人はカイロスを生きる間クロノスを感じない
浦島太郎だ
音楽はカイロスでしか在り得ない
恋も同じ
キミの人生が早く感じたならそれは幸せだよ
時が分割されることなど気にせず
ずっと連続した恋をたどってゆけば良いのだ
連なった時の横軸をただ泳いでゆけば良い
どうせ時間切れなど無いのだから
ここに来てみないか?
もっと
キミは反射神経だけで車の運転が出来るだろう?
キミのカイノスの外のことは全部それで片付けちゃえばいいのさ
封建のシモベが、時を乱暴に分断しても
反射神経だけでかわす
必ず
人の精神は自由でなければならない
そしてここなら自由を奪われない
何故なら
封建のシモベ達には、この場所が見えないのだよ
いや...
そうじゃない ...と、思った
もっと沈んでいるし
そしてもっと慈しんでいる
字体から連想するような享楽的なものじゃない
根底の方から限りなくゆっくり沸騰してくるような喜びなのだ
幾つも細い路地を曲がって
今自分が何処にいるのか、座標軸を見失った頃
「それ」と出逢った
スッと重なった次の瞬間、一瞬で融け出す
重なっている刹那だけ...
自分の心は独りで旅をしていたのだと感じられる
家族を持っても、友と語らっても、
根本の孤独を今、心地良く感じられている
そういう「者」同士が、どこかの辻で
フッと...
重なり合う、のだな、と感じられる
仰向けになって底の抜けたような夜空を見上げている
薄雲のかかった細い三日月を超えた向こう側まで...
宇宙に漂うダークマターが
自分の身体を包むこの場所にまで伸びて来てる事を感じる
その、何者をも否定し得ない空間が、暖かく自分を包んだ時
やっと涙が溢れてくる
その涙と、空間と、重なり合いとが
こんなに柔らかい暖かさがあるのか、という夢の中に自分を置く
死後の世界とは、こんなものだろうか...
生きながら死に
この場所でほんの一瞬
感じ尽くす
愛とか恋とか巷で騒いでも
そんなものよりもっとエキサイティングなのが脳の活性だ
いや...
愛だの恋だのも、「本当の」という名目が付くならエキサイティングだろうが...
いったい幾つの層から成り立っているのだろう...精神とは
それは常に変化してる
今、僕の精神構造は4階建てのビルディングだった
その次の瞬間
誰かや何かとの関わりによって一瞬で10階建てにも20階建てにもなる
8階あたりの西側の窓から日が沈む様子を見ながら
12階の非常階段で誰かと談合して
それらと同時に1階のフロアを
脳味噌を置き去りにした足だけが徘徊している...
要するに、多次元を股がり
心?想い?が自由に行き来する事
僕はきっとこれの中毒患者なのだ
僕の魂が行き来する僕の精神の多次元フィールドは、
一見なんの関連性も無いように見えて
実際は、土台のところで必ず合致している
だから
16階のデスクで電話を取りながら
28階のレストランで恋人と食事をし
伸ばした右手の指先で5階の倉庫のカギを閉め
反対側の窓を足の先で開ける
それら全てが、土台のところに落ちてくる
啓示となって全てが落ちてくるのだ