迷宮映画館

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フューリー

2014年12月17日 | は行 外国映画
公開初日に見に行ったのだが、観客は見事におっさんばっかり。みな静かに、一人黙々と映画の始まりを待ってる感じ。その通り、とっても男臭い、戦争ってのは、やっぱ男の世界なんだなあ~と感じた。女だったら、こんな戦争は起こさない・・・とも思ったのも事実。

1945年4月のヨーロッパ戦線。ということは、戦争もかなりの末期で、どちらもかなり消耗し、疲れ切ったところ。そして生き残ってるのは強者ども。百戦錬磨を戦い続けてきた兵士達は、どんな地獄を見、どんな悲惨な状況を潜り抜けてきたのか。

人員も圧倒的に不足する中、訓練もろくに受けてない新兵が前線に送り込まれてくる。新兵ノーマンが乗り込むのは連合軍の戦車の中。『フューリー』と名付けられたその戦車は、この地獄の戦いを潜り抜け、戦い続けてきた一台。率いるのはウォーダディ-。

ブラッドさんも、50歳となりました。実際のところ、戦車を率いる軍人に50歳くらいの人ってのはいたのでしょうか。その辺のところは不案内ですが、背負ってるもんが違う。いや、戦争の最前線にいる30歳くらいの兵隊は、古参兵になってるのでしょう。そして、深い、重い、辛い人生を背負ってる顔になってるんだと思います。それがにじみ出てた。刻み込まれてた。多分、この役を年齢相応にやってても、これだけのいぶし銀は出なかったと思います。まさにいぶし銀が出てた。

ということは、昔の男ってのは、どんだけのものを背負ってたんだ・・・・と思ったのでした。

戦車の戦い方なんて、さっぱり知らなかったので、とっても勉強になりました。中は結構広い?中の構造やら、どんな風に戦い、それぞれの人員に役割がふられ、相手にぶち当たっていくのか、わかった・・・・ような。今まで見てきた戦争映画だと、大体が歩兵がどう戦うのかを見るのが主で、そこに無表情で、重々しい戦車が登場しつつも、それは朴訥で無機質なウドの大木。愚鈍な戦車を、小っちゃい生身の人間がやっつける!という図。

違いました。戦車は強い。兵士を守る動く砦。機動力があって、皆を守る鋼鉄のお父ちゃん!って感じがしました。それを全部背負ってるのがウォーダディ-です。

どんな絶望的な状況に陥っても、戦うことを運命づけられた兵士達。それが美しいと思ってはやっぱいけないです。確かに描き方は美しかった。最後の最後まで戦い抜くのが兵士。でも、人間は最後の最後まで生き抜かなければならない。戦闘が終わり、兵士は人間に戻る。そこまでをきちんと描いた良作だと思います。

ブラッドさんはさておいて、やけにかっこよかったのが、シャイア!あんた、そんなに素敵だった??いやーー、おばさんびっくり。こんなにかっこいいシャイアにお目にかかり、それを知れただけでも価値ある一本でした。

◎◎◎○●

「フューリー」

監督 デビッド・エアー
出演 ブラッド・ピット シャイア・ラブーフ ローガン・ラーマン マイケル・ペーニャ ジョン・バーンサル


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8 コメント

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明日死ぬかもしれない…… (hori109)
2014-12-20 21:21:23
……という日々が連続するのが、いかにつらいか
が如実に。スピルバーグの「バンド・オブ・ブラザーズ」
で痛感したのは、兵隊は転戦しなきゃいけない
ってことでした。基本的に終わりがないんですよね。
にしても「ガソリンならいくらでもやる」って
上官のセリフには負けたと思いました(笑)
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>hori109さま (sakurai)
2015-01-05 15:52:36
どうもです。
いやはや、戦争でなくても、「人生いたるところ青山あり」っす。
つくづく感じた。でも、それを否応なしに、まざまざと毎日刻みつけられるのが戦争なんすね。
実際、軍人上がりの監督じゃないと、出てこない台詞なんでしょうね。
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Unknown (mariyon)
2015-01-13 17:28:18
こちらこそご無沙汰しています~~

観た映画をなんとか、ブログにアップするのが精いっぱい。
それも、ついついほったらかし。。。あげく、
去年観た映画が、とうとう、年間60本を割り込んでしまいました。はぁ~~、去年は忙しかったです。
って、フリーランスにはありがたいことですが、今年の確定申告が恐ろしいです。

てな、ことはさておき、50代の戦車を率いる兵士・・・(-_-;)
目からうろこです。たしかに、この時代に少なかったでしょうね~~。

戦争映画は記憶を風化させないためにも、
こうやって、どんどん作っていくべきといつも思ってるし
プランBの作品選びも素晴らしいけど、
ブラッド映画にはなんか、感動できないです、はい。

今年もよろしくです~~。
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>mariyonさま (sakurai)
2015-01-14 20:03:01
いずこも同じ。
私なんぞ、見すぎて時間取られて、ほかのことがさっぱり進まんと言う。
本末転倒状態です。

>今年の確定申告が恐ろしいです。
うっひゃひゃああ!儲けた?
いいなあ。
映画にお金使いすぎた・・・。今年は節映画します。

まず、ブラッドさんの兵士・・・って聞いた時に、最初に??と思ったのでした。
んな年の兵隊って、前線にいるんだろうかって。

私はこれ、やけにかっこいいと感じました。感動?は微妙だけど、男のかっこよさみたいなのは充分に見えた。
それじゃあ、ダメかな。
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こんにちは (maki)
2015-03-12 08:30:13
かっこいい映画だけれど、後に何も残らない(戦争の悲惨さは別にしても)映画のように感じました。
プライベート・ライアンが引き合いに出されてましたが、
そもそもの映画の方向性が違うような^;
同じ戦争映画の括りだけれど。
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>makiさま (sakurai)
2015-03-12 12:38:50
「プライベート・ライアン」ですか?
それは聞かなかったなあ。
方向性はとんと違いますよね。
監督さんが元軍人ということで、結構斬新な見せ方だなあとも感じました。
空しさを身をもって知ってるのでしょうね。
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こんばんは! (ヒロ之)
2015-03-23 02:19:51
戦車同士の対決は見応えがありました。
ブラピは幾つになっても渋いなぁと、もうねブラピLOVEな私としては一切ニコリともしない所が素敵!とか思ってました(笑)
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>ヒロ之さま (sakurai)
2015-04-19 19:41:39
年を感じさせないですね。
50過ぎっすよ!!
見習わねば・・・と思っております。
なかなかトリビアな映画でした。
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