浪漫日和~ロマンス小説に癒されて~

時間があれば、ロマンス小説に浸る日々。
素敵な小説に出会えると、本当にし・あ・わ・せ。

今回は楽しんだ(笑)。『氷の後見人と恋に落ちて』 by マデリン・ハンター♪♪

2018年02月09日 | マデリン・ハンター

未読の『愛の歌は海を越えて』を読もうと思ったら、シリーズの2作目でした。1作目の『氷の後見人と恋に落ちて』の記憶が全くないので、これはアカンを再読しました(笑)。

あとがきだと「『ハムステッド決闘団』シリーズ」みたいですが、原題だと《The Seducer(誘惑者)》がシリーズ名でした。そして日本ではこのシリーズの1,2作目と6,7作目のみ翻訳されてます。(相変わらずの出版状況(笑)。) お気に入りの『罪作りな遺産』『罪作りな淑女』が、このシリーズ6作目と7作目♪

最初『氷の後見人と恋に落ちて』を読んだときは、取り敢えず6作目と7作目との繋がりばかり探していたので、熟読してなかった感★ 今回はしっかり読みました。楽しかったです♪

ヒーローは、フランス人の貿易商人。英語も堪能です。ヒロインは彼の被後見人。彼女はイギリス人ですが、フランスの寄宿学校生。ヒーローの名前は、「サンジャン」「シンジョン」…、ヒロインは「アルブレ」「アルブレッド」…フランス語と英語の違いだそうです。スペルも一緒なのかな? (昔、Michaelと言う知人がいたのですが、彼の名前は英語読みだと「マイケル」、フランス語だと「ミッシェル」、ドイツ語だと「ミハエル」って聞いて、繋がってるなぁ~と感じたものでした。)ちなみに大天使ミカエル(ラテン語読み)由来だそうです。

この時代、イギリスの上流階級ではフランス語を勉強するのですが、普通の人はもちろん英語しか理解出来ません。フランスから渡って来た科学者が言葉が通じない~と困っていたのが印象的。(でも彼こそ、英語勉強してなかったのか?本を沢山読んで理論確立したイメージだったのですが、全てフランス語の本だったってこと?)

 で、繋がりですが、シリーズ5作目まで上記「ハムステッド決闘団」のメンバーがヒーローになってる様です。常に出て来ているのはデュクレア家のメンバー。6,7作目はそう言う意味ではスピンオフ。それが判ってやっと今回落ち着いて読めました(笑)。

復讐のために生きているヒーローと、彼を愛することで孤独を埋めたヒロイン。彼女の愛でヒーローは変わって行きます。フランス革命時期の動乱に巻き込まれた登場人物たち。歴史的背景もきちんと描かれていて、面白かったです♪

ただヒロインが優しく、復讐を止めようとするのですが、私は「目には目を」派なので、ヒーローを不幸にした要因みんなに苦しんで欲しかったです(笑)。ま、二人が幸せなので、良いのですが。 (実はヒーローの本名はシンジョンではなく、ド・ラ・トゥールだそうで。めちゃフランス的(笑)。)

次作は、デュクレア家の次男(今では伯爵)が主役です。楽しみ~♪

 

 

チビが高校受験です。早く終わって欲しい~★ 私立高校、受験だけで2万円!高過ぎ~×× はぁ…。 


マデリン・ハンター … 大人のためのロマンス♪♪

2014年11月23日 | マデリン・ハンター

やっと再読完了(笑)!!
今回は、マデリン・ハンターの『罪つくりな遺産』&『罪つくりな淑女』のご紹介(ラズベリーブックス刊)。

この2作品には、ロマンス小説を読み始めて1年経った頃に出会いました。
それまでハーレクインしか知らなかったので、深い作りに驚いた記憶があります。

もちろんハーレクインの中にも大好きな作品は沢山るのですが、毎月多数のロマンスを出版するためか、作りの甘い作品が多数ある感が否めません。
またこの作品程、様々な行程が丁寧に書かれた作品には出会ったことがありませんでした。

それはさて置き、どちらの作品も良作ですが、私的には『罪つくりな淑女』がより楽しめました。これらの作品は、タイトル通り関連があります。
『罪つくりな遺産』が先で、その後『罪つくりな淑女』へ続きます。

