小林紀興の「マスコミに物申す」

第三の権力と言われるマスコミは政治家や官僚と違い、読者や視聴者の批判は一切無視、村社会の中でぬくぬくと… それを許せるか

読売新聞論説委員の国語能力を再び問う  お前らアホか!

2012-10-02 10:28:10 | Weblog
 「自分のことを棚に上げて」とは、こういうことを言うのだろう。
 読売新聞9月30日付朝刊に掲載された社説『漢字書く力の低下が気になる』のことである。
 正直高齢者世代に入った私の「漢字書く力」はかなり低下している。老齢化に伴って漢字だけでなく友人の名前など度忘れすることが激しくなっている。
 困るのはフィットネスクラブでエクササイズをしているとき、「こんにちは」と挨拶された時である。私はフィットネスクラブでジムだけでなく、スタジオでのレッスンプログラム(エアロ・骨盤・ピラティス・パワーヨガなど)やプールでのレッスンプログラム(アクア・ウォーキング・クロール・平泳ぎ・背泳ぎなど)に参加している。周りにはいっぱいレッスンに参加している会員がいる。私がいる方面に向かって挨拶されても、私に挨拶されたのか、それとも私の近くにいる人に挨拶されたのかさっぱりわからない。そこでどっちともとれるようなあいまいな会釈じみたうなずき方をして難を逃れることにしている。「難を逃れる」というのはおかしな表現だが、私にとっては心底そういう感じなのだ。
 もともと私は子供のころから記憶力が弱かった。抜群の記憶力を80歳を超えても維持していた亡父を思うと、つくづく不肖の子だったなと思う。
 もともと記憶力が弱かったため、かえってプラスになったこともある。私が偶然のきっかけからジャーナリズムの世界に飛び込んで(当時は当然のことながら手書き)、自分がいかに漢字を覚えていないかをつくづく思い知らされた。だからものを書くときは辞書{国語辞典より用字用語辞典}がものすごく役に立った。
 英語でもそうだが、ひとつの単語が複数の意味を持つケースがたくさんあることは誰でも知っている。しかし日本語の場合は一つの単語が複数の意味を持つだけでなく、「同音異義語」がこれまたたくさんあるという厄介な言語なのだ。
例えば「こえる」という言葉に当てはまる漢字は常用漢字でしょっちゅう使用されるのは(ということは常用漢字に含まれない漢字もあるということ)「超える」と「越える」の二つがある。ほとんど使われない漢字まで含めると「肥える」「乞える」「請える」などの常用漢字すらある。パソコンや携帯電話の普及が漢字を記憶する必要性を急速に奪ったことは事実で、私に言わせれば漢字を書く力を付けたところで文章を手書きで書くケースがほとんどなくなっている現代社会が最も必要としているのはパソコンで漢字変換したとき意味が正しく伝わる漢字を選択する能力を向上させることのほうがはるかに重要なのだ。
 私は現在ワードは2010を使用しているが、利便性は抜群に良くなった代わりに漢字変換能力がめちゃくちゃ低下してしまった。2007までの学習能力に代えて人工知能を変換の際に採用するようにしたということだが、その結果変換能力がめちゃくちゃになってしまった。読売新聞の社説のタイトルを再変換せずにひらがな入力して変換してみよう。
 『漢字角地からの低下が気になる』
 これがワード2010の変換能力である。人工知能を組み込んだら、どうして「角地から」などという日本語にはない漢字変換になってしまうのか(「かどち」とひらがな入力すれば「角地」と変換されても不思議ではないが)、私はこれまで「漢字書く力」という文を4回入力した。少なくとも学習機能(最後に選択した漢字が最初に変換される機能)だったら、初めはおかしな変換をしても再変換して正しい変換を選択すれば、次からは正しい変換が行われる。2007をお使いの方がいたら同じ作業をやってみてほしい。おそらく正確な変換をしてくれるはずだ。
 しかし2010の変換能力は別として、私たちは学校で言葉を漢字で教えられてきた。これは国語教育の欠陥の一つだと思うが、教科書の「国語」には漢字に振り仮名をつけていないはずだ。そのためパソコンを使いだして一番困ったのはひらがなの入力ミスである。例えば「せんきょぢばん」と入力して変換するとこうなる。「選挙ヂバン」。
 もちろん正確な漢字は「選挙地盤」である。私が正確な返還をするため改めて入力したひらがなは「せんきょじばん」であった。では今度は「じ」という一語を入力して変換をかけてみよう。最初に出てくるのは「自」である。そこで再変換してみた。結果は以下のごとしである。
  字・時・辞・地・痔・児・寺・次・ジ・磁・路……
 このくらいでいいだろう。今度は「地」を読みで漢和辞典で調べてみた。意外と「じ」という読みで「地」という漢字が使われるケースが多いのである。
  地獄・地酒・地所・地震・地蔵・地代・地頭・地主・地盤・地元……。
 まだまだあるのだが、この辺でいいだろう。ここで使われている「地」という漢字は「土地」あるいは「地域」を意味している漢字である。本来なら「ち」の濁点が正しい読みだと思うのだが、なぜ「し」の濁点になってしまったのか、そこから先は言語学者でない私にはさっぱり見当がつかない。日本語のおかしさというか、あるいは矛盾と言ってもいいのかもしれないのだが、いつの間にかこうした誤った読みが定着してしまったのだろう。
