ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

中国準備本

2011-06-30 22:24:34 | Weblog
真夏のような日射しのなか、
ふーふー歩いて、中国大使館にビザを取りにいった。

ついに、Zビザを手にしてしまった。
まさかこんな日が来るとは。

昨晩遅く、中国準備本を読み終わった。

『今、あなたが中国行きを命じられたら 改訂版―失敗事例から学ぶ中国ビジネス』
高田拓著、ビーケイシー

私の場合は、命じられたから行くのではなくて、
みずからそこに飛び込むことにしたのだけれど。

著者は、松下電器(中国)有限公司の元取締役。
こういったポジションにつく人は、本当にエリートなんだなあ。すごい。
世界に誇れる日本の企業戦士って、こういう人なのね。
と、まるで異人種を見るような気分で読んだ。

私が行く会社はメーカーでも商社でもないけれど、
特に品質管理や回収の考え方などは、非常に勉強になった。
中国に赴任する場合だけではなくて、
中国と関係のあるビジネスをする人はみんな、
一度読んでおいたらいい本だと思う。

よく「日本人は優秀。中国人や他のアジア人の社員は、日本人に劣る」と、
自信満々に言いきるおじさんがいる。
その人たちの時代はそうだったかもしれないけれど、いまはそうでもない。
先日、上海で就職活動をしたときに、つくづくそう思った。

上海で日本人の求人があるところは、日系企業の現地採用か、
中国の企業の場合は、
対日本企業の担当者として日本人がほしい、というところが多い。

だから、現地採用の場合、新卒はいらないと言われる。
日本企業で働いた経験をもつ日本人でなければ、
日本企業の担当にしても、即戦力になるわけがなく、
ましてや、対中国や対諸外国の担当につけて、
中国人に囲まれて、日本人の同僚がいないような環境のなか、
社会人としてのスタートを切って、
本気でがんばれる日本人の留学生となると、かなり限られてくる。

もちろん、それには日本人の能力だけではなくて、
中国の企業の労働条件が、
日本のような考え方ではないことも理由にはあるが。

価値観の違い、商習慣の違い、そして法律の違いなどを、
「日本人は優秀だから」という妄想を捨てて、
正面から向き合わなければならない。
中国だけではなくて、外国とビジネスをするということは、そういうこと。

でも、白人文化にはその謙虚さがあるのに、
アジアに対しては、ついつい自分を甘やかし驕ってしまう。

デンデラ

2011-06-29 22:25:56 | Weblog
今日はサボった。家のことを何もしなかった。
昼間、高校時代の同級生とロシア料理を食べ、上海移住の話をした。
きっと彼女は、「それだけ中国の悪口が出てくるのに、どうして行くの?」と
思っているんだろうなあ。

その後、1000円の日なので、映画「デンデラ」を観てきた。
観客の年齢層が高く、シアターに入った瞬間、
かすかに、加齢臭に近い微妙なにおいがした。
すぐ気にならなくなったけど。

昨日会った友人が、節電のために空調を切っている会社の女子更衣室は、
しっかりとオヤジ臭いと言っていたのを思い出した。
若くて美しい女性でも、数が集まるとやはりそういうにおいがしてしまうのは、
オヤジのような食生活だからなんだろうな。

映画は、姥捨山に捨てられたお婆さんたちの、その後のお話。
お婆さんを山に捨てたような土地は、本当に貧しかったのだと思うけれど、
確かに、富の配分は均等ではなかったかもしれないし、
歳をとった女性を「捨てる」ということについては、
いまの社会にも通じるものを感じるので、昔話を読んだ幼いころよりも胸に迫る。

それにしても、強くて魅力的な女優さんが、日本にはたくさんいる。
まだまだ「娘っこ」の私も、頑張らなくてはならないな。

映像としては、女優さんの表情、とくに目の演技に大きく頼っていた。
特に印象深かったのは、
お婆さんたちの隠れ里を襲うクマを追って、主人公が山に入り、
夜、木の根にできた穴で夜明けを待つところ。
そのときの主人公の瞳の光。
たぶん一生忘れない。

