欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

ドラゴンを倒す日

2012-02-06 | une nouvelle


ある強くお日さまの照りつける朝、お城の庭に集まる屈強なおとこたち。
キングは威勢よくこう叫ぶのです。
"皆の者ぉ、あの火山にいるドラゴンを倒す日がやってきたぞ。
日頃からの鍛錬を今日こそ試す時!!"
男たちの野太い雄叫びがあたりに響きます。
"ジャック、用意はいいか。
お前の槍が成果を見せる時がやってきたぞ。"
"王様、どれだけこの日を待ちわびていたことか。この研ぎすまされた槍が竜の血を求めておりますぞ。"
"エースよ、用意がいいか。お前の弓が成果を見せる時がやってきたぞ。"
"王様、ご安心下さい。エースという名に恥じぬ働きぶりをお見せいたします。"
クィーンがキングのそばにやってきて、
"皆様のご無事をお祈り致しております。わたしもお供したいのですが、城に残る者もおります。
わたしたちは責任を持って留守をお守り致します。"
"ううむ、頼もしい言葉。それでこそわが国のクィーンだ"
キングはあたりを見回して、
"やや、ジョーカーの姿が見えぬが・・。"
"王様" ジャックが言います。
"神聖な戦いを前に異なことをおっしゃられる。
ジョーカーは剣を持ったこともなければ、盾もさわらない道化者。
あのような者を戦いに連れて行く意味がわかりかねます・・。"
王様はジャックを見て、大きく首をふり、
"お前はまだわかっていない。あの高くそびえる山へのぼり、見たこともない大きなドラゴンを相手に戦いをいどむのだぞ。
それがどれだけ人の心に影響を与えるものか・・。
だからこそジョーカーのような道化者がいるのだよ。
ユーモアがなにより人の心をやわらかく強くするのだから。"


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