 まだ「こす」にはどういう漢字を当てはめるべきかは、比較的容易に判断がつく。例えば距離や年齢、スポーツの記録など数字が基準になる場合は「超す」が普通の使い方である。一方国境、峠など場所や地域が基準になる場合は「越す」が妥当な漢字である。
 だが、「はやい」を漢字にする場合は、私自身、非常に困惑することがしばしばある。「はやい」に該当する常用漢字では「早い」と「速い」の二つしかないが、その違いが判然としない。ほとんど同音同義語と言ってもいいくらいなのだ。「朝が早い」は簡単だが、講談社の『正しい漢字表記と用例時点』では、こういう用例を紹介している。「理解が早い」と「仕事が速い」。この用例を見てどう思われるか。私の場合は、このケースだったら両方ともたぶん「早い」を使うと思う。日本語にはこのような同音同意語、同音類似語が大変多い。子供が漢字を使う場合、そこまで神経質になる必要はないかもしれない。社会人になっても大方の人は職業上、そこまで厳密な用語法を身に付ける必要性はあまりないだろう。
 しかし、法律家やジャーナリスト、そして時には政治家などは正しい用語法を身に付ける必要が絶対にある。
 たとえば参院で野田総理が「社会保障と税の一体改革」法案を可決するため、自公から求められていた「早期の解散時期の明示」に対し、「近い将来」から「近いうち」に表現を変えて自民・谷垣総裁の同意を取り付け、その直後に公明・山口代表も同意して3党合意が復活して法案が成立したことは皆さんもご存じのはずだ。谷垣総裁はこの言葉を信じ「近いうちとは重い言葉だ」と記者団に繰り返し述べ、石原幹事長を筆頭とする対民主強硬派を抑え込んで政府提案に賛成して法案を成立させた。
 この「近いうち」がジャーナリストの間で大問題になった。3党合意が復活した直後、民主・輿石幹事長が「近いうちとは今国会中か」との記者団の質問に対し「そんなことはないだろう。まだ特例公債発行法案や選挙制度改革法案など重要案件が残っている」とうそぶき、その話を聞いた谷垣総裁が激怒したことは有名な話である。まさに民主が行ったのは政治的詐欺行為であり、どこまで輿石氏と野田氏が連携を組んで詐欺行為を働いたかは不明だが、この詐欺行為に引っかかった谷垣おろしに石原幹事長が舵を切った原因はこの一点にあった。
 ちなみに当時民主政権に対しマスコミの限度を超えた支持をしてきた読売新聞は「近いうち」の解釈についても限りなく「近い将来」を意味する政治家のコメントばかり紹介し、事実上輿石発言を容認するスタンスで政局記事を書き続けた。いったい読売新聞は事実上民主の主導権を完全に握ってしまった輿石氏にどこまで肩入れするつもりなのか。
 話が横道にそれたが、読売新聞の社説はこう述べている。
 「今後、日本語の能力が十分身に着いていない子供たちが、パソコンや携帯電話を使ってコミュニケーションを図る機会は増えていくだろう。漢字を書く能力が、ますます衰えていくのではないかと、懸念せざるを得ない」と。
 では読売新聞論説委員の漢字用語法の能力を検証してみよう。
 私はこのブログで「みにつける」(ひらがな入力)という言葉をこれまで2度使った。その個所をもう一度書く(漢字変換した文章)。
 「社会人になっても大方の人は、職業上、そこまで厳密な用語法を身に付ける必要性はあまりないだろう」「しかし法律家やジャーナリスト、そして時には政治家などは正しい用語法を身に付ける必要が絶対にある}
 私がこのブログで主張したかったことは大方の読者はもうお気づきだろうと思うが、漢字を書く能力より正しい漢字の選択と用語法を子供たちに学ばせることのほうがパソコン時代でははるかに大切だということを書きたかったのである。
 さて読売新聞論説委員の方は「みにつける」という言葉にどういう漢字を使用されたかである。
 読売新聞論説委員は「身に着ける」と表記した。
 私は「身に付ける」と2度にわたって表記した。
 では「着ける」と「付ける」の用例を講談社発行の『正しい漢字表記と用例辞典』が、どういう用語法を例示しているか転記する。
「着ける」……[身にまとう。位置にすえる]「衣装をー」「飾りをー」「色をー」
「付ける」……[合わせる。向ける。あとを追う]「名をー」「学力をー」「目をー」
      「気をー」「あの男をー」
 もう賢明な読者はお分かりだろう。「漢字書く力」とは学力や能力のことである。いったい読売新聞論説委員室は何を根拠に「漢字書く力」について「身に着ける」という表記を選択したのか。こんなアホが子供たちの漢字を書く能力を憂う資格があるのだろうか。だから私は『頭が悪い奴でないと読売新聞社には入社できないぞ』というブログを書いたのだ(9月23日投稿)。学力や能力を衣類と考えているような連中が何をほざこうが、説得力などあるわけがない。小学生からやり直してからものを書くように、これは心底親切心からのアドバイスだ。

