欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

砂漠の宝石商

2011-08-17 | poem
男のさし出した指の先には鋭く輝く宝石が・・。
太陽にかざし、そのきらめきをまわりにいる人々に見せています。
"この輝きは人に希望を与えてくれる"
男はさらに、
"美しさは愛そのもの。すくなくともわたしはこの輝きに、愛を感じます"
まわりの人々が興味のまなざしをむける中、
"これはわたしたちの愛そのもの。みなさまの中にも確かに輝く美しい愛の姿です。"
かざした宝石を人々の顔に近づけながら、
"愛をカタチにすることはできませんが、こうして代わりのもので感じることはできます。
美しいもの。そこにはわたしたちの希望が確かに宿っているのでしょう。
その証拠に人々はこの輝きに魅力をおぼえているからです"
人々の中にある種の真剣さをうかがいながら、男はにやりと笑って。
"この輝きに代価を払おうと思う方はいませんか? もちろんお安いものではありません。
しかし、代価を払う価値はその目で確かめられているはずですよ。
わたしはこの輝きを売りにきたのではないのです。このような美しさが人の中に宿っていることをすこしでも多くの人に知ってもらいたいのです。
わたしは彼方から来た宝石売りですが、この輝きの意味を伝える、いわば伝道師でもあるのです。
人の興味をそそるヒカリ。このような愛の輝きをすこしでもこの大地に広めていきたいのです。それがわたしの一番の望みなのです。"
男は歩み寄ってくる人々の顔をうかがいながら、
"この石はそれを表現できるもの。もちろん愛の代価として、与えうる最高のものでもあります。
この輝きの意味を人々が知るように、わたしはこうして旅をしているのです"