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太平洋沿岸を飛ぶ (18) - 渥美半島

2010-01-26 | 中部

渥美半島は、三河湾を太平洋から隔てるように長く伸び、その幅はおよそ7km、海岸線の総延長は80km以上にも及ぶ。細長い半島の中央部には、標高300m以上の山が8つあり、起伏に富んだ地形となっている。
行政的には、豊橋市、田原市からなる。半島の先端は、伊良湖岬であり伊良湖水道を挟んで三重県の神島、さらには志摩半島と向き合っている。
台地部では、近郊園芸農業が盛んで全国有数の農業地帯となっている。


渥美半島は、古くからサシバの渡りの名所である。毎年秋、東日本や北日本から中国大陸・台湾・フィリピン方面に渡って行く際、サシバの群れが伊良湖岬上空を通る。サシバの渡りは、渥美半島の中央を東西に走る中央構造線がコースの目印となっており、日本列島の中でも渥美のように東西に長く延びる半島は意外なほど少なく、伊良湖は多くの渡り鳥の中継地となっている。

かの柳田國男も、この渡りのことを - 晴れたる日には屡々鷲を見る。熊野の山奥より、信遠の高嶺に往通 ふものは、大抵伊良湖の空を過ぐるなり。山の上にわなを設け、犬などを餌にして之を捕ふることあり。- と『遊海島記』の中で記している。
柳田國男もこの渡りのことを知っていたのだ。