三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 10月8日 海外製品が安いなんてウソです。

2016-10-08 | メンテナンスお気楽日記
確かに、スーパーや大手量販店で見かける「海外製造品」の価格には、驚かされる事があります。

しかし、それは「量販店」なればこそ出来る「技?」でもあります。製品企画を提供し、材料を
大量に手当てして、大型(大量)加工機と低賃金?人件費で製作し、それを一括輸入します。

それらが、全国市場に展開され、驚く価格で販売されています。もちろん販売店利益を足してもの
価格です。驚くというのは、材料費・加工費からでは、想像も出来ない価格だからです。

100円ショップの製品を、10個いや100個自分で作るとしたら・・と、考えて下さい。


今日は、アルミナガイドの話をします。
以前、機械メーカーにおいても、台湾製アルミナガイドを使用した時期がありました。

国内製造メーカーの価格よりも利益率が上がるからです。もちろん品質維持には技術指導の形で
口出し?をし、日本製品そっくりの部品として製造依頼、(一括)輸入納品されていました。

ところが、国内での繊維機械需要が激減し、委託ロットの消化も難しい状態に至り、おいおい
海外工場を見放なさざるを得ない。当然、海外工場も必死に生き残りを模索します。

対応は、委託製品の技術で作った製品を、他国他社に販売することです。その為今まで無かった
他国代理店を作り、販売店・孫販売店の流れを作って行きます。海外ブランドとしての独立です。


先日、客先から国産メーカー品の見積もりが「高い!」と言われ、台湾メーカー品なら対応出来る?
かと思い、見積もり依頼をしました。ところが、取引のある販売店の返事は、国産より高額だった。

そりゃ、千個~万個のロット委託と、代理店~販売店の百個二百個の注文では当然、単価も違ってくる。


別の話もあります。エアースプライサー(空気糸結び装置)デジタルストロボ(回転計測器)などは
国内価格、24万円・15万円が相場?です。これが13万・3万の製品も実際売られています。

これらは、他国他社製品です。当然、販売店においても使用テスト確認済の販売ですが、いざ故障
修理となると、補償や修理手段がありません。販売店の一言は「使い捨てと考えて下さい。」


「安かろう悪かろう」の時代は遠のいているかの様には感じてはいるかも知れないが、
 成熟するまでの期間と苦労が必要であり、成熟した果実には「価値」があって当然です。

ちなみに、石川県で栽培された葡萄「ルビーロマン」は一房百万円以上の値が付きました。

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メンテお気楽日記 10月6日 大径巻きの弊害

2016-10-07 | メンテナンスお気楽日記
この仕事を始めた約35年前、三筋技研北陸出張所として北陸三県をはじめとする販売店に
ワインダーを卸し販売するのが仕事でした。当時?は、国内でも「繊維機械展示会」が多数開催され
新開発機?が次々と出展されていました。その中の何台かが、8吋・10吋ワインダーです。

「量産時代」でもあり、大径・大量巻きのワインダーは興味をもたれ、事実、販売実績も多かった。
特に、合繊産地やウォータージェットやエアージェット等の織物工場からの引き合いが多かったと記憶
しています。1kgの給糸が3~5kgに出来るとなれば、当然の選択でもあった。


弊害情報?はまず幡屋さんから入って来た。解除抵抗の外層と内層差が大きく、リフト抵抗がそれに
一層の原因となる。テンション調整を万全にしなければ、ヒケ事故として製品に表れる。

当然、解除バルーンの距離も必要となる。整経機ではクリル装置の改造も必至だった。
大径をあつかうには、それなりの?工場(加工)スペースが必要となる。女工さんにとっても
作業時間の節約より、3~5kgの巻き糸負担が重くのしかかって来た。


対応(対策)は各工場で行われた様?だが、8・10吋ワインダーの引き合いは極端に減った。
30年後?再度、後継者社長からの問い合わせがあるが、大径巻き中古機情報は極めて難しい。

販売店の話によると、大半が海外輸出されてしまったの事。海外需要機は大量生産が必至との事。
ドラムメーカーに8吋サイズの在庫確認をかけても、輸出仕様しか生産していないとの返事。


ワインダーだけではありません。最近は「畑違いの機械」問い合わせまでが多くなっています。
一応?探すことは出来るのですが、出てくるのは「ラージ仕様」の機台ばかりです。

燃台のシリンダーや準備機のボビンも、大半は1kg仕様です。希望機は250~500gです。
錘数も100~120錘機の中古出物に対して、10~20錘程度で良いと言うことです。

なぜ?、少ロットや少径加工機が必要となるのは、又の機会としますが、
一時期、生産性の低さゆえに「見放された機械」を中古機市場で探すのも(今更ながら)難しい。

大径巻き・少径巻き。客先の希望機械は様々ですが、中古機市場は、益々厳しくなって来ます。

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