三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 10月23日 少ロット設備

2016-10-22 | メンテナンスお気楽日記
                                   産業機改造による一錘機製作中

三筋ワインダーで言えば、一台12錘機として、工場設備のお世話をするのが、当然のお仕事でした。

それが、最近の需要は、6錘機・3錘機が希望です。2錘機・1錘機にも客注対応して作りました。
ワインダー依頼で、最初から12錘機として話が来るのは、半分いや1/4と少なくなっています。

最初から、小型ワインダーとしての中古情報なんて、そうめったにある筈もない。元々希少価値。
客注要望には、12錘機を分割・分解して答えます。言ってみればオーダーメイド対応です。

小型ワインダーを希望するのには、仕事量はもちろんのこと、工場スペースも大きな要因です。
もともと自社設備で手いっぱい?のスペースに、新たな作業設備を入れる事になる訳ですから。

ワインダーが必要となった理由も色々です。外注委託が出来なくなり、自社設備として分割作業。反対に
残糸の整理と再利用のため自社でコーンアップ。まだ、夢のあるのは、開発試験室や工房さんへの納品です。

只、納品して戸惑うのは、担当者がいない。掛け持ち作業の手間仕事となっている。無理もない事ですが・・
生産工場の加工工程に担当女工さん。それすら厳しいのが現実。産業機としての役割も薄らいでいる。


ものづくり産業の流れが「量産」から「品質」へ 「品質」から「差別化」と変わって来るのは理解します。
しかし、「質」から「差別化」への壁を越えられないのも現実。「質」とは、品質・価格・高性能などです。
品質は確かに良くなっています。で、なければ受注すら出来ない。しかし、対価となると大いに疑問が残る。

「売れる時代」から「売る時代」と識者からは言われてはいるが、売る方法が「量産」依然と変わっていない。
それは「安ければ・」って事です。加工価格は量産時代のまま。これでは繊維不況は当然の結果です。
大量生産加工価格を維持したまま、少ロット加工では、儲けが出る(残る)ハズがない。


何かが変わらなければ、何かを変えなければ。その模索が「少ロット設備」とも感じています。

しかし「良い物は高い」の課題は、とてつもなく困難でもある。購買意識・販売意識の変革も大切だが、
生産者には「こだわり」が求められる。言葉を変えれば「手間」でもある。不良率も当然多くなる。

それでも挑戦し続けなければ「価値」は作れないし、認めても、もらえない。
「多品種少量生産・高価格」は言ってみれば、認める(買う)人が少ないって事でもある。
「高品種・大量生産・高価格?」が夢でもあるかも知れないが、先には「低価格」が牙をむいている。


ま、周りを見渡せば「安くて良い」品があふれているって事でもあります。それが消費社会でもあった。
最後に、今、あなたが欲しいモノは何ですか?何かありますか?。

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メンテお気楽日記 10月21日 ビリ止めプレート

2016-10-21 | メンテナンスお気楽日記
強撚糸のシリンダーから給糸する際使う、ビリ止めキャップかテグスプレートを探して欲しいとの事です。

まず、リングキャップは当然製造中止。消耗品とされるリングも作る事はない、リング研磨加工での再利用も
あったが、その業者も無くなったと聞いている。強撚だから研磨は気にしないと言われても、110サイズの
キャップはまず出て来ない。大半以上が120サイズで、旧型シリンダーに合ったサイズは見たこともない。

次に、テグスプレートだが、これも金沢にあった業者が廃業している。ベーク版にテグスを通す穴が開いている
使いまわしの部品だが、テグスが平行になる様に斜めの穴加工がしてある。そんな手間な加工をする業者もいない。

テグスの方も、太番手別に長さを揃えた千本?束で販売していたが、売り先が少なくなれば生産中止となった。
それよりも、撚糸屋自体がテグス交換の時間がもったいない?とかで、シール貼り付けの量産品を使う処が多い。

ビリ止めシールは、放射線状に16本又は32本のテグスが挟まれており、テグスの長さを各自で調整
テグスが傷めば長さ変更も出来るが、変形など使えなくなった場合は、張り替えるだけで新品交換できる。

加工糸によってテグス太さも2・4・6番と準備されているから、仕事にあった番手を注文すれば良い。
今では、大半の撚糸屋で100枚入りの箱を見かける事が多くなった。手間を換算すれば安いとも言う。


ボビン繰りへの給糸なら、撚糸機から挙がったシリンダーを撚り止めセットしてからの加工工程だが、
撚り止め不良というよりも、ワザと撚り止め不足を狙った、やっかいな糸まで出てきている。

