ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

2011-08-31 00:14:14 | Weblog
最近、よく中国人に間違われる。しかも日本人から。
先日は、焼肉屋さんでお手洗いに行こうとしたところ、
日本人のお客さんに「お箸持ってきて」と言われた。

今日は、日本人の女性に「日本語お上手ですね」と言われ、
もちろん「はい、ネイティブです」と答えた。
それを笑い話にしようとしたら、初対面の中国人に、
「日本人だって気がつきませんでした」と言われた。

それは、中国語の問題ではなくて、私の姿かたちと雰囲気のせい。
「初めて会ったとき、あれ? 日本人?って思ったんですよ」は、
最近、だんだん親しくなってきた中国人の同僚からよく言われることなので、
何か気のきいた切り返しがしたいものだと思う。

とはいえ、内臓は日本人なので、
辛いものを食べるのは好きだけれど、たまに「これ以上無理!」と身体に言われる。
麻婆豆腐は、日本人が大好きな料理だけれど、
中国人からすると、「なんでそんなに、一番安い料理を選ぶの?」と
思われるらしいことを知った。
でも、美味しいから好きなのさ。
だから、いつも限界を超えて食べてしまうのさ。



そして中国人の同僚から教えてもらった、ためになること。
日本人が大好きな鶴のモチーフ。
中国人は、鶴を見て、亡くなった人さようなら、と連想するらしい。
魂は鶴に乗って天上世界に運ばれて行く、と。
だから、白銀の世界に丹頂鶴がいる、という日本人がとても大好きなモチーフも、
「白+鶴」=「葬式+葬式」となって、贈り物にするには縁起が悪くなる、と。

知らないことって、たくさんあるよなあ。

自分本位

2011-08-29 21:34:08 | Weblog
今日は、朝9時30分から夕方17時まで会議。
そんなに会議をしてどうする。

会議嫌いだ。嫌いだ会議。
だって、言わなくてもいいことを言ってしまうから。

私が言っていることの一部分だけに噛み付いてくる人には、ちゃんと反論をした。
そうしたら、同僚から
「誰に対してでもハッキリ言うんですよね~。言った~!!!って思ったんですよ。
男らしくて気持ちいいです」と。
ほめられているのかもしれないけれど、ほめられてない感じ。

会社の上の中国人&年齢が高い日本人は、
どうやら上から下へと繋がる組織にしたいようなんだけど、
組織というのは、10年、20年、人が定着することが前提。
新しい組織だったり、日本人が2年くらいで辞めて行くような上海の会社では、
フラットな方がいいと思う。
日本での経験は、役に立つこともあるけれど、現場にそぐわないことも多い。

そして、最後に中国人の上司から、
「今回の組織化で一番たいへんになるのは、あなた(つまり私)ですよ~」
と言われたので、
一番試されているのは私だということなんだろう。
なんで上海まで来て、やりたくもない後輩指導をしなきゃならんのじゃ。
こっちが教えてほしいくらいなのに。

「やれるだけやるけれど、交換条件として、
とりあえず会議中寝ているような後輩(日本人)の面倒は見ませんよ。いいですね」
と、言っておいた。
そこまでできるか。それは採用した会社の責任だ。

ま、いいや。自分本位にやろう。

ずしん

2011-08-29 01:56:11 | Weblog
物語が読みたくなったので、
ポール・オースターの『オラクル・ナイト』を読んだ。

相変わらず、柴田元幸さんの訳はすごいなあ、と思いつつ、
ポール・オースターの文章は、あまりにも「どきり」とさせられるので、
途中で止まることができず、結局、最後まで読んでしまってこの時間だ。

私はよく「口は禍のもと」という状況を引き起こすのだけれど、
つい先日もそんなことがあった。
しかも言った本人(=私)はすっかり忘れていて、
言った相手が、怒るでもなく、心の重荷に思っていたということを後日知り、
改めて自分が落ち込むという最悪のパターンだったので、
こういうときポール・オースターの世界観に触れると、ずしんとくる。
ひたすらずしんとくる。

