ある日突然お酒を飲むのを止めてから半年が経過した。それまでは、毎晩食後にシーバスリーガルの水割りを2~3杯飲んでから寝るのが習慣だった。酔うと頭がぼーっとして、適度に抑制が取れ、様々な着想が湧いて来るので、面白い記事を執筆できる。それを酒を飲む事の言い訳、口実にしていた。幸い、毎晩の飲酒にも関わらず、定期健診での肝機能は正常値を維持していたので(ただし、善玉コレステロールは高値)、「酒は百薬の長」とばかりに、時に浴びるように飲む事もあった。かつて、佐渡のスナックやキャバクラ巡りでは、一晩でボトルを8割近く空ける事もしばしばだった。今思えばかなり無茶な飲み方だったし、散々大盤振る舞いもした。今となっては、全てが懐かしい思い出である。美人恋人と付き合いだしてからは、ばばあやおばさんしかいない、佐渡のスナックやキャバクラへは行かなくなったし、東京でも、キャバクラへ行く事はなくなった。キャストが、タバコ臭かったり、デブだったり、パープリンだったりして、金をドブに捨てるようなものと分かったからだ。たまに、恋人とのデートの時に一緒にお酒を軽く飲む(ちなみに、ゆきちゃんもお酒を飲みます)のが楽しくなったし、これが最も有益な酒の飲み方である。
常時飲酒を止めて、初めて気付いた事が二つある。一つは、あれだけ筆者を悩ませてきた逆流性食道炎がぴたりと良くなった事だ。胸焼けが続き、ゲップをするとそれが解消される症状が収まらないため病院へ行ったら、内視鏡の検査後、医者は「タケプロン」と言う逆流性食道炎の特効薬を処方してくれた。確かにこの薬はよく効いた。医者は「3ヶ月飲んで症状が消失すれば治った事になるのでそれ以上の服薬は不要」と言った。確かに三ヵ月後に症状は消失したので、治ったと思っていた。ところが、数ヶ月経過したところで、またぞろ、症状が再発した。再び病院に行くと、医者は、「低用量のタケプロンを毎日持続的に服用せよ」と命じた。毎日薬を飲むのは老人みたいで嫌だなあ~と思い、ネットで逆流性食道炎について調べてみた。すると、原因として「過度のストレスや、暴飲暴食で胃や食道の粘膜が炎症を起こす事」と書いてあった。ひょっとしたら毎晩の強い酒が原因かもしれぬと思い、それを止めてみたら見事にタケプロンを飲まなくとも症状は出現しなくなった。「何だ、原因は酒じゃないか、そんな事も見破れずにただ薬だけを処方した医者はやぶ医者だなあ~」と思いつつ、自己診断に自信を深めた。
二つ目は、朝の寝覚めがよくなった事だ。痛飲した翌朝は頭が重く、朝の牛乳三杯を飲むのにも時間がかかったが、今ではすいすいであるし、朝、深い呼吸で地獄の底から這い上がるような寝覚めの悪さを感じる事もなくなった。そして、これ以上痩せてはいけないのだが、体重も1キロほど減った。今では、お酒の代わりに、伊勢丹のエデイアールで購入したカモミールテイーを二杯飲むのが日課になっているし、これが上品で優しい味なので密かな楽しみにもなっている。
伊勢丹で購入した、ナバラサのカモミール紅茶。テイーバッグが12個入って1000円!