Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

寿命の法則  その1

2009-10-08 | ギターの栄養





昨日の昼間からずっとヘッドホンしてレコーディングを長時間



あ~もう、背中が懲って割れそうに痛い


背中が割れて蝉の成虫が生まれる...










だが、こんなことを言ってるうちは、まだまだ死なないから
安心してて良い







(他の職種の人のことは、よく知らないが)
ある程度の技量を持った楽器奏者が
演奏中に忘我の境地に入り込むことが出来るのは「苦行のおかげ」だと思う

どんなに整体的な目線で気をつけても
楽器を弾くってことは絶対、左右対称から外れ
その長期に渡る楽器修練に身体は軋む

それそのまま「苦行」なのだ、と思う


仏陀が
苦行を重ねた上で、苦行の無意味さに気付いた後に
悟りを開いて行ったことは知ってる
(手塚治虫のマンガで読んだし^^)

けれど、最初、滅茶苦茶な苦行で自分を痛めつけたからこそ
理にかなわないことは無意味なのだと身に沁みて知るわけだから


身体機能の理を追求しながらも
長年持ち続けた執着が情動を溢れさせ
理性を踏み越え、身体の軋みなど省みず暴走した時に初めて
「そこ」に行ける

そして忘我の境地に、身体の軋みなど気にもせず走り続ける



そして...

明らかに「そこ」に行きっぱなしのミュージシャンは
いつも短命なのだ









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雨の日は地図作り

2009-10-08 | ギターの栄養
カテゴリー分けが嫌いだと
普段言ってるのに...


人間の「種類」なんかを区分けして
心、とか  脳、とか
そういうものも少しずつ整理しながら
自分だけの地図を作っている

「人間分布図」とでもいったほうが、もしかしたらわかりやすいかもしれないが
一つにはそうやって分布図を見ながら、自分が居る場所の座標軸を知りたいのだと思う
そのためには平均的な情報より、突出した沢山の情報が欲しいんだろう
その方がxyz空間が広くなって、自分の進む道選びの自由度が増す

でも、人間の区分けだけじゃなく、僕にとっては観念世界のナビみたいな意味もあるから
やはり「多次元地図」とでも名付けておきたい



地図をつくらなきゃ、地図に載っていない場所には行けないか...って

それは...まぁいくらでも行けるんだろう

けど

自分が今、何処に居るのか
相対的に位置関係がわかった方が面白いじゃない



「いつも見慣れた場所」から、いったい今日は何キロくらい離れたか、なんて
そんなふうに認識したいし
偶然行って楽しかった場所にもう一度行ってみたいし
その地図を使って、どっかの魂を口説きにも行ける

だから地図を作るのは楽しい





例えば
「文学者」という心の乱暴者の産み落としたものに触れ
自分が凸凹してみたり擦り傷を負ったり
また「学者」という、決して心が乱暴をしてはいけない掟の元に生きているものの産み落としたものに触れ
その綺麗に区画整理された様を清々しく、それと同時に物足りなくも思いながら
どうあっても乱暴を働かない学者というものを、ストイックという意味で、偉い人種だと関心してみたり

(一応ミュージシャンていうカテゴリーに入る)自分のことは棚に上げて
好き勝手に人間を想い考えてはフィギュアコレクションのように
自分の頭の中の多次元書棚の中に区分けして置く



そしてその「棚」は、いつでも取り去ることが出来るようにしておく




今夜、地図を片手に、どこまでトコトコ歩いて来たか...ていうと


「東洋と西洋のどちらが進んでるか、どちらが深いか、どちらが多角的か」っていう
いってみればベルリンの壁みたいなものが、フトしたことで崩れ
そうしながら
「ぼんやりとした不安(by芥川)」という名の川の近くまで行って
恐いから、ちょっと遠巻きに眺めてみたりしている

(こんな場所を魂の遊び場にしてるもんだから、昔から大抵僕は独りで居る)


だけど(大袈裟に言うのは嫌なんだけど)まぁ、こういう深淵ともいえる危険な場所に足を踏み込んで尚
この事が意外に楽しく感じられているのは(若い頃では、なかなか巧く扱えなかった)
独り隠って考えるのではなく、きっと現実の世界で他の人間と関わりながら考えてるからだろう

そして更には、関わりながらも他人の動静で今は自分が揺れていないからだろう
(僕が誰かから何と評されようと..)


俗を捨てず俗を離れる...っていうか...



地図は多次元
俗も俗じゃない場所も行き来できる







(僕は、こんな自分だけがわかるような
不親切な言葉で書き記すことが好きなのだ

どうせ言葉は不完全で
常識とは間違いだらけの真理なのだから)



昼間からずっと息を深く吸えないような時間の中にいて
やっと夜中に解放されたら外が滝のような雨の音で
さっきから僕の中が柔らかくなって



生き物ってみんな、雨が好きなんだろうか...

ぼくは、いつから雨が好きなんだろう


母親の子宮の中に居るような幸せ





雨の気配が僕をスッポリ包むから
地球のお腹の中で守られて漂って
安心をして想いが喜び遊んでいる








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