撚りによる機能性繊維と言うそうだが、加工の手間は生半可ではない。それがワインダー加工でも発生する訳だが
シリンダー給糸の他も、巻き返し給糸のビリ対策まで相談される。以前(昔)は対策商品も色々と販売もされていたが、
前に述べた通り、販売量が減れば製作中止となり、廃業となり、以前あった部品も手に入らない。(モノさえ知らない)

「対策」なんて偉そうな先生さまの知恵でもなく「昔、こんなことしていたナ」だけの知識(思い出)だけです。
繊維産業博物館があるくらいだから、技術の展示も必要だと思う。で、なければ、伝承もされずに消えてしまう。

ともあれ、先人の知恵を活かすにも、親からの伝承もなく、仕掛け部品も製造中止では、後継者の立場は厳しい。

包帯屋さんで見た「収縮包帯」。ゴムを使っていないのに、なぜあんなに伸び縮みするのだろうか?答えは・・・

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メンテお気楽日記 10月20日 三代目の柴犬

2016-10-21 | メンテナンスお気楽日記
2年前、17才で愛犬を見送り、もの足りないと言うか、それなりの?生活を続けました。
しかし、嫁さんの犬に対する関心が、日に日に強くなるのも感じていました。

確かに、ペットショップに行けば、可愛い柴犬の仔犬が販売されていますが、15~20万の価格には
なかなか決断が出来ません。15才で逝った一代目も、次の二代目も、客先で産まれた仔犬でした。

時代が変わって、庭先で飼っている犬でも、外を飛び回る何てことも、まずありません(出来ません)
メス犬なら避妊処置がほどこされ、知り合い先で「仔犬が産まれた」って話もまず聞こえて来ない。

もちろん、保護犬情報や里親探しも検索しましたが、老犬や遠方(都会?)ばかりで、決断が付けかねる。
そんな時、娘から「富山のブリーダーに11ヵ月の子がいる。値段も手ごろだったョ」の知らせが来た。

平日にも関わらず?ショップで初めてのキャリーバックを買い込み(期待満々)妻と一緒に車を走らす。

ズラーっと並んだケージの中に、柴犬の仔犬たちがいます。2~3ヶ月は一番可愛い盛り。
電話連絡してあるので出してもらったのは、5㎏ぐらいの雄犬。サークルの中に移され、はしゃぎまわっている。
柴犬としては小振りだが、豆柴でもないとの事。血統書が災いして?11ヵ月も売れ残りの事。

けっこう美男子だし、妻はすぐに気に入っているし、自分はお値段的にも満足。犬を買ったのは初めてです。

「一週間はサークルの中で飼って下さい。首輪も付けたことがないので嫌がるかも知れません」
でも、我慢できるはずがない。2日目には、もう散歩デビューです。首輪もリードも大丈夫でした。

只、見るもの見るもの皆初めてのことなので、チェック・チェックが終わるまで、なかなか足が進みません。
田んぼのあぜ道でおしっこもしたのですが、雄犬にもかかわらず片足を上げる仕草もない。ウンコも
帰ってからのシーツの場所まで我慢している様子。それと、食事と水には仔犬に似合わず貪欲です。

「お座り」らしき仕草もするのですが、お手・お変わりはまったく理解していません。動作を止める際は
「ノー」と言えば反応があるが、「やめ・だめ」では、止めることが出来ません。

一年近くケージの中での生活では、無理のないことかもしれませんが、これから覚える事が山積みです。
なるべく顔を合わせる時間を多くすることが、安心感と落ち着きを持たせる方法かとも考えています。

老犬の世話の大変さや、犬との生活の煩わしさをイヤという程知っているのに、なぜ、また飼ってしまうのか?
変ですネ、と言いながら、笑っている自分がいます。

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メンテお気楽日記 10月17日 「マネ」をするということ。

2016-10-18 | メンテナンスお気楽日記
                               イタリー式撚糸・撚糸の基本機です。

ひとつ「新規売れ筋商品」が発売されると、同業他社から同じような製品が次々と発売されます。
中国製製品にしても、見た目だけは?他社製品と同じような商品として、安価製造販売されます。

「マネをする」とはパクリとは言わないまでも、一般的には「悪い」イメージとして捉えられます。

しかし「マネ」こそが、ものづくりの基本でもあります。
まず、興味を持ち、観察。なぜ売れるのか?何が便利なのか?何がイイのか?

