迷宮映画館

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ぼくの好きな先生

2003年12月07日 | は行 外国映画
フランス中部、オーベルニュ地方の小さな小さな学校。ここに3歳から11歳までの個性豊かな子供たちの学校がある。先生はあと半年で退職のロペス先生。13人の子供達と先生のふれあいがなんともいえない暖かい雰囲気を作っている。

3歳から学校というのはずいぶん早い気もするが、小さな田舎町なので、保育園も学校も一緒ということなのだろうか。それとも、この辺の人は異様に教育熱心なのだろうか。前者が正解だと思うが、なんてたってジョジョ!考えてみりゃ年中さんなんだから、ちゃんとしろという方が無理なのだが、ロペス先生はそれを小さい子という扱いをせずに、きちんと一人の人格を持つ人間として相対している。そこが子供の心をつかむんだろうな。

このロペス先生が絵になる。威厳があって、静かで、ユーモアがあって、包容力の大きさがにじみ出ている。またハンサムなんだな、これが。でも、芯の通ったゆるぎなさを感じさせる。55歳定年というのはちょっと早いような気もするが、固執はせず、夏休みを控えて、最後にみんなと別れたあとに、ふと目をそらした一瞬がぐっと胸にきた。

みんなそれぞれ個性を発揮しているが、最高学年の子供達、中学行っても、大きいところで埋没しないで、がんばって欲しいと心から思った。牛の通る、でこぼこの道を通った田舎の元気なたくましい子供達、ロペス先生がいなくなっても、そのままでいてね。

『ぼくの好きな先生』

原題「Etre et Avoir」 
監督 ニコラ・フィベール  
出演 ロペス先生と13人のクラスメート達 2002年 フランス作品


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