 ついでにイトーヨーカドーの悪質極まりない宣伝表記について告発しておこう。イトーヨーカドーは8のつく日(毎月8日、18日、28日の3回。シニアは15日も適用される)をハッピーデーとして「ほとんどの商品を5%割引」というビラを店内随所に貼っている。
 私はこのブログで野田総理が「政治生命をかけている」と耳にタコができるほど聞かされてきた「社会保障と税の一体改革」法案の成立を訴え、自民・谷垣総裁の協力を得るため「近いうち解散」を約束したことを反故にしたことに対し「政治的詐欺行為」という厳しい批判をした。誰が考えても「近いうち」は事実上解散が可能になった最短の時期、というのが一般常識だろう。だから私はお盆に入る直前の採決、可決した場合はお盆明け直後、と予測したのである。私は新聞社の読者センターやテレビ局の視聴者センター、さらにフィットネスクラブの友人たちに片っ端から「常識的時期」について聞いた。結果はフィットネスクラブの友人たちの「常識的判断」はせいぜい1週間から長くても10日だろう、という意見が大多数を占めた。一方マスコミ関係者は今月中かいくら長くても今国会中ではないかという意見が多かった。
 では読者皆さんにお尋ねしたい。イトーヨーカドーのハッピーデーの「ほとんどの商品を5%引き」という表示についてだが(もちろん「ほとんど」とある以上すべてでないことは誰にでもわかる)、では割引対象外の商品は全体の何%くらいをイメージされるであろうか。
 ちなみにライバルのイオンの場合だが、20日、30日の感謝デー(シニアは15日も)は5%引きだが、やはり割引対象外がある。具体的にはビール類(ビール・発泡酒・第3のビール。ノンアルコールは割引対象商品)、タバコ、切手、商品券などの金券など極めて限定している。もちろん「トップバリュー」というイオンのプライベート商品や特売品も対象になる。しかも割引対象外のビール売り場には「割引対象外」という表示板が設置されている。それだったら(イオンはそういう表示をしていないが)「ほとんど」という言葉を使っても「不当景品類及び不当表示防止法」に違反していないと思うが、イトーヨーカドーの場合は明らかにこの法律に違反していると私は思う。
 というのは、イトーヨーカドーの場合、対象外商品が多すぎるのだ。まずプライベート商品や特売品は対象外である。しかもそのことをチラシや張り紙に表示していないだけでなく、割引対象外の特売品陳列場所にあろうことか「5%割引のハッピーデー」という看板を立てている始末だ。特売品は割引対象外ということを私は知っていたので、店員に注意したところ、店員は「ちょっとお待ちください」と言ってレジ係の女性と何やら話していたが、戻ってくると「申し訳ありません。お客様のご指摘の通りでした」と看板を撤去した。が、私もプライベート商品まで割引対象外にしているとは知らず、ハッピーデーに「7プレミアム」(イトーヨーカドーのプライベートブランド)の商品を買って、家に帰ってからレシートを何気なく見ると(私はずぼらなのかもしれないがレシ-トをチェックすることはほとんどない)割引きがされていないのに初めて気が付いた。不審に思った私は電話で「割引されていないが、なぜか」と問うた。電話に出た店員は「間違いなくハッピーデーでのお買い物ですか?」と聞くのでレシートの日付と買った商品を告げた。「おかしいですね。レシートに印字されているナンバーとレジ担当者の名前を教えてください」というので教えたところ、[お客様の電話代がかさみますので、調べてこちらからお電話します]という返答が返ってきた。数分後かかってきた電話で初めて「7プレミアムは割引対象外」であることを知った。しかもレジ係ではない店員何人かに聞いたが、すべて「少なくとも食料品売り場の商品はすべて割引対象ですよ」と答えた。そこで昨日ナナコ担当の責任者に「いったい7プレミアム商品は割引対象外なのかどうなのか」と聞いたところ、即座にこたえられず「今調べてまいります」とエスカレータで2階に上がっていった。かなり待たされたが「7プレミアムの商品はハッピーデーの割引対象外です」と答えた。私はフィットネスクラブのレッスン時間が迫っていたので、「マジックを貸してくれ」と頼み。「ほとんどの商品が5%割引になります」といった表示の個所にマジックで「ウソ」と書いて「後で来る」と言い残してフィットネスクラブに行った。
 特売商品は割引対象外(イオンは対象内)、プライベート商品も対象外(イオンは対象内)、それでいて割引外商品の陳列場所には「割引対象外」の表示すらない(イオンにはある)、さらに割引対象商品と割引外商品について知っているのはレジ係だけ(イオンについてはわからない。確認する必要がないから)。
 これで「不当景品類及び不当表示防止法」に違反していないのだったら、この法律はザル法と言わざるを得ない。
 漢字の用法だけに限らず、言葉や文章はそれだけ重いものだということを自戒を込めて改めて思った次第である。
 
 

 
 

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