つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

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2006-02-04 13:57:41 | ファンタジー(現世界)
さて、2冊目を読もうの第2弾は、死にたいひとだけアマゾンで絵を見ようの第431回は、

タイトル:乃木坂春香の秘密2
著者:五十嵐雄策
出版社:電撃文庫

であります。

表紙絵は、少し慣れた(笑)
買うときも、他に集英社文庫とか、コバルト文庫とか、画集とかと一緒に買ったので、気にはならなかった(笑)
てか、1巻買っちまったんだから、もうどうでもいいのさっ(爆)

さて、完全無欠の、だが天然ボケというお約束の塊を地でいくヒロイン乃木坂春香と、春香のアキバ系趣味という秘密を知ってしまったことから、友達づきあいが始まった綾瀬裕人のベタなお約束ラブコメディの2巻。

1巻と変わらず、60~100ページあたりをうろうろする短編4本にエピローグを加えた構成。
文体も、主人公である裕人の一人称で軽快な語り口調で読みやすい。

そしてストーリーはと言うと、相変わらずというか、まぁ、そこがいいんだがと言うか、ベタ(笑)

その最たるものが2巻で登場する新キャラ。
最初の短編である第五話で登場する乃木坂姉妹の父 玄冬。
わけのわからないうちに、春香が出場するピアノコンクール(場所ロンドン)に連れて行かれた裕人は、そこで玄冬と出会う。
厳つい顔にサングラスで、どこからどう見てもマフィアの親分としか思えない姿。

さらに乃木坂妹の美香の「お義兄ちゃんになるひと」と言うセリフや、春香が助けてもらいたいときに頼ってしまう裕人に対して、こめかみに怒りマークを付けるあたり、かわいい娘たちを蝶よ花よとかわいがる、いかにもコメディに登場するお嬢さまの父、と言う設定。

このふたりの出会いとやりとり、そしてピアノコンクールでの一夜が第五話のお話。

で、第六話は乃木坂姉妹の世話を一手に引き受ける1巻でも登場したメイドの桜坂葉月がメインの話。
最近どこか様子がおかしい葉月を気にかける春香について、葉月を尾行する裕人たちの尾行劇を描いたもの。

途中、勘違いで春香はウェディングドレス、裕人はタキシードに着替えさせられるシーンがあるなど、読者サービスは忘れていない。

第七話は1巻でも話が出ていた夏コミのお話。
……あえて、多くは語るまい……。

途中、会場のひとの多さに、裕人がはぐれないようにと手を繋いだときの春香のセリフ、
「ゆ、裕人さんの手って、大きいんですね」

……是非、読んで死んでください。
このコールタールでは粘度が太刀打ちできないベタっぷりには私も死にました(爆)

第八話は、夏コミから戻った春香が父の玄冬とケンカして、裕人宅に転がり込み、一泊すると言うお話。
ここでも新キャラ。
玄冬がまったくかなわない乃木坂姉妹の母親が登場。

さて、ネタは暗くて怖いから一緒に部屋で寝たいと言い出す春香や、それを連れ戻しに来た玄冬と火花を散らす裕人姉のルコなど、ベタキャラの特性をいかんなく発揮するベタな展開。

……にしても、これだけベタなお約束展開だって言うのに、まぁ、読めるもんだな。
とは言え、やはり1巻のインパクトにはさすがに勝てないのだろうか。
1巻に較べてノリがやや悪い感じがする。

文章も、ストーリー上の問題もあるだろうが、1巻でよく見かけられた裕人らしい地の文の突っ込みなども少ない印象。
この突っ込みがなかなかいい味になっていたところもあったのだが、ここも少ない印象だったので全体としてのノリのよさが薄まった感があるのだろう。

まぁでも、こう堅い話を読み続けたりしていたときに、こういうラブコメを読むと、やっぱり安心するなぁ(笑)
もっとも、萌え系に耐性がなければ読めないのはまったく変わらないけど。



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