Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

『月あかりコンサート』~人は悲しみの軌道を~  2

2016-05-19 | ギターの栄養




ネットで調べてみると
岡山まで613キロ

僕が車の自走で日帰り演奏した過去の最長記録は名古屋まで

岡山は片道でその2倍ある

生まれて初めての長距離自走に不安はあるが
とにかくこの地球上
前に進んで着けない場所など無いのだ

楽しみながらのんびり行こうと思う





久しぶりの演奏での長距離移動を前に
Duo LIBRAをやっていた頃のことを思い出した


和泉さんの胸をお借りしながら
中村さんに演奏で全国連れてってもらった

いろいろ大変なこともあったが
月日が過ぎてしまえばそれも良い思い出と感謝しか残らない

人間の記憶のシステムはなかなか粋なことをする、と思う






。。。




ぼちぼち出かける時間

夜はいつも完全に閉じたままのおじぎ草が
出掛ける直前に半開きしてるのを不思議な感覚で眺めた

見送ってくれてるのかい?




不思議な感覚のまま想いがフッと深い場所に沈む



音楽は諸刃の剣だ


人を深い闇から救い出しもし
そして人に深い傷も負わせる

僕はその両方ともを知ってる



20日午前0時半
出発

真夜中の出発は
深淵なる心の闇の淵に沿って進むが如く

しばらくはこのまま闇の中を漂うことにした
それも結局ギターの栄養だから






















3時間走って名古屋

半分近く来たようだ
まずまず順調





長時間だから気楽に考え事しながら運転しようと思っていたが
久しぶりの真夜中の東名
暗い中での高速運転にハンドル操作するのが精一杯だった





4時
新名神に入る




4時半
京都
夜が明け始める




5時
中国道に入る



5時15分
兵庫県に入る



5時半
神戸で給油&休憩



5時50分
山陽道に入る


岡山まで残り143キロ
ここまで来ればもう安心





7時半
山陽道を降りる手前最後のSAで休憩



本日の最高燃費
大満足




目的地まではあと僅か27キロ
早く着き過ぎたので
ここで13時までたっぷり仮眠することにした


Zzz…



……………




10時半

アチ"~

ギラギラ炎天下で
車内が暑くて眠れない
( ̄○ ̄;)



窓を締めエンジン掛けてエアコン点けて再度仮眠



。。。



12時半

何度も寝たり起きたり繰り返して
さすがにもう眠れなくなって
ぼんやりした頭で眼前の雑木と雑草を眺めた



強い日差しに濃い緑の葉がキラキラ輝き
そよ風にゆらゆら揺れる雑草の上をタンポポの綿毛がゆっくり飛んで行く

陽炎に揺らぐ遠くの草の上に紋白蝶が舞う光景は
スローモーションで流れる映画のワンシーンのようだし
SAの建物の軒先には
人間を警戒しない燕が甲斐甲斐しく餌を運んでいる


あぁ…
こんな処にも桃源郷があったか...

夢とうつつの間でしか観ることが出来ない風景



朦朧とした頭は間もなく覚醒するが
朦朧の中で観た風景の美しさは
覚醒後もそのままの美しい色彩のまま心にしっかり焼き付けられる


人は何故こんな嬉しい能力を持ってるのだろう



どの車の人も
この美しい光景に気付かず
暑さにしかめた顔で僕の前を行き来している


勿体ないな...

これに気付かぬ人生は…




。。。





いよいよ再出発

目的地まで30分














今回のコンサートの主催者である岡本さんが経営するパン屋さんに到着です



ご挨拶して
早速僕のお気に入りの場所に入らせて頂きました


パン屋さんの中にあるパティオ(中庭)











明後日(22日)の昼過ぎ
だいたい13時くらいから
この中庭で無料プチライブしますので
お近くにお寄りの際は是非お立ち寄りください


お店に寄らせて頂いたついでにサウンドチェックも済ませてしまいました



気に入ったシチュエーションの中でギターを弾ける時が
僕が一番機嫌が良くなる時かもしれません


心の中はもうスペイン人ギタリスト気取りです


ギターもホセラミレスとか気取りです
(タカミネですが…)





