5時
夜明け
ニョキっ
明日は豊橋
哀しみの色が濃かった過去の自分の音色から
ずいぶん月日も経ち
限界も未知数も知り
諦めも諦めないことも覚えて
そういう意味では少しは達観もし
哀しみ色に強く傾き過ぎてバランスの悪かった音色は
最近では多少は平らかになったようにも思うが...
昔に比べ音に色が無くなった気もする
何か白っぽくなったような
年を取る毎に
音楽には理屈が不必要なことを感じる量が増えてゆくので
極力感覚に寄って生きるよう心がけているうち
今自分の音がどこらへんの座標軸に居るのか
さっぱりわからなくなった
自分の座標軸を客観視出来ないということは
勝算の目安も立たないので
本番を眼の前にして恐ろしいことではある
がまた逆に
この方向で良かったのだ
と
寿命が尽きる時に思えそうな気もする
何故かといえば
座標軸とは他者との比較であり
勝算とは商売臭のする物差しだから
色もなく
座標軸にも属せず
勝算などという意識も持たず
哀しくも楽しくもなく
ただ
命の鼓動だけを音に刻めていれば良いかなと思う