しかも、このお話はいつもにも増して「言霊」のような世界観だったから、
読みながら、またしても私自身の愚かさと直面せざるを得ない。

言葉にしてしまったことや、これから言葉にすること、
どうしようもない自分、自分からすると道理が通らない世界を、
「あること」としてを引き受ける覚悟。
いろんな人にいますぐ電話をして謝りたい気分と、
すべて忘れて眠ってしまいたい誘惑。

それでも明日がくれば、顔を洗って、仕事にゆく。

果たしてこのむずむずした気持ちを抱えたまま、
今宵はオラクル・ナイト、私にとっての神託の夜となるのだろうか。

このお話の語り手も作家。
この設定は比較的多いけれど、
ポール・オースターという人は、どれだけ自分の傷と向き合っているのだろうと思う。

日曜の読書

2011-08-28 18:03:27 | Weblog
今日も週に1日の読書デー。
部屋の空気を入れ替えつつ、
日本から持ってきた香樹林のお香を焚いて、飛来する虫除け対策。

今日読み終わったのは、
『世界史のなかの中国 文革・琉球・チベット』
汪暉著、石井剛・羽根次郎訳、青土社刊。

西洋哲学史の素養がない私には、最初の100ページくらいは忍耐が必要だった。
文革に関しては、「思想史としてはこうなるのねえ、よくわからないけど」
という、無知丸出しな感想。

琉球に関しては、日本人は学校で教えてもらえないことも多いので、
中国的かつ客観的にまとめてくれてありがとう、という気持ち。

そして、チベットに関しては、一番複雑な感想。
中国の主張はよくわかる。
確かに、孫文の五族協和がこの100年の根底にあって、
西洋が勝手に妄想しているチベットと、本当のチベットはかけ離れていることもわかる。

では、さて、2000年に私がチベットに行ったときに感じた、
ラサに漂っていた何とも言えない不協和音は、いったいどこから?
という回答を求めて読み進め、整理できたところもあれば、
うむむ~、そうなのか?と思ったところもあるわけだ。当然のことながら。

それにしても、中国人の頭のいい人というのは本当に頭がいい。
この本の著者もそうだけど、桁違いの頭のよさ。
そして、ものすごく人間臭い中国人のなかにあって、
この隔絶した思考力をもっていることについて、
正直なところ、現実離れしすぎているというか、まったくピンとこない。
すごく頭がいいから金儲けしている、という中国人のほうが、
「いよっ! 中国人!」と素直に尊敬できる部分も、最近はあるなあ。

とはいえ、何となく最後に思ったのは、
こういう頭のいい人が、方針なり戦略を考えるのだろうけれど、
実際にラサというところで、銃を携え辻に立って警備にあたる現場の人は、
おそらく中卒程度の知識しかなく、まるっきり子どもなわけで、
それは、ラサに限らず、都会で右往左往している私たちも同じことで、
だからこそ、上手くいかないことがあるのよねえ。という、
非常に無責任な感想だった。

上海でチベットというと、民族問題でも、ダライ・ラマでもなく、人気の観光地。
青藏鉄道に乗って、雄大な景色をながめながら、
異国情緒あふれる土地に行ってみたい、という感じ。

でも、ラサの中心部もだんだん漢族の街のような佇まいに「整備」されてきている。
日本で新幹線の駅を降りると、東北だろうが関西だろうが、見た目がほとんど一緒で、
国道の沿線は、大型の商業施設と全国チェーンのファミレス、パチンコ屋が並び、
旅に来たという感慨にひたれるのは、狭い旅館の部屋にこもったとき、というのと、似てきている。

中国みたいに広い国で、北京もラサも中心地は同じで、
かつての宮殿の前に、国旗が翻る広場があるというような都市計画を続けていると、
そのうち日本みたいに、
「どこまで行っても、日常から逃げられない。閉塞感にまみれているんです、
という国になっちゃうよ」と、言いたい気持ちになった。

