名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20180101

2018-01-01 | 大山将棋研究
後手番中原先生の手を考えます。

第1問


歩を合わせられたら
A 76同歩 B 86歩 C 65歩

第2問


本筋の攻めは?
A 87飛成 B 77歩 C 65歩

第3問


角を追われましたが
A 99角成 B 57同角成 C 79角

第4問


どう攻めましょうか。
A 57桂 B 58銀 C 58金

第5問


馬取りですが。
A 48金 B 49銀 C 57同馬
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大山将棋研究(751);中飛車に加藤流袖飛車急戦(中原誠)

2018-01-01 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180101
昭和58年11月、中原誠先生(名人を失って十段に復帰したころ)と第43期棋聖戦です。

大山先生はまたも中飛車です。中原先生は加藤流の袖飛車で

79金は大山先生考案の対策です。この将棋が最初でしょう。

その意味は78飛とまわること。79金も飛車交換には強いです。

7筋を逆襲して、中原先生は困ったようですが

8筋を狙えば手は続きます。

大山先生は77金と守れば手堅いのですが、7筋を攻めていきました。

と金は作られても65歩が入れば中原先生の攻めも切れないです。

87歩同飛成と呼び込んで銀を上がるのは仕方ない受けのようで

77歩かと思いましたが、86歩。85銀66歩77金という受けもありますが

大山先生はあっさり竜を取って飛を逃げました。

85飛が普通ですが、65飛から63と というのは大山先生らしい感じがします。

銀を取ってから85飛~82飛成。これで駒損でもないわけですから、大山先生が上手く指した感じです。

銀を打ちたくなるのはわかりますが、79角と打たれて、しまった、という感じです。角に当てないで58金左か48銀か。

角と金の交換になると66銀に働きがないです。

端を謝るのではちょっと。ただ後手玉も竜飛角で攻められるから十分にも見えるのです。

平凡に金を打たれて、58同金同馬49金48金というのは寄せられています。金を取れないので後手から49金が詰めろで2手すき。後手玉は62歩成~51と~41と で詰めろなので4手すき。守れば1手くらいは伸ばせそうですが、それでも後手の攻めのほうが速いです。

なので竜を引いて守りました。これは失敗を認めたということでしょう。中原先生は金を取って銀を打ち、平凡に寄せるのですが、端に逃げられないのが大きくて、これで十分なのです。

大山先生は苦心して受けるのですが

馬を切って金打。

49銀には17桂。端に打ち込まれて困っています。

金を取るのが間に合わず

投了図。

加藤流袖飛車急戦は玉が堅くて攻められるのでかなり優秀なのです。本局は大山先生の79金と引く新対策でした。中原先生の86歩がどうだったか、大山先生の有利な終盤だったはずなのですが、案外に難しいとは。57銀は打ちたくなるのですが敗因なのでしょう。73手目の81飛を保留して、飛車は端の逆襲に使うとか(16歩に14歩同香12飛)先に89竜と引くとか、まだ対応はできたのですが、寄せ合い勝ちのように見えても端を詰められたのは大きかったです。
終盤の勉強に後手をもって(上下ひっくり返して)並べると良いです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:中原誠十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 5四歩(53)
5 5八飛(28)
6 6二銀(71)
7 6八銀(79)
8 3四歩(33)
9 6六歩(67)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 2八玉(38)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 4二銀(31)
19 3八銀(39)
20 7四歩(73)
21 6七銀(68)
22 6四歩(63)
23 7七角(88)
24 8五歩(84)
25 7八金(69)
26 5三銀(62)
27 4六歩(47)
28 7二飛(82)
29 7九金(78)
30 7五歩(74)
31 同 歩(76)
32 同 飛(72)
33 7八飛(58)
34 7四飛(75)
35 8八角(77)
36 7五歩打
37 6八金(79)
38 7三桂(81)
39 7六歩打
40 8六歩(85)
41 同 歩(87)
42 8四飛(74)
43 7五歩(76)
44 8六飛(84)
45 7四歩(75)
46 8五桂(73)
47 7三歩成(74)
48 6五歩(64)
49 8七歩打
50 同 飛成(86)
51 7六銀(67)
52 8六歩打
53 8七銀(76)
54 同 歩成(86)
55 7五飛(78)
56 8八と(87)
57 6五飛(75)
58 8九と(88)
59 6三と(73)
60 5一金(52)
61 5三と(63)
62 同 銀(42)
63 8五飛(65)
64 6六角(22)
65 8二飛成(85)
66 4二銀(53)
67 5七銀打
68 7九角打
69 6六銀(57)
70 6八角成(79)
71 7三角打
72 1五歩(14)
73 8一飛打
74 1六歩(15)
75 1八歩打
76 6二歩打
77 6三歩打
78 5八金打
79 8九龍(82)
80 4九金(58)
81 同 銀(38)
82 5八銀打
83 同 銀(49)
84 同 馬(68)
85 5七金打
86 同 馬(58)
87 同 銀(66)
88 4七金打
89 4九銀打
90 1七桂打
91 3八銀(49)
92 2九桂成(17)
93 同 玉(28)
94 5七金(47)
95 6六角打
96 1七銀打
97 2八桂打
98 同 銀成(17)
99 同 玉(29)
100 1七銀打
101 3九玉(28)
102 4七桂打
103 同 銀(38)
104 4八金打
105 投了
まで104手で後手の勝ち