『罪つくりな遺産』
初読みでは、気付きませんでしたが、主役の二人ともスコットランド人。ヒロインはゲール語も話します。

ヒストリカルを読み始めた頃は、英国=グレートブリテン及び北アイルランド連合王国の認識はなく、一つの国だと思ってました。

それぞれが違う国かもと気付いたきっかけは、2012年の全豪オープンで錦織選手とアンディ・マレーが対戦したとき。マレー選手の応援に振られていた旗がユニオンジャックではなく、青地に白のバッテン。何で?と調べたところ、スコットランドの旗と判明。

そう言えば、サッカーのワールドカップで、デビッド・ベッカムの応援旗もユニオンジャックではなく、白地に細い赤十時。そのときも?だった記憶があります。

今では、その謎も氷解し、ヒストリカルを読むのがより楽しくなりました。

で、本文。
ヒーローは、かなりな放蕩者。
いかがわしいパーティーを開いたり、エロティックな芸術品をコレクションしたりと
伯爵の甥と言う立場で人生を謳歌しています。それが一転、伯爵と言う責任ある立場に立つことに。

ヒロインは、スコットランドで四人姉妹の長女として、家長の役割を担っている女性。姉妹で版画の複製画を作って家計を立てている。…が、それ以外にも複雑な事情があり…。

個性的な面々に細かな伏線や感情の機微等、丁寧に書かれています。
本文全体に、隅々まで気を配っている感があり、どんどん読み進んでしまいます。

放蕩者のヒーローが実は責任感のある人物だったり、ヒロインも前向きな正義感の強い人物で、とても好感が持てます。

ヒロインの秘密が徐々に明かされ、最後にはきれいに解決されるのも読みどころ。
また実在した美術品の数々が出て来て、そちらも興味深い点です。

『罪つくりな淑女』
こちらのヒーローは、貴族にして刑事弁護士。『罪つくりな遺産』のヒーローの友人。父親との確執があります。

ヒロインは男爵未亡人。ヒーローの友人の妹です。子供を持っていないヒロインは、甥が可愛くて仕方が無い。(ヒロインと甥っ子が出て来るシーンは、とても楽しい情景です。)

で、ヒーローとヒロイン。
普段は犬猿の仲なのですが、『罪つくりな遺産』に出て来る「いかがわしい」パーティーで一線を越えます。ただし、ヒーローは相手の女性の正体を知りません。

そこにヒロインの義理の弟(現伯爵)への脅迫事件が起こり、それをきっかけに、二人は接近して行きます。事件の方も二転三転と姿を変え、ミステリーとしても楽しめます。またヒロインの亡夫や義弟の人となりが、読み進めると変化するのも良かったです。

事件の対応への決断を、ヒーローに任せるヒロイン。
最後の最後まで目が離せない作品でした。

そして上記作品で共通なのが、今までになく細かい描写のベッドシーン。
今ではホットな作品も読んでいるので、免疫が出来ました(笑)が、当時は初めてのことで驚きました。
まだ体の部位の呼称がない分、上品な部類かも知れませんが(笑)。

またこの2作品は、メイン作品のスピンオフだそうで、沢山のカップルが出て来てますし、過去に起こったことも文中にあるので、ぜひぜひメインの五部作が読んでみたいのですが、未だに出ている兆しが無い…。

『罪つくり…』は2007年発行なのに、それから7年。
いつまで待てば、五部作発売されるのでしょうか?

(『氷の後見人と恋に落ちて』が、『罪つくり…』のスピンオフと書かれていたので読んだのですが、どう繋がっているのかよく判りませんでした★ これが幻の五部作??)

※二見書房から出ている〈ロスウェル〉シリーズは、私的には『罪つくり…』程インパクトなくて、まだ2作目までしか読んでません。ただ、4部作のラスト1作が、3作目が出てから2年以上経っているのに未だに出ていないのは、本当に悲しい…。

マデリン・ハンター、リタ賞作家さんなのですが、日本ではあまり人気がないのでしょうか?なかなか本が出版されない…。大好きな作家さんの一人なのですが。

※※すみません★ 今、マデリン・ハンターのホームページに行って見ました。
確かに、『氷の後見人と恋に落ちて』『愛の歌は海を越えて』は、
待ち望んでいた〈誘惑者:The Seducer〉シリーズの1作目と2作目でした!
上記の〈ロスウェル〉シリーズ同様、早く続きが出ることを望むだけです。