欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

楡の並木沿いにあるカフェで

2013-03-04 | une nouvelle
楡の並木沿いの朝早くから開いているカフェで、マスターがこれは困った!という声。
父からもらった大切な万年筆がなくなったっていうんだ。
毎日来る老人の客が指をたててこう言うんだよ。
マスター、そんな時は焦ったって一緒だよ。
だって、必要であればこの先見つかるようになっている世界だからさ、ここは。
腰に手をあてて、大きなため息をつくマスター。天を見上げて、ひと祈り。
今日の新聞は?
ん?、ちょっと待って。なにかを思い当たったマスター。
入口の方のカウンターに新聞を取りにいって一言。
今日のお代はいらないよ。
老人が顔をむけると、新聞の下から黒くつややかな万年筆が。
賭けのサッカーのチェックをしてたんだと。
ふふ、祈りが届いたね。その恩恵をわたしはすこしだけお裾分けしてもらったわけだ。

笑顔の魔法

2013-03-04 | une nouvelle
たとえ悲しい気持ちが胸を覆ったとしても、笑顔がそんな暗がりに風穴をあけてくれるよ。
プスリとささった小さな穴の向こうにとても明るい春の陽光が。しだいに気持ちも上向きになってく。
なんでそんな気持ちになるのかって?
そりゃそうさ。笑顔には不思議な輝きが含まれているから。
その輝きがしあわせを呼ぶんだよ。ちょっとした小さな魔法なんだ。

膝に擦り傷をつくって、泣いて歩いてくるのは小さな女の子。
ほら、笑ってごらんよ。顔だけでもつくってみれば、気持ちもほっこり。
魔法が女の子の胸に効いてきて、いつしかケガした事もどこ吹く風に。
笑顔はステキな魔法さ。
これからの明るい未来を含んだ不思議な輝きをもつジュモンのひとつなんだよ。