さんたろう日記

95歳、会津坂下町に住む「山太郎」さんたろうです。コンデジで楽しみながら残りの日々静かに生きようと思っています。

葛根湯(かっこんとう)を飲んでへその曲がったじじいが素直に寝ています

2013-02-15 | 日記


せき、鼻水ぐちょぐちょ、偏屈じじいが風邪を引きました。
ばばちゃんが言います、「薬を飲んで寝てなさい!」

 人になんか言われることの嫌いな偏屈じじいは心に思います。
 「風邪に効く薬なんかないんだ」
 「下手に寝込むと起きられなくなる、起きて何かをやっていたほうがいいんだ」

 「でも、気晴らしに薬局まで行って見るのもいいかもしれない」
表面は素直に、心の中ではむくれて薬のスーパーに行きました。

 薬剤師さんはきれいな優しい女の方でした。「鼻水と咳がひどいんです、風邪薬を下さい」というと、じゃこれがいいでしょうと薬を渡してくれました。レジも可愛い女の子でした。86歳のじじいもちょっとルンルンして家に帰りました。

 家に帰って袋を開けると「葛根湯エキス錠」とあります。とたんに偏屈へそ曲がりが吹き出します。「なんだこんな薬、そこらのどこにでもある葛の根を中心に処方した江戸時代の風邪薬じゃないか。漢方など風邪に効くわけがない」そう心に思って薬など飲まず、ばばちゃんには薬を飲んだから寝るよと言って布団に入りました。

 ばばちゃんは素直なじじいに安心して自分の寝室に行きました。」

 ところが時間がたつにつれてせき鼻水がひどくなり涙も出てきます。9時過ぎ「ものは試し、飲んでみるか」とこっそりと葛根湯エキス3錠を飲みました。

 そしたら、あら不思議30分ほど過ぎると症状が軽くなっているんです。効かないと思っていた薬が効いて嬉しくなったじじいはそれから4時間おきに3錠ずつ飲んで気持ちよく眠りました。

 朝起きて自分の仕事をやっているじじいを見て安心したばばちゃんは「大丈夫?」と声をかけました。「ああ、薬を飲んだから」なんだか嬉しい気持ちで応えました。

 ばばちゃんの言うことと、古くから伝わる漢方はだいじにしなければとへそ曲がりじじいが今ちょっとばかり素直になっています。

 写真は葛の花です。葛の根からは葛粉という上等なデンプンがとれ和菓子の材料に使われています。子供の頃風邪を引くと葛粉を水に溶いて熱湯を加えた葛湯を飲まされました。

 私のふる里只見では昔、馬や牛などの栄養のある飼料として夏の終わり頃「鎌そろえ」と称して集落の人が鎌を持って集まり「よーいどん」で葛の蔓や葉を刈りとってうまやの二階に蓄えました。昔は葛は大事な植物でした。今はどこにでもはびこる困った植物になったいますけど。