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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

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20190622今日の一手(その894);相手の攻め筋を見破る

2019-06-22 | 今日の一手

20190622今日の一手

 

5月1日の名南将棋大会から、TさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

先手の桂得で馬を作られていますが駒得です。

玉の堅さは後手のほうが堅いです。

先手の攻め駒は29飛と持ち駒角桂桂で4枚。

後手の攻め駒は37馬51飛で2枚。

 

総合すれば先手有利です。

 

☆ 大局観として

先手は玉の堅さだけ劣っているのですが、金銀4枚が守備に就いているので手厚いです。良い手を指していけば優勢になるでしょう。

5筋7筋に歩を打てるのも好都合で攻めには困らないのですが、後手からの攻め筋がわかるでしょうか。それを防ぐか、構わず攻め合いに持ち込むか、方針を決める時です。

 

 

○ 後手の攻め筋を見るために95歩としてみます。

95同歩は94まで香を吊り上げて86桂の攻め筋ですね。後手に受ける駒がないので手抜きでしょう。この時に後手の攻め筋は3つあります。55歩65銀右64歩同銀56歩

金銀両取りですし、銀取りになっていなくても56歩は厳しいです。

 

別の攻め筋は46歩

46同金は同馬同歩56飛でだめですね。46同歩は38馬

56馬と29馬の両ねらいです。

 

3つ目は56飛です。

56同金47馬同金38銀

この図は銀と飛角桂の交換ですから、飛か金を取られても大丈夫です。

 

後手が馬を切らないで38銀だと

89飛47銀不成57金引

やはり先手の駒得です。後手の攻め駒が2枚だけなので怖くはないです。

 

さて対策を見てみましょう。(3つ目は大丈夫でしたね。)55歩65銀右64歩

64同銀56歩ではつぶされます。銀を捨てて94歩92歩74歩65歩64桂

62飛72桂成同金

後手に馬を作られているだけの駒損です。もう玉の堅さが逆転していて、73歩成同金74歩72金65桂

攻め駒が29飛を入れなくても4枚あるので好きなように攻めることができます。

 

後手が92歩を打たないと(92歩74歩が入らない)と

飛車を追いかけて攻めていけば十分です。

 

46歩の攻め筋は

取らなければそんなに怖くはありません。56飛同金47歩成とされた時に飛をもって反撃できる形を意識しておきます。94歩92歩66桂

これは詰めろです。47歩成同金上64馬65銀右

これは先手優勢でしょう。

 

 

△か× 実戦は46角と打ちました。

馬を消す好手と思ったら、46同馬に同歩は38角

56角成と29角成がありますね。38馬のかたちでも角でも同じ、1手パスです。47角があっても29角成同角39飛

角を逃げて99飛成が痛いです。

 

実戦は46同馬を同金と取ったのですが45歩

金でも銀でも取れません。無視して66桂46歩74桂打

74同歩同桂92玉42角56飛

駒損で攻め駒が足りないです。

 

最善は45歩に42角でした。

46歩51角成同金74歩

少し駒損ですが74同歩には86桂で悪くないです。

52飛とかわされたら

33角成(33同銀は53歩から飛先を止める)46歩34馬

これも先手有利です。46角は良くない手でしたが、最善を探せば形勢は悪くはないです。

 

 

○ 角を打つならば42角

飛を取れるようにしておけば55歩や46歩は怖くないです。52飛86角成55歩65銀

64歩は同馬と取れます。46歩の筋だって53歩を打てるので対応は簡単です。

馬を作れば完全に桂得、先手玉も堅くはないけれどより手厚くなり、悪い要素が無くなります。

 

 

○か△ これは86角とか

75角とかでも同じことではあります。42角成があるので、32金に95歩とか74歩とか、手番をもって攻めることができます。

 

 

△ 66歩は

55歩を67銀右と受けることができます。46歩のほうを受けていないので74歩

取らずに寄せ合いがどうか。悪くはないけれど66歩の効果は(この流れでは)見えてきません。

 

 

○ 何度か手順の中で出てきましたが74歩

というのが美濃囲い攻略の手筋です。後手は馬筋が止まるので55歩とか46歩とかは指しにくいです。74同歩66桂71玉54歩

51飛の筋を止めれば十分でしょう。

 

 

△か× おとなしい受けは55歩です。

46歩や55歩を避けたのですが、55同銀同銀同馬

66銀56歩55銀57歩成同金55飛

金銀と馬の交換をしましたが、元が桂得でしたからまだ駒損ではないです。形勢は互角。

 

56歩は同馬

これは受けにくそうです。66銀か66角か、まだ悪くはないのでしょうが。

 

ここでも42角

52飛86角成56歩66金

これならば先手有利ですが、55歩自体はすぐに取られるので良い手ではないと思います。

 

 

○ 54歩ならば

54同飛66桂

先手で66桂を打てればかなりの得です。74歩や74桂打がねらえます。

 

後手は54歩を取れず、

55歩65銀右64歩同銀54飛65銀

こういう攻防になると「大駒は近づけて受けよ」の格言通りになっています。

 

 

○ もう一つ上の53歩ならば

53同飛は54歩を取れないから1歩で1手儲けたことになります。55歩は65銀64歩54銀

56歩同金53銀

53同銀成同飛55歩

45桂を見ています。角銀桂を打って攻める手に困りません。

 

 

△ もう一つ上の52歩は

52同飛を利かしと思って何か別の手を指すならばあり得ますが、53歩同飛54歩同飛66桂51飛

歩切れになると74歩を打てず、54歩も打てず、74桂打は早すぎて失敗です。

 

 

☆ まとめ

駒得なのでゆっくりした展開を望むほうが無難です。

55歩はかえって危ないけれど、54歩や53歩ならばゆっくりした流れになりそうです。

42角から馬を作ると、後手の攻め(55歩や46歩)に対応しているので一番良く見えます。

 

はっきり有利なので95歩とか74歩とか、歩を使って軽く攻める手でも良いでしょう。ただし相手の攻め筋に対応できる自信があるときだけです。

 



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