のんびり娘の謎

10円が2個で、、、12円?今日の前の日は、、、前の日?のんびり娘のお答えは、理解できない謎ばかり。さぁ、どうする?

謝恩会

2009-03-10 22:07:06 | 学校や先生について
最近では、「祝う会」が主流で、
親と子が学校スタッフに感謝するという趣旨の
「謝恩会」や「謝恩パーティ」をする公立小は少ないのではと思いますが、
勤務先の学校は、いまだそのスタイルを続けています。
給食が終わると6年生を残して完全下校。
午後1時半頃から、体育館で謝恩会の始まりです。

子供ひとりが先生ひとりを会場に案内し、
夫々の先生方を皆さんに紹介してから、席まで案内してくれます。
みんなの前でしっかり話せるか、どきどきしている様子が伝わってきて
ほのぼのしちゃいます。
椅子まで引いて座らせてくれる、なかなか嬉しいサービスもつきいてました。

校長先生のお話。PTA会長のお話。そして過去にこの学年を指導され
今は別の学校に転出されている「来賓の先生」がたのお話と続きますが、
エピソードいっぱいのこの学年。お話されるお一人お一人に先生に
熱い思いがあって、それをまた、教職員、保護者が共有しているものだから
とてもいい会になりました。

そう、この学年です。
私が始めて教室に向かったその日、教室から大きな怒鳴り声と共にたたき出された
二人の男の子。
「すみません、その子達の話しをちょっと聞いててください。」
と、まだご挨拶もしていない担任の先生に言われて、
2年生にしては体の大きな、まだ充分戦闘モードの二人を押さえつけるようにして
話しを聞いたその学年。

その年の修了式の日には、椅子を振り回して暴れていた男の子をひとり引き受け、
図書室でクールダウンさせたなんていうこともありました。
3年では、指導力、人望ともにある男の先生に当たり、やんちゃが少し影をひそめたと思ったら、その先生が副校長として転出された翌年、またまた大荒れ。
学年をまたいで算数指導に当たっていた私の仕事が、4年生の一クラスの補助(もぐらたたきですわ)になったほどでした。危険を伴う理科の授業にはいつもお母さん達が立ち会ってくれていました。

ずっとそうなんですけど、この学年の男の子達の多くから
「構って欲しい」というオーラがでてました。
悪たれも、大暴れも、自分勝手も、
そのどこかに「こっちをみてよ」「構ってよ」
という色が染み出してました。
何故かはわかりませんが、それはどの先生も感じてました。

結局、最後まで本質はあまり変わりませんでしたけど、
卒業を前にした今、それは充分「許容範囲」までおさまってきたように思えます。
物事を何でもひねくれてとって、好き勝手していたA君も、
流れに従って、ちゃんと先生の紹介をしていました。
「こんな事やってられるか!」と、いつもそっぽを向いていたK君も、
先生達を拍手で送り出していました。

音楽や図工、家庭科など、専科の先生方をずいぶんと悩ませた少年達でしたが、
その歌声は素晴らしくよく響きました。
もっとも、家庭科の先生は、
「お母さん達に渡す感謝のクッキーをつくろうっていうのに、
そこで取っ組み合いを始めるんだからね。まったく。」
と、エピソードを一つ教えてくれましたが、
それも、以前のような歯止めの効かないものではなくなっているらしい事は
先生の口調でよくわかりました。

私は、この子達が2年生のとき、
あまりの状況に思わず涙してしまった事があります。
他の二クラスの子ども達が順調に授業をしているのに、
この子達は今日もまた、先生に怒鳴られ大騒ぎをしているだけ。
どれだけの時間を無駄にしてしまうのだろうと
溢れてきた涙でした。

でもね、そういう学年だったから、素晴らしい先生が何人も投入され、
そして真剣に子ども達と向き合った。
この子達に、これだけは伝えたいと、そういう強い想いをもって1年ずつを過した。
担任の先生方だけの手には負えませんでしたから、学校中の全ての先生が
いつも彼等の成長を気にかけてきた。

そう考えると、この学年の子達は実は幸せだったかもなんて思ったりしちゃいます。
たくさんの大人達が、真剣に向き合ってくれた。
その思い出を持って大人への階段を上がっていくのですもの。

かっこいい大人になるんだよ。
4年生のこの子達に言い続けた言葉を、今日も心のそこでそっと送りました。
おめでとう!







最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
しずくさん。 (sei)
2009-03-12 22:54:09
本当に「すごい」メンバーでしたから、「素敵なお話」のまま卒業してくれるかどうかは定かではないのですけど(笑)、昔ママ友から聞いた
「いい子、いい子、どうでもいい子」
っていう言葉を思い出しちゃいました。

この子達は、それはもう・・・で、マイナス面ばかりが目に付くのですけど、そのマイナス面自体がたくさんの大人の「真剣さ」を呼び、他の学年のお子さんたちより濃い時間を小学校で過せたように思うんですよ。

そうですね。縁あって始めたこの仕事で、子ども達の「変化、成長」を見せてもらって、以前より長いスパンで物を考えられるようになってきたような気はします。
「今、を積み上げていく事」は大事だけど、
「今、できない事」に焦る必要はない。
少しは私も成長したでしょうか。




返信する
素敵なお話ですね (しずく)
2009-03-11 17:55:46
sei先生に出会えた子供たちは幸せものですね。
こんな気持ちで祝ってもらえて・・・。

生意気な書き方かも知れませんが、seiさんがお仕事で経験されてることや、違ったタイプの二人のお嬢さんの子育ては、seiさんの心を、そして人生を豊かにしていってくれてる気がします。
返信する

コメントを投稿