次の段階は、自分で作ってみるということです。どうすれば?どうしたら?自分なりの知識と知恵。
同じようなモノを作りたい、それ以上のモノを作りたい。それこそが、ものづくりの発展です。

技術面でも同じです。大工や工員は「親方の技術を盗め」といわれます。画家は美術館で模写します。
習う、修得すると言うことは、先人の技術をマネし、吸収し、追いつき追い越すと言うことです。


繊維機械も「イタリー式撚糸機」と言われる様に、決して日本の技術ではない。マネからのスタートです。
それが「豊田式織機」と言われるまでの、開発・改良の歴史が、ものづくりの発展でもあった。

「海外では、この糸は製造できない」まだ自信満々の工場もあります。でも「見くびり」でもあります。
事実、超極細織物はすぐに韓国で発売された。機能性繊維も次々と製造されようとしています。

増して、日本人特有?の「お人好し」性格も関与しています。
「中国の水では、この色は出せない」と言い切っていた工場長が、中国工場参与になった途端
日本向け製品開発のため、技術開発をし、生産が可能になった。もちろん技術は中国に残る。

日本人の為、自社の為。手取り足取りとは言わないまでも、技術指導してきた経緯もある。
そのことが、3~40年の開発技術をン年に短縮。もう追いつかれる事は、目に見えている。


追い越されない為にはドウすればよいのか?簡単な?言葉で言ってしまえば「一歩前を行く」
それは「開発」と「品質の維持」しかない。特に「開発」となると、なかなか行き先が見えない。

ヒントは「マネ」の中にあります。何が好まれているのか?何が必要とされているのか?
観察をし、売れ筋を把握する。そこに自社の技術を屈指すれば、少なくとも一歩前には進める。

「マネ」の出来ない技術はありません。それは、いかに「品質維持」していくか?という事でもある。
ニセモノは品質が共わないからこそ、ニセモノでもあります。マネ以上のものづくりこそが「開発」です。

北朝鮮のミサイル技術も、もう見くびる段階は超えているなど、推して知るべき事が多い。

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メンテお気楽日記 10月14日 定長装置の問い合わせ

2016-10-13 | メンテナンスお気楽日記
「定長装置」の問い合わせと見積もり依頼が多くなりました。
要因は、「見守りの人員不足」と「資材の効率化」と考えられます。

ひと昔前なら、熟練のお姉さん?が糸の大きさを見て、作業を中断、ハカリで確認しながらの定量確認。
又、多少多めに納品すれば、客先の「出目」となり、糸も紙管も資材屋に買ってもらえる時代もありました。

ところが知っての通り、残糸は産廃、紙管もプラボビンも、お金を付けなければ処分出来ません。

当初、機械の自動化が始まったのは、人員不足のため「時間が来れば勝手に止まる」タイマーが主流でした。
それが、機械による「定量巻き」が必要?とされ、人的確認まで省力化されようとしています。


単に「定量装置」と言っても、それこそピン・キリです。景気の良い時期には、何百万の設備投資で、
各錘ごとにアンプを組込み、Co・BOXで一括管理するカウンターを装備した機台もあります(ありました)

「定量巻き」方法も色々です。定形・定時間・定回転・定長・定重量。すべて、デニールと重さ・時間(回転)
の内2つが分かれば、長さを換算することが出来ます。

例えばタイマー方法とすると、60秒で30gの糸が巻けた1㎏の糸を巻くには何秒必要か?
 X=(60秒×1000g)÷30g=2000秒(33分20秒)の計算式となります。
デニールが解れば、1㎏が何メートルになるかの計算も出来ます。もちろんデニールを計算することも。

「価格帯」を聞かれると、もっと複雑になります。アナログかデジタルかによっても大きく違う。
ワインデングカウンターかセンサーカウンターによっても違う。電子か電磁によっても変わってくる。

デジタル計りが何グラム減ったらなんてのもある。糸を切るか?モーターを止めるか?の選択もある。
一斉管理か?単錘管理か?によっても、価格・方式が極端に変わってくる。


キリの相談をされると、中国研修生がやっていた、見本糸巻き量が終わるとスィッチが切れ、機台が一斉停止。
これならマグネットスィッチのみだから1万円もしない。タイマー仕様なら2~3万とまだ低額。

これが、カウンター管理・センサー計測など、予算が許せば方法は色々と対応出来る。
要は、その仕事にとって、何が必要で、何が一番便利かと言うことです。そこに予算が付いてきます。


最後に「機械は機械・装置は装置」です。人的確認こそが一番大切です。起こらない筈の「原発事故」も起こる。



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