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太平洋沿岸を飛ぶ (12) - 大瀬崎

2010-01-18 | 中部

伊豆半島の北西端、駿河湾に突き出た勾玉のような小さな半島がある。
大瀬崎とかいて「おせざき」と読む。
琵琶島(びわしま)と呼ばれることもある。
大瀬崎は駿河湾の海流で形成された砂嘴で、一年中多くのダイバーが訪れるダイビングスポットであり、富士山の眺望の名所としても有名な岬である。

大瀬崎一帯は、百数十本のヒノキ科のビャクシン(柏槇)におおわれ、樹林を形成している。
ビャクシンの樹林としては日本の最北端で、樹齢千年以上と思われる老木も見られるこの樹林は、全国的に珍しいものとされ、昭和7年7月25日、国の天然記念物に指定されている。

この大瀬崎の先端には“海の守護神”として知られる大瀬明神が祀られている。
この明神の神域に、底知れぬ深さの池がある。海に近く周囲250mの池だが、水は淡水である。海が荒れた日には海水が流れ込むのに、 池の水はあくまで淡水のままらしい。その不思議な現象から人々はこの池を「神池」と呼び、伊豆七不思議の一つにも数えられている。この神池の水がどこから湧出しているのか。ある人は富士山の伏流水といい、またある人は三島明神の池水がここに湧き出てくるとも伝えられる。

その昔、保元の乱(1156年)に破れ伊豆大島に流人の身となった源為朝が、遥か海を渡りこの明神に源家再興を祈願したという 伝説も残る。