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万年級位者を脱出するために(1)

2018-01-01 | 将棋上達法則
あけましておめでとうございます。

久しぶりに上達法についての話を書きます。
「一年の計は元旦にあり」で今年の抱負を考える手助けになれば。

上達方法を書くのは「楽に強くなる方法を教える」ためではなくて、「正しい努力の方法を教える」ために書いています。昔の自分に教えられたら良かったのになあ、という自戒を込めて書いています。

残念ながら、多くの将棋愛好家はそういう努力、ほんの少しでも良いのですが、ちゃんとした努力をしません。
努力をしないのにも理由があって、「ちゃんと努力しても強くならないこと」が怖いのです。だから「楽をして強くなりたい」なぜなら失敗しないなら怖くないもの。「将棋なんてただのゲームではないか」「努力していないだけだから負けてもいいんだ」と言い訳を考えたり、逆に負けを取り返したくて次から次へと対局だけ重ねたり。
恐怖心が意識の底に眠っています。と私が書くと、そんなことはないよ、何を言っているのか?とそっぽを向かれそうですが、これが人間の深層心理です。

私にももちろん当てはまりまして、ここ1,2年勝てなくなっていました。すると将棋を指すのが嫌だと思いますし、負けた将棋を振り返りたくなくなります。棋譜をつけたのに検討しないで1,2か月放っておいたりもしました。スランプはどうやら終わったようで、やる気は戻りました。こういう時にも名南将棋大会や東海団体リーグなどで指す、ブログを書くという習慣があってよかったです。精神論だけでは続かないときがあります。

話はもどりますが、大多数の人は努力をしません。その裏で、少し努力すれば(ある程度までは)簡単につよくなります。
大多数の人=級位者
努力をする一部の人=段位者
さらに努力を続ける人=アマ強豪からプロまで
という構図です。
プロになっても努力して負けるのが嫌で逃げてばかり(遊んでばかり)の先生もいるようですが、心の底では怖いのですから仕方ないといえば仕方ないことです。立場が変わっても同じようなことをするのが人間です。
これは将棋に限らず、ほぼすべてのこと、趣味でも仕事でも一定以上のスキルを必要とすることに共通です。

子どもは速く強くなる、というのもこれに関係しているのでしょう。学校の勉強は嫌かもしれませんが(劣等意識があると逃げたくなる)、楽しいと思えば自分から将棋を学ぶからです。大人だって楽しければ強くならないわけがありません。それを子供たちが強くなるから大人の自分は弱くなってもよいのだ、と恐怖心からの逃げ道を用意してしまうと、ただ弱くなるばかりです。

気が付きましたか?楽しければ恐怖心は消えてしまうのです。

将棋で勝とうとすることは、(勝つことが目的のゲームですから逆説的ですが)負けることから逃げることになっているかもしれません。これでは恐怖心に支配されています。

学ぶこと自体を楽しめることのほうが良いのです。将棋を好きになって、努力すればした分だけ自分の技術が向上した。良い手が指せるようになった、指している手の意味が理解できた。ということを目標にするほうがよほど楽しいともうのです。

学校の勉強はつまらない、仕事はつまらない、のではなくてあなたの目標が間違っていたんです。なにか勉強したら、昨日よりも知らないことが理解できたはず。小学校の頃まで戻らないといけないかもしれませんが、勉強が楽しい時もあったはずです。人間の脳は新しい刺激に快感を得るものですから。それが周りの人との比較とか、人に認められないとか、そういうつまらないことでゆがめられてしまうのです。
勉強がわからないとしか思えなかったり、仕事が毎日同じことの繰り返しだとか、成果だけを目標にしていたりとか。将棋ならこっぴどく負かされて折れてしまうのならば、(究極的には)目標設定の間違いです。

将棋が好きだからもっと楽しむために強くなる」と声に出してみましょう。

世の中の大抵のことは、正しい努力をすれば技能は向上します。才能という言葉で片付けられるようなものは少ないです。特別な才能がなければいくら努力しても無駄、なんてことは少ないです。もちろん物理的なこと(身体的理由など)で排除されてしまう場合、あるいは時間的に期限があるので無駄に終わってしまうということはありますが。
アマチュアで将棋を趣味にする限りにおいては、そういう制約からは解放されているはず。
藤井聡太先生の活躍を見ていると才能について考えさせられますが、彼には特別な才能があるから私には届かない、と考えてしまうよりは、「自分にも才能があるから、それを信じて努力する」というほうが良い結果を出せるでしょう。藤井先生に才能があったのでしょうが、かなりの努力があったのです。あまりにも若いのでその努力が小さく見えたりするので天才だ(だから他の人はかなわないのだ)とごまかすところもあるのでしょう。


長くなったのでまた明日。とりあえず心理面を書いてみました。
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