欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

森の入口には○○がすわっていて

2013-03-18 | une nouvelle
お嬢さん、お気をつけなさい。
この先の森はふしぎでいじわるな森よ。
一度はいったら二度と出られない、そんな怖い気持ちを持った森なんだよ。
カゴをさげて女の子が森に足をむけてた時のこと。
木陰から、の太い声。
女の子が木陰をうかがうと、黒い服の老婆がうずくまっている。
おばあさん、大丈夫?
わたしはいいんだよ。けど、お前さんのこれからが心配だ。
おいしい木の実を採りにきたの。大切な友達がくるから。
そうかい。その友達は正直者かい?
おかしなことを聞くなぁと思いながら、女の子は、
それは折り紙つきよ。花屋につとめているの。花を愛する人に悪い人はいないわ。
そうかい。
女の子は礼をして森に入っていこうとすると、
その先に黄色い花がたくさん咲き誇る場所がある。そこの隅々を探してごらん。きっと満足するような木の実が見つかるはずさ。
おばあちゃん、ありがとう。
緑の濃い蔦には気をつけな。
蔦はとても嘘が嫌いさ。お前さんがなにか嘘をつくのを淡々と狙っているよ。
女の子はふと足をとめて、
おばあちゃん、わたしは大丈夫。だって嘘は嫌いだもの。
この森に入る前から、嘘が毎日の足どりをひっかけることを知ってるわ。
今の人はユーモアをうまく使いながら、嘘をつかない生き方をしているのよ。
いろいろあるけど、結局うまく生きなきゃね。今はそんな時代よ♪