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ぼくのエリ 200歳の少女

2010年09月30日 | は行 外国映画
12歳の少年オスカー。友達がなく、いじめっ子のちょうどいいターゲットになっていた。格好にいじめられるが、そのいじめ方といたら陰湿そのもの。
なんだが、そこまでいじめられたら、なんとか防御の方法を考えるべき。お母さんも何ぼ忙しくても、子供の動向ぐらいわかるべき。なんとかして守るべきでないかと、思ってしまったあたりで、自分の中でどんどんなえていってた。やばい展開。

オスカーの隣に越してきた少女が、オスカーのさびしげな表情に引き寄せられるように近づいてくる。この寒空にどうみても変。友達なんかいらない・・と言いながら、二人は徐々に近づいていく。少女の名前はエリ。同じ12歳。

なんだか最近この街でも物騒な事件が立て続けに起こる。奇怪な殺人事件。妙な事件に興味を持つオスカーも気にしている。そしてわかった真実・・。エリはヴァンパイア。二人はお互いを必要とし、なくてはならぬものとなっていく。

いじめられているままではいけないと、オスカーに抵抗することを勧めるエリの言葉を信じて、反撃に転じたオスカーは、自分に自信を持つようになる。でも、いじめた奴には、最悪な兄がいた。

そしてエリは血をもとめて、夜の街の中、餌を追い求める。エリの正体がばれそうになったころ、オスカーにも危機が迫る。弟の敵を討とうと、ナイフを持った兄が、オスカーを追い詰める・・・。そして・・・。

ということで、こんな苦手な部類の映画だったとはつゆ知らず、無理に見に来てしまったことをものすごく公開してしまった一本。まず子供にこういう役させる時点で、私的にはダメ。いくら演技だ、それが映画を作る上で必要なことなのだ!!と言っても、子供をこういう役で起用させるということ自体が、どうにもダメ。

おまけにこの二人の子役に、いじめっ子の方も、らしすぎてますますやりきれなくなる。血みどろなのは平気だが、最後のあたりで、真面目にむかむかしてきた。いじめっ子だって、子供で、親がいるんだ。別の道はなかったのか・・・。とうとう、いろいろと考える暇もなく、真面目に気持ち悪くなった。

そっか、これはホラーの範ちゅうだったのか・・・。ものすごくいやーーーな気持ちになってしまって、見て失敗・・・と思わせたということは、ホラーとしては成功なのだろうか?やっぱりホラーとか、気持ち悪い映画は、性にあわないことを再確認した。あくまでもあたしの好みじゃなかったということですが、悪趣味はやっぱやだ。

◎●

「ぼくのエリ 200歳の少女」

監督 トーマス・アルフレッドソン
出演 カーレ・ヘーデブラント リーナ・レアンデション ペール・ラグナル ヘンリック・ダール カーリン・ベリィクイスト ペーテル・カールベリ イーカ・ノード


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (KLY)
2010-09-30 23:14:11
んーホラーとはまたちょっと違うと思います。
でも単なるヴァンパイアものでもないですよね。
いじめっ子たちへの仕返しはいわゆる仕返しと
いうより、エリが200年の間ずっと自分を守
る人間を庇護してきたことを繰り返しただけ
で、子供で親がというのとはまたちょっと違う
かな~。何しろ相手は少女の姿でもモンスター
ですから。
までもあ結果だけ見れば怪物が人間を殺しまく
った映画で、犠牲者には子供もいたということ
なんで、そういうテイストがダメなのはそれは
仕方ないですよね。
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>KLYさま (sakurai)
2010-10-01 08:29:13
そうなんす。
言いたい事や、中身についてはわかるつもりですが、どうしてもあたしの感覚と合わなかった・・だけですわ。
とんでものいじめっ子でしたが、あの子たちにだって親がいるんだから、きっとあんな自分の子供の無残な姿を見たら、悲しむだろうなあ・・なんてことまで考えてしまうんですよ。
もうちょっとファンタジックな面と、因果応報めいたもんを期待してたもんで、自分の求めていたもんと違ってたということです。
好きな方の気持ちも十分わかりますわ。
あたしは好みじゃなかったです。だったら、見るなよ!ですよね。はい、自戒します。
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Unknown (esme)
2010-10-01 10:23:31
はじめまして。

