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ジェネラル・ルージュの凱旋

2009年03月23日 | さ行 日本映画
医者の中に殺人犯がいたら、その病院が立ち直るのは容易ではないと思うのだが、どうやら東城なんとか病院は、バチスタ手術事件の後遺症から立ち直って、患者の治療に明け暮れていた。

いわゆるER。高度救命救急センターには、今まさに命にかかわる患者が次々と運ばれてくる。そこに必要なのは、迅速な判断と大胆な治療。

で、ばったばったとぎりぎりの患者を助けていたのが、救命センターのセンター長、速水。通称ジェネラル。許容以上と思われる患者もどんどんと受け入れ、回りに顰蹙買いながらも、己の診断を信じて行動する。

異彩を放つ存在の速水は、各所で煙たがられていたが、あのグチ外来の田口先生のところに怪文書が届く。「速水は、医療機器メーカーと癒着している・・・」。これは真実なのか?そしてやってきました白鳥さん!!

ということで、なんかなあだった「チーム・バチスタの栄光」を受けての第二弾。やっぱ今回は、人気実力ともに飛ぶ鳥落とす勢いのマチャト君でしょう。

真相がどうのこうのというよりも、とにかくマチャト君のいたずらっ子のような目と、チュッパの似合うこと、似合うこと。

病院の事情の大変さは誰もが知っていることだと思う。医者も看護師も人間だ。食っていかなきゃなんない。人を山のように雇っている病院も、企業のひとつだ。経営も考えないといけない。

でもでもでも、何より医者は人の命を救うのが仕事。それをまず一番に念頭に置くことが大事・・・というより、そうあってほしいと願う。信じたい。でも、そのことを貫くのは、ものすごく難しい世の中っていったい・・・。

真相を究明しようとしているときに、大事故が起こる。高架橋でタンクローリーが炎上。多くの人を巻き込む大惨事に!!ここで、ERの真価が問われる。ひとつひとつの命を助けてきたその一歩が、大きな事故で生かされる。

瀕死の重傷を負って、次々と病院に運ばれる患者たち。それを体当たりで受け入れようとする病院の姿勢。トリアージなんて言葉は、阪神大震災の時にはなかったと記憶しているが、そんな言葉も普通に通じる昨今。

どうやったらより多くの人の命を救えるのか。何を犠牲にし、何を選び、何を救うか。病院での猛然と仕事を敢行しているスタッフを見ていて、涙が出てきた。こうやって不測の事態にそなえ、身を削って人を助ける仕事って、やっぱいい。

それができる世の中であってほしいと心から願った。

と、病院の様子を見て、ちょいと感傷に浸ったが、映画の魅力はマチャト君に尽きました。もしかして前作のときも、配役がちいと違ってるともっと魅力的な映画になってたかもしれないが、彼の表情は見事だ。

小さな子供みたいないたずらっぽい笑顔に、どこかさめたような突き放した厳しい顔。昨晩(22日放送)の情熱大陸で、マチャト君の特集をしていたが、数キロやせて臨んだとか。鬼気迫ってた。何も食べないで、ふらふらのときに、チュッパの糖分でかろうじて立ってたという消えいりそうな佇まい。

それらが十分生かされていたと思う。見ごたえあった。

◎◎◎◎

『ジェネラル・ルージュの凱旋』

監督 中村義洋
出演 竹内結子 阿部寛 堺雅人 高嶋政伸 國村隼


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12 コメント

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えぇ~ (miyu)
2009-03-23 17:38:30
情熱大陸あったんですかぁ~。
知らなかったです~。
観たかったなぁ。
そっか確かに痩せてたかも。
>miyuさま (sakurai)
2009-03-24 12:11:30
情熱大陸見てから、これ書こうと思っていたので、ためてました。
高校のときとか、大学のときの秘蔵のやつかとか、結構お宝映像でしたよ。
読書家なようですが、難しい本読んでるようでした。
情熱大陸~ (cyaz)
2009-03-24 17:29:59
sakuraiさん、こんにちは^^
情熱大陸、僕も観ました!
堺さんの礎はあの大学時代からの舞台にあったんだと思うと、
今の映画での映え具合は理解でき、納得のいくところです
ま、僕の場合は阿部チャンの笑いに期待でしたので(笑)
中村監督、ここではあまり変化球は使っていなかったですね(汗)
>cyazさま (sakurai)
2009-03-25 09:08:55
大学に入って、「ここで演研に入ったら、絶対中退する・・」という言葉に笑ってしまいました。
親としちゃ、せっかく早稲田に入ったのに!と思いますよ。
って今があるからすごいか。
舞台のマチャト君は、すごい迫力でしたね。
一度見て見たい!!と思いました。
とにかくマチャト君で、満足でした。
Unknown (keyakiya)
2009-03-28 10:39:38
原作の硬質なメッセージ性をとるか、映画の俳優さんの個性を際立たせて、探偵ごっこ映像をとるか。どちらもいいですよー。所詮はべつものだー。

マチャトクンはたぶんこの映画が彼のキャリアにとって大きな転換になるのではと感じました。ちょっと小さくみえたので少し心配ですが、心理劇戦をやりきるモノを魅せてくれました。

原作では、ジェネラル速水はとても神々しいです。映画では子どもっぽさをすこし強調しているようです。監督中村サンの意思なのか、俳優の醸し出す個性なのか。
こんにちは~♪ (由香)
2009-03-28 16:51:05
お邪魔します♪
堺さんの速水先生は良かったですよね~
ハマリ役だった、というよりも、堺さんの役作りが素晴らしかった、っていう感じかな。
前作では、かなりガックリきましたが、今回は脚本も良かったし見応えがありました。
最後の大事故のあたりでは涙が滲んだもの~
『何より医者は人の命を救うのが仕事』
そんな当たり前のことが難しい世の中って変ですよね?そんなことを感じさせる良作だったと思います。
>keyakiyaさま (sakurai)
2009-04-01 19:29:04
原作を読んでいないので、画面から伝わる軽いイメージを抱いていたのですが、読んでみましょうかね。

何かあっては困るのですが、何かのために準備しておく、そしてそれをいかに生かすか・・。
なんだか涙がにじんでくるような病院での奮闘ぶりでした。

7キロやせた・・・と言ってましたが、無理に役作りのためと言うのではなく、(実はそうだったのかもしれませんが、)自然とそうなって行った・・・というような表現をしてました。
>由香さま (sakurai)
2009-04-01 19:31:32
そうそう、どう自分をその役に持っていくか・・・。
懸命にやってないように見えて、実はものすごい努力をしていたのか。
その辺のさじ加減を感じさせないところが、また上手いとこなんでしょうね。
あたしも大事故で、皆がひたむきに人を助けたい!!としているところでは、涙があふれてました。
良かったですね。
こんばんは (バラサ☆バラサ)
2009-04-02 00:05:36
蔵之助と大泉洋の間とか椎名誠と共演(見ていませんが)とかで、割り食っている印象があり、目立たねえ奴というイメージがあったんですが、「クライマーズ・ハイ」でのイッチャタ演技から、出来る役者と認識しています。

個人的には、本作で貫地谷しほりの存在価値が無いことに、ガッカリしています。
>バラサ☆バラサさま (sakurai)
2009-04-02 10:28:09
割り食ってないです。
十分、イッテたと思います。
笑顔をで喜怒哀楽すべてをあらわす男!とかいわれましたが、売れてない頃からつばつけてたもんで、なんか売れるとちょっと複雑。
しほりちゃん、そういやはじけてませんでしたね。
ま、今回は合格点だったかな。

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