包丁を買う。

私がいままで使っていた包丁は、ハッキリ言ってあまり切れません。だって、よく切れると危ないもの。どうせ、安いショップで買ったアルミ包丁だし。

しかし、切れない包丁は、危ないと申しております。切れないと余分な力を入れすぎて、かえって怪我をすると言います。

で、包丁を買いました。説明によると、刃は十分に焼を入れ、しっかりと叩き込んだ鍛造が良いらしい。重さもただ単に流し込んだものより、ずっしりと持ち応え。この方が、包丁の重さでよく切れるとか。つまりは剣というか、刀ですね。

次のポイントは、柄の頭の部分も鋼でしっかりと包んであること。手づくりでないと、ここまではできないらしく、大量生産によるものは覆うことはできないそうです。そして柄の最後まで鋼が通っていること。重心も安定して使いやすいとか。

最後のポイントは価格。2万円ほどして高かったです。でも包丁は、研いで研いで、何十年も使うもの。かつて私の実家だって、砥石はあって、切れ味が悪くなると、活躍したものでした。

さて、その包丁をさっそく使っています。よく切れる、使いやすい、と申しております。俺、どうしょうかな、こわいな、いつもの包丁をつかうだろうな。

怠惰な朝を迎えた。

独身最後の日、と言われて、そんなものかと思う。

何かしたいことは、と聞かれて、別に取り立てて特別なことなど、とも思う。

とにかく、まどろみの中で、遅い朝を迎える。おかげで、ゴミを出し損ねた。

起きる、もう午前11時になろうとしている。遅い朝の空も、何かすっきりしない。薄雲の向こうに太陽がある。

隣の部屋で、遅い朝ご飯の支度が始まっている。独身最後の日だからって、そんなことにはこだわりもない。

つかの間の、これからずーっとの、生活はもう始まっているのだから。