意外に着目されにくい点に触れておられ、興味深く読ませていただきました。
原作では、いじめっ子やその他の登場人物も、人生や家庭環境が詳しく描かれています。様々な人物の人生を交互に描いた人間群像となっています。いじめっ子に関しても、家族関係等の描写を読むと感情移入してしまうようなところがあり、単純に絶対悪としては描かれていません。
原作のことを「映画にくらべ冗長」と批判する人もいますが、一見ムダに見える描写を切り捨ててしまっては、主人公たちの独善を正当化することになってしまいます。
映画ではエリに襲われヴァンパイア化する中年女性を描くことで、辛うじて客観性を保っていると思います。つまり他人を犠牲にしても生き抜こうとするエリと、それを望まず自殺という形でケリをつけた女性との対比で「生きる」ということの厳しさを表現しているのではないでしょうか。背景には、人間が他の動物を殺して食べなければ生きていけないという現実が込められているのかもしれません。「あの中年女性の描写は不要だったんじゃないか」と言う人もいますが、賛成できません。
しかし配給会社は叙情的な純愛作品として売ろうとしているようですが(邦題といい、ポスター等のビジュアルといい)、これは基本的にホラーですよね。リリカルなホラー。他の国のポスターは完全にホラー調ですし。
特に残念なのは映倫修正と邦題のせいで、エリの性別について誤解を招く結果となっていることです。
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>esmeさま (sakurai)
2010-10-02 21:42:20
こちらこそ。
コメントありがとうございます。
なるほど、原作は登場人物のバックボーンもあるのですか。
映画だけでは、なかなかわかりづらいところもあるのかもしれませんが、私はいじめっ子というキャラにも、十分その裏があるのだろう・・と映画から感じたのでした。
なもんで、最後の応報なのかもしれませんが、どこか安易すぎるような気がして、それでいいのか!と感じてしまったのでした。
奇しくもヴァンパイアになってしまった女性の描き方は、すとんと落ちました。
一番理解できたのは、あそこだったかもです。

この映画をちょいと調べたときに、冠にホラーとついてたもんで、「あーー、ホラーでいいのね」と得心したのですが、それでいいんですよね。
純愛ものととらえてもいいでしょうし、見るものの好みに合わせてみればいいのでしょうが、ミスリードを誘うような見せ方が多いのは、ちょっとまごつきます。
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sakuraiさまへ・・・。 (mezzotint)
2010-10-18 20:54:40
今晩は☆彡
父親じゃあないらしいです(汗)
失礼しました
てっきりそうだと思いこみましたです。
だめですか・・・。私は結構気に入って
おります。単なるヴァンパイア作品では
なく、、、。ちょっと不思議な2人の心
の触れ合いみたいなものを感じたのですが。
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>mezzotintさま (sakurai)
2010-10-19 10:08:46
いや、あの存在も不思議だなあ・・・と思いながら見てました。
なかなか独特な雰囲気で、興味深い作品ではあったのですが、単に私の趣味と合わなかったということですわ。
もともとホラー系は苦手なんですが、特に子供が出てくると、どうもダメなんス。見てて、どうしても辛くなって。
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ジャンルは超えて (オリーブリー)
2010-11-18 19:32:55
確かに血生臭いシーンは多々ありますけど、どちらかと言うと私はドラマ的な印象を持ちました。

>ヴァンパイアになってしまった女性の描き方

esmeさまのコメントにありますように、生きることの厳しさを対比して表現していると思いまましたが、原作を知らずに映像だけ観ると、ちょっと残念な結果になったような気がしたので、エリとオスカーの内面に絞るだけでも良かったのではないかとも思いました。
まあいずれにしても、好みはありますよね(笑)
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>オリーブリーさま (sakurai)
2010-11-19 17:28:33
わたし、物語がどうのこうのという以前に、首がすっとんだり、手がぶちっとキレたりっていう時点で、駄目なんす。情けないことに・・。
で、そういうのを平気で見ていられない自分は、とりあえず大丈夫・・と確認してます。
グロいシーンも大事な要素で、それも見るべきものですが、それによって、物語の部分が見えにくくなってしまうのはどうなんでしょうね。
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Unknown (Quest)
2012-05-29 20:46:56
はじめまして、最近「映画部族」というブログをはじめたQuestと申します。

生理的に受け付けない描写や映画は誰にでもありますから何とも言えませんが、sakuraiさんがご指摘されていた、主人公だけの目線で語られていて独善的な感じがあるというのは納得できました。
あの耳を殴られた少年にも親がいるはずなので、勧善懲悪な感覚に引っかかるのも分かる気がします。
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>Questさま (sakurai)
2012-06-01 09:59:01
はじめまして!
こちらこそよろしくお願いします。
あまり自分から発動しない横着人間なんで、のんびりですいません。

こういう映画は、不良少年から語ってはいけないのでしょうが、母親なもんで、ついついあまねくいろんなことを考えてしまう癖がありまして、ついこんな風に思ってしまいました。
結構なホラーでしたねえ。北欧の雰囲気とまたマッチしてて、一層怖かったです。
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