こんなふうに、あるシーンが心に強烈に残ると、
その後、ストーリーは忘れてしまったとしても、その印象だけは残り、
何年か経って、もう一度見てみたいと思う。
そして、そんな印象を残せる人が、大女優なのだと思う。

茶話会

2011-06-28 23:42:39 | Weblog
今日は、上海情報ステーションというところが主宰している
「上海茶話会」に行ってきた。
場所は代官山。

代官山駅で降りたの、たぶん人生で2回目くらいだ。
駅前にドトールもスタバもなくて、おしゃれな町だった。
代官山には溶け込めそうもなかったけど、
「上海茶話会」には、初めての参加だったにもかかわらず、
すぐに馴染んだ。

大学1年生から、かれこれ20年の付き合いの友人と一緒だったおかげもある。
中国経験者で、中国や外国、初対面の人にも普通に溶け込め、
勝手に楽しんでくれる友人で、そういう人は非常に得難い。
大学時代から、よく、あんなふうに人付き合いができたらいいなあ、
と、思っていた。今日も思った。

上海にはいろいろな日本人が行っている。
年齢もいろいろだし、経歴や仕事もさまざまだ。
私が留学していた93年当時、今の状況はまったく想像もできなかった。

むかしの中国、その当時の北京の印象を、いったんリセットしなきゃいけないな。
あれは、幼いころ見たアニメを語るときのように、
あるときふと思い出して、共有できる人と妙に盛り上がって、
いまとも繋がっているんだけど、
直接的にはリンクしていないような、そんな感覚。

中国人との付き合いに悩む以前に、
過去の、かなり自分本位に歪められてしまった自分の記憶と、
まずは、しっかり距離をおかなければならないんだな。

ミカイールの階梯

2011-06-28 17:15:27 | Weblog
仁木稔著、ハヤカワSFシリーズ。

SFは、物語の舞台設定を把握するまでに時間がかかるので、
ふだんあまり得意じゃないジャンルなんだけど、
この物語は、モンゴル帝国の版図のようだったので、私にはわかりやすかった。
首都がウルムチ。

私と同世代の人が、こんな小説を書くんだなあ。
というか、私の世代だからこその物語か。

これまで、私にとってのSFは、アメリカの受け売りのような、
宇宙開発があって、未知の惑星があって、
そこで活躍するのは、白人っぽいんだけど日本語を話す人だったのだけれど、
この物語は、中央アジアが舞台だから、ひとことで言うと、好きな設定。

でも、ユーラシアの地図を思い浮かべるとき、
ヨーロッパと中国を分けて思い描く癖がついていたり、
ついでに、ソビエトの一部だった中央アジアのイスラム圏のことなんて、
地図や歴史の空白状態だという場合には、
少々、入りにくいお話かもしれない。

とはいえ、私のツボには、ビシッとはまった。
設定が非常に緻密に考えられてるし、文化に対する理解も深い。
うむ。恐るべし同年代。

さて、真夏日の今日、家の前の紫陽花は光り輝く。



さわやかな風を感じる。実際はほぼ無風で暑かったけど。



自然が美しい。きらきらしている。

ビザ申請

2011-06-27 20:12:08 | Weblog
中国大使館で、ビザの申請をしてきた。
そういえば、自分でビザの申請をしたのは初めてだ。
留学したときは、大学経由で旅行会社が手配してくれたから。

これまで、中国大使館の前は通ったことがあるけれど、
大使館を目指していったことはなく、麻布の町で少し迷った。
でも、要塞のような中国の駐日大使公邸も、
そして、中国大使館に通じるいかなる細道にも、
警官が警備をしているので、道が聞ける。

この雰囲気、真の意味では日中は友好関係ではないよ。
あの辺りは他国の大使館もあるけれど、あんなに警備してないもん。

で、大使館のビザを申請する建物に入るには、持ち物検査。
一歩足を踏み入れると、そこは喧噪の世界。つまり中国。
日本人の警備員が「並びなさい!」と怒鳴っている。
明らかに、場所のキャパを超えた申請者の人数。
これでは、移転したくもなるだろう。
移転先の場所について、日本人から文句が出るのもわかるけど。