そして明日のコンサートの会場へ移動












太陽の雫ホール


主催者岡本さんの愛と遊び心を混ぜて捏ねて発酵させて
こんがり焼き色を着けて出来上がった素敵なホールです


ここからはあっという間に独り運転のモードとまるで違うモードに入りました


深く内観していたものを
今度は外に出す時間

関わる者同士が外に出し合い
混ぜて美しい色を作り出す時間



今日はソプラノの藤原さんとのRHを念入りにやらせて頂きました

言霊からは翡翠のような色彩を感じました


当然ですが歌の方は皆さんお一人お一人言霊の色が違い
その色と自分の色を混ぜながら
色の調和を整え、美しい方へ方へと寄せて行くのが
僕がこっそり楽しんでいるDUOの醍醐味だったりするのです





RHの時間が過ぎるのが早かった…

気が付いたら夜にワープしてました




RH後は岡本さんと夕食をしながら
音楽や人間についてお話ししました


岡山チームは濃く熱いです





長く濃い一日が終わって
さすがに疲れてホテルへ

しかし神経は覚醒したまま



ビールを飲んでクールダウンしながら眠ることにします















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『月あかりコンサート』~人は悲しみの軌道を~  1

2016-05-19 | ギターの栄養



5/19 15:30

昨夜は敢えて徹夜をし、夜通し練習をして
今日はなるべく寝坊したかったのだが
夜まで眠るつもりが14時には起きてしまった




先日僕を妄想の昼寝に誘ったニンジン島のヤシの木は
10日程であっという間に巨木となり
一番高い場所の葉など
首長竜ブラキオサウルスが首を伸ばさないと届かないくらいになった

しかもニンジン島は地殻変動でその数を増やし
ニンジン諸島になっている







窓を開けると気持ち良い5月の風が入って来る

手入れされ、日に日に茂って行く木々の緑で満たされ
僕の仕事部屋の外はちょっとイングリッシュガーデンの様にも見える

昨日は暖かい陽だまりの中
こちらに気付かず猫が独り遊びをしていた









この場所はいつも風が吹いている気がする




そして土と木々に囲まれ
鳥の声がいつも聞こえる


人の気配は緩く穏やかで
車の音も遠くからしか聞こえて来ない




今年の始めに思い立って都心を離れ
この古い団地に越して来た


昭和の30年代の復興期に建ったこの団地の敷地内は
沢山の自然を施した贅沢な造りになっている


文明とかお金とか
そういった意味での贅沢は1つもないが
寧ろ最高の贅沢の中に暮らしている


陽射しと土と風の中で生きていると
それだけで満たされ
余分な富は必要なくなる

生きてる間は好きなギターをただただ弾き
音の中に真を増やすことを楽しみ
死期が迫れば静に逝くだけだと感じられるようになって来る


それは必ず、自分が放つ音に反映されるはずだが
どんな風に反映されるのかは自分では全く予測出来ない


日常生活を営む精神の部分とは別の
もっと深い場所が耕されているから

それはやはり同じように
精神の深い部分を使って行われる演奏時に信号が繋がり
その瞬間瞬間に始めて反映を体験出来るのだ



明後日 21日の本番中にどんな自分と遭遇するのか
楽しみに思っている




5/21
岡山「太陽の雫ホール」で行われる
『月あかりコンサート』に参加させて頂くことが決まったのは
昨年の後半だった




遠く見知らぬ地に生まれ育った方々との間に
音楽によってご縁が生まれ育つことを
今更ながら奇蹟のように感じるのだ





演奏は肉体に大きな負荷を掛ける行為だから
本番前などはシーズン前の野球選手の調整と似たようなものだと思う

力めば身体を痛めかねず
といって身体を庇いちょっと手を抜けば
すぐに音の中の言霊は薄れ2軍落ちする

未来の保身を優先し
今という瞬間を生きる手を抜けば
このご縁も生まれなかったかもしれない


音楽の次元を上げるべく努力することは
神の声を聞き正しく生きることそのものだといつも感じるのだ







僕はコンサート前日に岡山入りするため
今日19日の夜中…というか
明けて20日の午前0時過ぎ
岡山に向かって出発する




その前にもう一寝入り

Zzzz...




































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