夢を見た
夢に出て来たその人は
言葉ではない方法で自分の想いを伝えようとしていた
それは微笑ましくも、とても不器用なやり方だった
僕は既にその内容の全てを感覚的には感じ取れていたが
応えるための上手い言葉は見つからなかった
空回りするような時間だけが過ぎて行く中で
僕の周りにいろんな事象が次々に起こって行った
突然関係ない人が乱入して来て、論点がズレて僕は黙り込んだり
ちょっと離れたところでは知らない人同士が些細なことで揉め出したり
混沌とした世界が繰り広げられていた
そういった不協和音が増えて行く原因を
夢の中では僕は把握出来ていたが
それに抗する具体的な術を持つことは出来ないでいた
そして何故かこの状況に苛立とか焦りは無く
むしろ微笑むくらいの感情を抱きながら
ただ自分の芯が揺すぶられたりブレないことに意識を置いているようだった
負を本気で塞き止めたいと願うなら
誰の言動にも揺すぶられず
自らの中に正を育み
そしてそれを力にして他と分かち合うことしかない
そういう心を養うための課題は
この世界中に満ち満ちている