迷宮映画館

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ボーン・アイデンティティー

2003年01月31日 | は行 外国映画
マルセイユ沖で操業していた漁船が1人の男を救い上げた。背中に弾丸を受け、皮膚に銀行の口座番号が埋め込まれていた。只者ではない。しかし、彼は自分が何者なのか記憶を失っていた。唯一の手がかりの銀行に行くと、そこの貸し金庫には数冊の自分のパスポートと多額のお金、そして銃。ますます、自分が何者なのかわからなくなっていく。

見ている方は彼が何者なのか、おぼろげながらわかっているのだが、なぜ彼が記憶を失ってしまったのか、自分探しをどうやって突き止めるのかが見所になっていく。そこに絡まるやっぱり自分探しをしている女性。

CIAの暗躍振りはいまさら言うまでもないが、今のきな臭い世の中の状況を見ると、きっといろんなところでいろんなことをやってるんだろうなと思ってしまう。ご苦労なこって。また、記憶を失ってしまったしまったスパイものというのも、それほど目新しい題材ではない。目を見張る作品ではないのだが、自分探しとともに、ディモン自身も自分探しをしていたのではないかと思ってしまった。

賢いのだけど、どこか頼りなげなディモン。にこっと笑いながら、どこかに影を感じてしまう風貌。同じニコっでもトム・クルーズのニコっとはなぜか違うにこ。彼の最高作は「グッド・ウィル・ハンティング」。アレはすべてにおいて秀作だったし、一番彼らしい作品なのだと思う。でも、どうしてもそこから脱却できない。彼の一大チャレンジであり、アイデンティティ探しがダブってしまう。その危なっかしげな表情は彼にしか出せない。強い男なのだけど、もろさが見える。女がついていってあげたくなる男なのだ。

サスペンス・アクションというよりも、自己探しの青春映画といった方がぴったりくるかも。

「ボーン・アイデンティティー」

原題「The Bourne Identity」 
監督 ダグ・リーマン 
出演 マット・デイモン フランカ・ポテンテ クリス・クーパー 2002年 アメリカ作品


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