ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

ウズベキスタン まとめ2

2010-04-29 15:03:26 | Weblog
サマルカンドでお世話になったガイドさんから、
「帰国したら、日本の友だちに電話してよ」と頼まれた。
もちろん私はまったく面識がない人。
ガイドさんだって1日お世話になっただけで、プライベートなことはお互いよくわからない。
でも、一緒にいたときの立ち居振る舞いから、変な人ではないことはわかった。

こういうときに安請け合いしてしまうのは、自分としてどうかと思うけど、
人を見る目は、それなりにあると思っているのと、
海外では、1対1の連絡が取りにくいこともあって、
人づて、というのが、結構いまでも効力を発揮する。
というか、そういったネットワークに頼らざるを得ない。
それを実感したので引き受けた。

そして、とりあえずいま電話をして「サマルカンドに来て!と言ってました」と伝えた。
ああ、少し荷が軽くなった。
あと、もういくつか宿題があるのだけど、少しずつやってみよう。

さて、ウズベキスタンの思い出。

●美しいタイルたち
イスラムの建築、とくにサマルカンドは青の都と言われるだけあって、
青いタイルがとても美しく映える。
青い空ときらめくタイル。絶妙だ。


天井を見上げていたら、おもわず平衡感覚を失ってくらくらしたんだけど、そのときにふと思った。
これは、満天に輝く星空を見上げているときの感覚に近いな、と。

昼の空もあれば、夜の空もある。
どちらにも光がある。
そのすべての表情を閉じ込めようとしたのが、このイスラム建築のタイルではないかと思った。
サマルカンドのレギスタン広場には、天文学者としても有名なウルグベクが建てた神学校がある。
アッラーというと、私は昼の太陽のようなイメージがあったのだけど、
夜でも見守ってくれているのがアッラー。
天そのものが再現されているのがイスラム建築。
この解釈は、違うのかもしれないけど、でも私はそう思った。

●サマルカンドのナン
ウズベキスタンでも美味しいと有名なサマルカンドのナン。
サマルカンドからブハラへ向かう列車に乗った時は、
みんなお土産としてナンをたくさん持って来ていた。

外はかためで、中はもっちり。
なるほど、こんな炉で焼いているのなら、そうなるだろう。
  

結構かみごたえがある。
日本のふわふわな食パンとは違って、「ザ・小麦粉ねってます!」という味。
咀嚼することが味わいにつながると、改めて教えてくれた一品。

●お墓
ティムール一族のお墓はとにかく美しい。
廟となっていて、訪れた人は手を合わせていく。
それにしても、棺桶はずいぶんスリムだな、と思っていたら、
白い部分は、棺桶ではなく、墓石だった。
お墓はこの下に広がるという。そりゃそうか。


そして、いまの人のお墓。
アフラシャブの丘、旧サマルカンドの城壁に、地元の人がお墓を作っていた。
写真だと小さくてわからないけれど、墓石の黒い部分に、故人の顔が彫られている。
ガイドさんは、「ムスリムでは、偶像崇拝しないはずだから、本当は故人の顔なんかを彫るものではないんだけど、
最近はけっこう、こういうことをしたがる人がいる」と、なかば嘆いていた。

ウズベキスタン まとめ1

2010-04-29 01:23:01 | Weblog
時差の影響、帰りの飛行機で5時間も昼寝したので、まだ眠くない。
当日のブログでは書かなかったけど、印象に残っていることを書いておこうと思う。

●列車の2等席
タシケントからサマルカンドへ向かう列車の席は、2等のなかでもいい席だった。
前に広い机があり、新聞まで置かれている。読めないけど。

机の上に、ペットボトルが2つ乗っていて、
あら、気が利くわね。と思ったのだけど、これを飲むとお金を払うということを後で知った。
飲まなくてよかった。
まあ、飲んだとしても、たいした金額ではない。きっと50円くらい。
コップは、この車両の人はタダで借りられるのと、お湯は自由に飲めるのはすばらしい。
あと、モニタでDVDを流している。
ミュージックビデオや、演劇などがかかっていた。


●列車からの風景
放牧と、とても大規模な農場をよく見かけた。
大勢の人数で一緒に農作業しているところもあり、ソビエト時代の名残かな、と思った。
あと、サマルカンドからブハラへ向かう列車からは、
遠くに、何かの採掘場のような大規模な建物をよく見かけた。
ウズベキスタンは地下資源が豊富だというから、そういった施設だったのかもしれない。


●ティムール
ウズベキスタンにとって、一番の英雄は、やはりティムールなのだろう。
どこへ行ってもティムールは人気だったし、像があった。
もしかしたらソビエトから独立して、よりティムールがクローズアップされているのかもしれない。
建国の父として。

ティムールのお墓であるグリ・アミール廟で、はじめてイスラムのお祈りに参加させてもらった。
両手を顔の前でお椀のようなかたちにする。
お祈りが終わると、両手で顔を洗うように上から下へなでる。
おばちゃんたちのお祈りの声を聞きながら、その真似をしていると、
手のひらの上に暖かいなにかが宿るような、不思議な感覚があった。


●鳥
ウズベキスタンでよく見かけた美しい鳥がいる。
でも、なんとなくカラスの親戚のような気がする。
黒、白、青の3色が美しい鳥なんだけど。
ネパールのカラスは、羽だけが灰色で、日本のカラスより少し小さく、
あまりこわい印象ではなかったことを思い出した。


●排水溝
昔の建物は、石畳のどこかに排水溝がある。
とてもオシャレで、建物の一部として美しい。
もしかしたら地下に水をためる施設があるのではないかと思ったけど、確かめていない。
サマルカンドは、とても自然が豊かな土地で、その自然をとことん愛している人たちが住んでいる。
共存していると感じた。
そして、共存しているからこそ、みんなの自然であり、
遠く旅を続けて来た旅人には、きっと一番いい木陰を笑顔とともにすすめただろうと思う。