eggsは乾いた路傍に何気なく咲いている可愛らしい花です。初めてその名を知った時、面白いなァと思ったものでした。目玉焼きを連想します。
始末に終えない雑草とみなされているほど執拗に繁茂するようです。原産はヨーロッパでいつの間にか北米に定住してしまいました。またの名をトード・フラックス。トードはヒキガエルですが、花の形がヒキガエルの口に似ていることと、葉が亜麻(フラックス)の葉に似ていると言うことでこの名が付いたのだそうです。私は何故か目玉焼きの方に軍配を上げたいです。
学名はLinaria vulgaris 、エスペラントではLinarioの一種ということになるでしょう。日本名はホソバウンラン『細葉海蘭』です。カラカラに乾いた場所に咲いていても海の蘭とはこれ如何に。。。なのですが。日本では観賞用に栽培もされているとか。
夏の間中咲き続けているという点でも強靭な草と見ました。夏が来ると昨年咲いていた場所を訪ね、再会を喜びます。花の方はちっとも嬉しくないかもしれませんが。