欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

朝摘みのオリーブ

2011-08-29 | poem
ごつごつした岩場に腰かけ、その人は言うのです。
"あの街にはあらゆるものがそろっている。
しかし、心の糧はなにもない。
こうして街を眺められるこの場所、一見してなにもないように見えるが、あの街よりもはるかにいろんなものであふれている。"
その人の言葉を多くの人が聞いています。
"はるか空のもと、こうして心を澄ませられる場所があるということはありがたいこと。
自分のルーツや原点、これから行くべき道がおのずと見えてくるのです。"
まわりの人たちはこの腰かけた人の中にあるなにかを感じ集まってきたのです。
"多くのものであふれている街中より、こうしてなにもない自然の中こそが、自らの機微を感じとれる場所。"
そう言って、"丘にあるオリーブ畑へ行きましょう。"と、やがて立ち上がったのです。
"あの畑ではたくさんの実りをむかえている。
澄んだ空気の中、その実をかじってみると、味の中にあるなにかを感じることができる。
太陽の恵みがそこにあらわれている。
濃縮された恵みが体の中に入り、わたしたちは失いかけたなにかをとり戻せる。
そして、太陽からの示しもいただくことができる。"
"わたしたちがどこから来てどこへ行こうとしているのか?
今から、このわたしがすることとは?
そのようなものがおのずと心の中に浮かぶようになる。"
歩きながら、その人は空を指差し、
"あそこにおられる方の意向がわかるようになると、心のつかえはおのずととれていくもの。
それが束縛からの解放であり、自身の道を自由とともに生きるということ。
何にもまして、自分が大きな力に支えられていることを知ることになる。
朝摘みのオリーブの味が、そんな不思議な知らせを届けてくれる。
さぁ皆さん、自然の恵みをいただきに行きましょう。"