最近急にお酒が不味く感じるようになって
それまではほとんど毎日飲んでたのが
1ヶ月前くらいからほとんど飲酒しなくなってしまった
急な変化を不思議に思ったが
その方が心地良いのでそのまま飲まない人になった
(お付き合いの場では飲めるけど)
飲まなくなってしばらくすると
味覚が変わり始めた
自然に薄味になった
タンパク質は肉ではなく
大豆から摂ることが徐々に多くなってきた
その方が美味しく感じるのだ
でもまだたまにステーキも食べたくなる
そんな時はタレは要らなくなり
塩だけで食べるのが一番美味しく感じるようになった
いろんなことが変わって行く今日この頃
植物に触れることがどんどん心地良く感じられるようにもなった
植物が頓に好きになった最近ではなく
もともと僕は森とか草木に惹かれる人間だ
都会派でも海派でもなく
森派なのだ
海のシチュエーションをイメージしてギター弾くことは
全く無い
(といいつつ過去に海のシチュエーションのアルバムを出しているが
これは当時は自覚は無かったが
今思えば多分お仕事の領域だったのだろう)
森の奥に人知れずこんこんと透明な水が湧いている小さな泉なんかを
イメージして
その「こんこん」という情景、状況、気の宿り、こんこんという音
などをギターで描写しようとしてる自分がいる
因に
ジブリのカバーアルバムの
「カントリーロード」とか「Fine on the Outside」「風の通り道」
なんかのギターは
僕の中では完全に「こんこん」言ってる
ころころ話題が変わって申し訳ないが
最近
ナッツ類は善玉コレステロールを増やすと知って
毎日ちょっとずつ食べ出した
マカデミアナッツ
クコの実
ピーナッツ
レーズン
乾燥バナナチップ
みたいのが少量ずつ入ってる小袋を
ちまちま食べるのだが
最初は別段美味しいものでもない気がしていたのが
だんだん美味しく感じるようになって来た
美味しく感じるにつれ
森に住むリスなんかの気持ちがわかる
なんて思うようになって来た
僕はどんどん森の人になってゆくのだな
と思って流れるままに流されている
また話が変わるが
実はつい最近
とても感動する出来事に遭遇した
無性に動物と話がしたくなって
最近のある日、多摩動物公園へ出かけた
話がしたくなって、というか
今の自分なら
多分動物と話せる気がしたのだ
何の根拠も無いが確信めいたものがあった
動物園の中をゆっくりまわりながら
動物の目の動きとか反応を眺めながら
どの動物にも心の中で
「こんにちは」とか「奇麗な模様だね」とか
「逞しいね」とか「チャーミングだね」とか
いろいろ話しかけると
必ず1、2度は何かしらの反応をする
檻の中の生活に倦んでしまい
野生を忘れた者にも
「気分はどう?」と話しかけると
ちゃんと薄目を開けて
「だり〜んだよ」という反応する
もともと大好きだったオラウータンのところに来て
「こんにちは」「会いたかった」と心の中で話しかけると
ガラス越しの向こう端にうずくまっていたオラウータンが
おもむろに僕の真ん前に移動して来て
じっと僕の目を覗き込んだ
目の奥まで見抜くようにじーっと見るので
僕もその子の目の奥までじっと見つめた
お互い一瞬も目を逸らさずしばらく見つめ合った
僕は心の中で
「君に会いたくて来たんだよ」
「君が好きだよ」と継続的に伝えた
僕の周りには勿論沢山の観覧者たちがいたが
オラウータンと僕の一種異様な気のやり取りに気づき始め
少しざわついて来た
オラウータンは唇を尖らせ
ガラス越しに僕にキスをした
そして腕を上げ立ち上がって
もしガラスが無かったら
僕に覆い被さるような姿勢をとった
周りがずいぶんざわめいてしまったので
急に恥ずかしくなり
残念だが僕はその場を立ち去った
その後しばらくの間
なんともいえない幸福感に包まれたのだ
それがこの子
相手と目の奥までをずっと見つめ合うことは
今の僕にはまだ
怖さと悦びの両方が存在する行為なのだと覚らされた
そして恐れをもっと取り去ったら
僕はもっと悦びを手に出来ることを知った
そして今度は今日
3匹の森の住人たちがうちにやって来たのだ
リスでしょ
ハリネズミでしょ
ミニパンダでしょ
これは音楽を介して近しくなった大切な友人が
手作りして贈ってくれたもので
僕のステージ衣装用のシャツの生地の柄なのだ
僕は自分では決してこういう生地を選ばない
着る物にズボラだし
ファッションに全く興味ないし
地味な物ばかり着てるし
その人は
絶対ギターを弾いている榊原さんに似合う
と思ったのだそうだ
僕が過去に着たこともないような柄を
そう感じるって
それはとても面白いことだと僕は思った
それは
その人はギターを弾いている僕から放たれている気の色とか匂い
のようなものをキャッチし
それに波長が合う色や柄のようなものを
あつらえてくれたのだ
もう少突っ込んで言ってみると
全く飾らない地味な僕の芸風から感じさせる
少しダークな色調に
この明るいパンダのような少し遊び心を乗せることで混ざり合い
僕の放つ音が今までに無い色になることを
多分その人は(無意識かもしれないが)感じているのだ
そういうことを僕は面白いと思うのだ
僕はこのピンクのパンダの裏生地が見え隠れする
ハリネズミとリスのシャツを
そのうちどっかのライブで着ると思う
多分その日
シャツを作ってくれた人の導きで僕は
桃の花のような気を放つ人と出逢うと思う
全ては森からの贈り物