いわき・うぶすな広場だより

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219年前のいわきの行事・農作業とは!!

2018-09-02 10:29:16 | なるほど歴史塾

種から蒔きました「パブリカ」
やっと実がなり始めました。
猛暑でほぼ全滅。
唯一残ったようです。


「昔・唐辛子」です。
細くて長いのが特徴です。
赤いのは先日収穫しました。

昨日から9月
寛政十一年農家年中行事(長谷川安道著)から
・・・なるほど歴史塾で現代訳にしました。
今から219年前
9月のいわきの行事農作業について

一.九月三日は、
   山年貢までを上納する。名主より割りつけられたとおり、
    きっと皆済して、
     (村役人の)二度とやってこなくていいように心がけるべきだ。

一.小麦は、九月十五日までに播かなければならない。
     後半の十五日に播くようでは、
   不作の原因になると、名人が物語っていたのをきいた。

一. 夜畑(作業)のことについて

   十五日前半は、
   月夜の為、たいまつはいらず、その上に暖かいので働きやすい。
 また、闇の夜、雨の夜は、縄もじり、俵あみの用意をして秋を待つべきだ。

一.大豆、えごまの収納、里芋、蒟蒻(こんにゃく)、茸(つく)藷(いも)、生姜の種は
     その年の出来、不出来は、
     霜の降りかげんを見て、天気により油断なく収穫しておくように。

一.中旬には、
   大検見(稲の出来具合を見て回る)の役人が
     村々に巡ってくるそのお触れが名主より前もってあるから、
     お通りする道、橋の掃除を行い、指図を受けて、
     御休所までを設置すること。

一.定められた日に、大検見のために、
  郡奉行、御代官、その他下々の役人達が随行するときは、
  思いがけないようなことがないように心がけなくてはならない。
  もちろん御役人は、稲の善悪を見るので坪刈りをする。

  お昼休みの宿において、
   年貢の収納について、名主、組頭、田主(地主)、立会いの上、
   升目を改めて、帳面に書き込むことになる。

  次に、村々の名主、組頭、老百姓などに対して
 (
御役人から年貢の割りあてがあり)、
     例年の通り大検見もすみ
  年貢高が決まったので、それぞれに稲刈りをすることになる。
    稲こきをし収納することとなる。

  (年貢米は)(平城内米蔵への)御蔵納め、
   (江戸屋敷用に回船で送るための)浜下(はまおろし)となり、
    縄や俵はよく吟味して運搬しなければならない。
   (年貢収納の)日限については、郡の割頭(わりがしら)どもより指令があるので、
 この趣旨は末端の小百姓(小作農)のものどもまで、
   もれなく聞かせよということである。

 一.御検見役人が、通行を済ませれば、天気次第で、稲を刈り、
  収納して名主が指示した通り平城の米蔵まで運び、、
  浜津出しをしたりするにも、縄俵を粗末にしないで、
     苫(とま)柴(しば)、台木などまで
  間違いのないように心掛けなければいけない。
  苫(とま)柴(しば)が不揃いでは年貢を納める当日の差支えとなり、
     人足の連中の迷惑にもなる。

  もちろん、金銭で買ってそろえるような品物ではないから、
    ただ心がけ次第なのだ。

一.今九月は、
    鎮守、氏神様の祭りである。
  御幣を捧げ、御供えを備えて、

    家内安全を祈ることは、
  各々の吉例によるのである。

一.九月は重陽の節句とて、五節句のしまいである。
     今日より冬の衣装に移る。

  だから、八月下旬より、袖縁、裾廻し、おびき・綿など調達しておき、
   女房は衣装の準備を間違いのないように心掛けなければならない。
   家内の人数、洗濯、綿入等など、女房の心掛けで平常たいせつなことだ。
  田畑作物、扱(こ)き、収納の米のうす摺りや年貢の納めがすみしだいに
   冬着、節衣を心掛け
 糸を引いて幟を織ったり、
 紺屋に頼んだものが染め次第、仕立て正月を待つのである。

  また、手拭、頭巾、羽織、上着」、下着、帯、股引、脚絆、足袋、くつずり等まで、
   差し支えないようにこしらえておくことだ。

  なおまた、絹布の類は、百姓が使うものではない。
  ことに俗のたとえに「金襴の袋に味噌を包む」と言う。

  無算、無筆にて、行儀知らず、
   大食・大酒・けんか・ばくち・悪口・ひるね・いねむり・
  大あくび・うそつき・小盗・じせぶり・屁ひりくらべなどははよく覚えて、
    われ劣らじ我れ負けじの風である。

  小袖の中からたいへん臭いものを出すのである。
    ゆえに俗にこれをたとえて、屁ひり小袖という。

 これは人間として慎むべきことだ。

一.日待の事、正月五月に準じて、信仰をすべきだ。

一.稲の刈取と収納がすみ、麦作のしつけが終了すれば、
     田をおこして、薪(まき)を樵(こ)り貯えるべきだ。

    またそのあとは村の所々のを手励みをし、
    少しでも、金儲けを心掛けるものだ。

※:手励み:よそから頼まれてやる賃仕事ねど。

ところ(地元での)商売・賃仕事の 金儲けは、
銭もうけといえば

まず、
山で炭焼き、
     薪つくり、松、松ヤニ、イコ、イモ、山アク、こぼく、メウド、鍬柄、斧台、火口、などである。

この村の外の村々では、
  破魔弓、、箭、羽子板、笊(ざる)、

  籠、フコ、フルイ、ムシロ、ゴザ、草履、木履、野菜など、
    所々の市を追いかけて、
    小名浜、上遠野、木戸、富岡、久之浜、四倉、平の
  六斉市にて金銭をもうける。

  年貢は申すまでもなく、名主、組主の雇銭や紺屋の染賃、綿の打賃、
  味噌の塩代まで、さいそくされないで
  自分で準備できるように心掛けるようにしなければいけない。

一.二十三夜は、餅をつき、神仏に餅を供え、菩提寺、祈祷所、
  親元、師匠方まで持っていき進上することだ。


219年前の長谷川さんは
いわき市平・平窪の9月の行事・農作業を書いています。

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2 コメント

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Unknown (とり)
2018-09-02 21:31:16
相変わらずお忙しい毎日を送っていますね。
9月に入り、台風が接近中。
くれぐれもお体を大切になさってください。
返信する
Unknown (いのしし)
2018-09-04 12:41:39
とりさま

コメントありがとうございました。

台風に注意してください。
返信する

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