さんたろう日記

95歳、会津坂下町に住む「山太郎」さんたろうです。コンデジで楽しみながら残りの日々静かに生きようと思っています。

おら は たまげてしまったでや

2020-05-16 | 日記

これって私のふるさと奥会津の言葉です

「私はもう驚いてしまったんですよ」という意味のつぶやきです

なんとまあ、田んぼ一面のレンゲの花なんですよ。感動のあまり思わず自分のふるさとの言葉でつぶやいてしまったんです。

レンズをマニュアルにしてしっかりとしたピントで撮ればいいのに、感動のあまりオートのピントで撮ってしまったんです。近くの花がボケています。ぼんやり者の私のしたことがピントの甘い写真になってしまっています。撮り直しもできないし、悔しいです。

 

レンゲの花いっぱいの田んぼといえば60年ほど昔の田んぼの春を思い出します。その頃の田んぼの春はカラシナやレンゲの花が一面に咲いていて綺麗だったように思います。

レンゲは豆科の植物ですから根に根瘤バクタリアがついていていて空気中の窒素を固定するんでよね、レンゲを鋤き込むと田んぼの窒素肥料が豊かになるんですね。化学肥料が乏しかった時代にはレンゲは大事な窒素肥料として栽培し鋤き込んでいたんですね。

カラシナ(菜の花)はその種子から豊富な菜種油を搾油される大事な作物でした。今も広い圃場に菜の花を栽培してあるのを見ますけけど花の鑑賞用で菜種を採る前に刈り取ってしまうみたいでもったい思いがします。

 

私たち町の青津集落の盆踊歌の青津甚句にはこんな歌詞があります。
 嫁にくるなら青津にくるな
 藍とカラシに殺される

 

藍はかつて有名だった青木木綿を染めるための、カラシは菜種油を搾油するための作物ですよね。かつては青津集落では藍とカラシが豊かに栽培されていたんですね。

遠い昔会津の圃場の春はレンゲとカラシナの花(菜の花)で美しく彩られていたんですね。

そして、西のほうからはつぎつぎと野に咲く花の蜜を追って養蜂業者がたくさんの蜂の巣箱をもってきて採蜜していました。その頃の蜂蜜は「栃の花の蜜」「レンゲの花の蜜」・・などと名前がついていたような記憶があります。

 

それにしても、物好きにも1枚の田んぼをレンゲの花いっぱいに栽培してみたり。蔦や柴の藪の中にかくれていた小さな道しるべを藪柴を刈り払って誰もが見えるようにしたりなさる奇特な方が私の近くいらっしゃるんですね。感動してしまいます。敬服してしまいます。