窓口の人たちは、すごい勢いでさばいていくけれど追いつかないし、
年配の中国人ほど、イメージどおりの中国人らしく、
動作がゆっくりしていて、
何度も見返すわりにはどこが問題かも教えてくれず、
ついでに携帯に電話がかかってきたら、ちゃんと出て、
中断してしまった分、もう一度最初から見直して、
最後はだまって受理する。
うむ。久しぶりに出会ったぞ。中国の公務員。
でも、日本人や若い係の人は、みんなチャキチャキしてた。

そして日本のパスポートを持った中国人一家の多いこと。
日本のパスポートのほうが、便利だもんね。

国家間の距離と、経済的な距離と、そして個人にとっての便利さと、
なんだか一気に体験して、なんだか疲れた。
あのうるさいなかで、ちゃんとマイペースに読書できる自分にならねば。

いま読んでいる『ミカイールの階梯』、ウルムチが首都。
これはすごい世界観。もう少しで読み終わる。

出不精というか

2011-06-26 21:50:50 | Weblog
明日は、朝から中国大使館に行って、就労ビザの申請をしなきゃなあ。
なんだか面倒だなあ。

上海に行くのも、中国人のなかで働くのも、
いま、まったくと言っていいほど気負いはないのだけれど、
ただ、引っ越すのは、やはり面倒だと思う。

そう思うのには、
東京という、たいへん便利なところで育ったせいもある。
でも、上海の印象は、山手線の内側に、ぎゅっと集まった都市で、
およそ東京と同じものがそろっていると考えると、
コンパクトなだけ、上海のほうが便利なんじゃないかとか、
いろいろとポジティブに考えるけれど、
まあ、根本的には、やはり面倒だと思う。

遠足も修学旅行も、行く前は、
ウキウキするよりも、まず「面倒だな」が先にたつという、
生まれながらの出不精だから、これはもうしょうがない。

特に、ここ数日間、断捨離という上手い口実を見つけ、
家でダラダラと過ごしていたから、なおさら出不精に拍車がかかった。
ああ、家でずっとこもっていられるほど、
何かに突出した才能がある人間だったらよかったのになあ。
すごい名文が書ける作家とか。

でも、作家も、結局は閉じこもっているだけではダメで、
外の世界や他の人格と接することで、書けるようになることがあるから、
単なる怠け者の引きこもりには、仕事としてなかなか将来がない。
書いたとしても、自分で売るか、他の人に売ってもらうかしないといけないし。
そうなると、会社員よりも、よほどひきこもりなんて、させてもらえない。
付き合うときには、ちゃんと付き合わなければならない。

ああ、人間関係もほとんどが新しくなるんだよな。
夜のスカイプに頼ってしまいそうだ。

日本の夏

2011-06-25 23:33:10 | Weblog
昨日は久しぶりにガリガリ君のソーダ味を食べ、
なんだか日本の夏を満喫しているような気持ちになった。

ここ数日、いろいろなことがあったのだけれど、
なんだかブログに書くほど、まとまっていない。
というか、生活全般がダレきっていて、まとまらない。

昨日、約20年前の上海の写真を見せてもらった。
外灘を撮った写真で、高層ビル皆無。
そして、青い空に白い雲が浮かんでいた。

なんだ。
むかしは上海もこんなだったんだ。
いつか川もきれいになって、空も空気もきれいになって、
白い雲がゆっくりと日本の方角に流れていくような、
そんな景色が見られたらいいな。
あ、浦東のビル群で、やっぱり見えないか。

そして、せっかく家の窓をインプラスにするのに、
時代の最先端を行くというのに、
そのころ私はうちにはいない、という・・・。

てろてろ

2011-06-25 00:46:46 | Weblog
大物を捨てると、部屋がひろくなる。
が、その状態にすぐ慣れる。

大きな棚を捨てるのを手伝ってくれた友人が、
「ここにあった棚がないと、やっぱり少し変わった気がするね」と
感慨深げに言ってくれたのだが、
私はもともとあまりこだわりがなかったようで、
運び出したあと10分間くらいは、ああ、ひろいな、と思ったけれど、
なにかしみじみと言うほどのことはなかった。

ということは、もっと物はしぼれる、ということだな。

とにかく暑いので、ダラダラとしてしまうのだけれど、
粗大ゴミを捨てると、少し進んだ気持ちになっていい。
ほんとに、いっそのこと引っ越したいなあ。
ああ、上海に引っ越すんだけど、ベースである日本の家を引っ越したいなあ。

今日の夕方、新宿から電車に乗ったら、
クールビズっぽい男性や、生足の女性がたくさんいた。
なんだか、このてろてろ感、上海みたいだ。
さすがに、ビーサンで出勤する人は日本にはいないだろうけど、
社内履きにしている人はいるだろう。

電力のせいなんだけれど、
なんだか、街の風景が、等身大になってきたような気がする。
ゆるい格好をしているんだけど、どこかしら清潔感があるという雰囲気に、
もっとなったらいいなあ。

そして、ようやく上海から、
名前、生年月日、パスポート番号の正しい就労ビザの申請書類が届いた。
来週は大使館から始まるんだなあ。

痕跡

2011-06-22 23:50:15 | Weblog
今日は、先日までお世話になっていた会社の友人と食事をした。

まだ1ヶ月も経っていないので、
カーペットの感触とか、ソファーの座り心地とか、
中途半端で置いてきた仕事のこととか、
会社の人のことも、リアルに思い出せる。

派遣社員だったけれど、
なんだかすごく存在の痕跡をのこしてきたような気がする。
そもそも、派遣かどうかという問題ではなくて、
人間が一緒に時間と場所を共有したのだから、
なにかがのこされて当然なのだけれど、
人と人が触れ合うって、こういうことなんだなあ、と、
なんだか改めて思った。

帰りの山手線で、隣に座った萌え系の格好をした女子が、
ものすごい勢いで寄りかかってきた。
そして、新宿駅に着くと、私よりも早くすっくと立ち、
パタパタと降りていった。

女子の変わり身の早さを、なんだか実感させられた。
顔を見る余裕すらなかった。残念。
かわいかったのかなあ。

おNEW

2011-06-21 21:12:22 | Weblog
中国大使館に電話したのだが、
案の定、回線がふさがっているか、誰も出ない状態だった。

「上海から届いた書類の私の誕生日が間違ってるんですが、いいですか?」
確かに、あまり楽しい質問ではないので、
繋がらなくてよかったという気持ちもある。

ということで、明日、直接出向いて聞いてみるかと思ったが、
その前に、上海の会社が確認をしてくれたようで、
結局、上海側の手続きをやり直すことになったようだ。
そうだよね。誕生日が違ったら、別人だから。

わざわざ電話をかけてきてくれて、謝ってくれた。
わたし、全然怒ってないし、こうやって謝ってくれると、かえって嬉しい。
中国人は、開き直って謝らない人たち、と思っているけど、
やっぱり人によるな。
同じ会社の人が、いい人でよかった。
でも、一緒に働くようになると、また違う一面が出てくるのだろうな。

さて、ReebokのEASYTONEを履き、家の近くに咲く花を撮った。
EASYTONEは靴底が丸いから、ぐらぐらするのかと思ったら、
意外と、しっかり大地をとらえながら歩く感じ。
歩き心地はよかったけれど、CMの人の足のようには、
これだけではならないと確信。

そして、いつも一眼レフを持ち歩くのは大変だから、
普段使いのデジカメPanasonicのLUMIX(TZ20)を買った。



と言っても、やはり一眼レフでも撮ってみた。
あじさいの花の色は、確かリトマス試験紙のように、
土壌の質によって、赤、青、白になると思ったのだけど、
ここの土壌は、どっちなんだ。



どんだけ、カメラ好きなんだろ。