最後に、この本の帯に「日中関係を根源的に考える」とあるのだけれど、
それは、読者が読後にそこまで敷衍することはあるかもしれないけど、
でも、本文全体として、すみません、そこまで明確に書かれていました?と思った。
帯は営業的要素が強いので、よく強引な言葉が並ぶけれど、
装幀が好きだから単行本がいいと思う時もあれば、
たまに、だから電子書籍のほうがいいな、と思ってしまうときもある。

試飲会

2011-08-28 01:15:57 | Weblog
午後から友人に誘ってもらって、
「ワインとチーズ直販・共同チャリティ開催・フォトエキシビジョン」
というのに行ってきた。

上海には、こんなにたくさん白人がいるんだ。
と、感動するくらいに白人ばかり。

 

ワインの試飲をして、チーズを試食した。
ワインで一番美味しかったのは、イタリア産の赤のスパークリングワイン。
白のスパークリングワインもあったけれど、赤のほうが美味しかった。
美味しいけれども少し甘いかな、ということで、フランス産の赤ワインを試飲。
こちらは渋味があるけれども、後味が軽い。
南アフリカ産の赤ワインも飲んだんだけれど、地中海に近いほうがやはり飲みやすかった。

チーズでは、ガラムマサラによく入っているクミン入りのものが美味しかった。
そこでチーズを買おうと思ったら、さっそく売り切れ。
でも、トウガラシ入りのチーズが残っていたので、それとプレーンを買うことにした。
チーズを2つ買うと、もれなく1個プレゼント、ということで、
試食できなかったチーズも1個ついてきた。
中国でチーズを買うと高いし、なかなか試食して買うこともできないので、
100元だったから、とてもお得だ。

そして、ジャズスクールの先生と学生による生演奏もあった。
ドラムが白人の女性で、ベースとキーボードが中国人の男性。
ボーカルは、たぶん先生らしき白人の女性。
なかなかよかった。

その後、韓国料理を食べた。
韓国の要人が上海に来たときに接待に使われるレストランということで、
とても美味しかった。

でも、日本語はまったく通じないし、中国語も怪しいスタッフがいる。
きっと朝鮮族か、北朝鮮もしくは韓国の人なんだろうと思う。
中国語が上手なスタッフに、「あなたは漢族?」と聞いたら、「そう」と。
「いま、韓国語を勉強しているところ」と言っていた。

中国の人は、とても熱心に外国語を勉強する。
少しでもいい仕事に就くためとはいえ、なかなかすごい。

贅沢な昼食

2011-08-27 14:03:20 | Weblog
今日のお昼は贅沢をした。

近くのスーパーで買った日本式のうどんに、
日本から持ってきた去年の梅干しを乗せた。
しかもまるまる1個!!!



中華料理も美味しいと思うんだけど、
こういう食べ物を食べた後の満足感とはぜんぜん違う。

そういえば、昨日はCoCo壱番館でカレーを食べた。
アスパラ入りのカレーを頼んだつもりが、
出てきたのは、おくら、納豆、豆腐のヘルシーカレー。



美味しかったからよかったけれど、
マイルドでサラサラした食感だった。
久しぶりに濃厚なカレーが食べたいなあ。

久しぶりの写真ついでに、昨日の夕焼け。
上海の会社の私の席から見える風景。



午後6時ごろ、西の方に夕焼けが見える。
もっと上の階なら、きっともっと雄大な空が見えるのだろう。

むかし留学していた北京の大学の部屋には、
西側にテラスがついていた。
頤和園に沈みゆく夕陽を見るのが大好きだった。
シルクロードのオアシスに、また行きたいなあ。

心の底からガッカリ

2011-08-27 00:45:49 | Weblog
今日は、初めて上海の伊勢丹に行った。

・・・・・・・・・・・・・・。

こんなにガッカリするとは思わなかった。
確かにブランドは揃っている。
でも、日本にはない、ビルの真ん中が最上階まで吹き抜けになっているという
建築構造だからだろうか。
エレベーターを上がって行っても、その過程でまったく購買意欲がわかない。
というよりも、どんなお店が入っているのか、何が置いてあるのか、見えない。

そして、地下。
地下には、イートインのお店が入っている。

そしてなぜか、フロアにある唯一のトイレの入り口は、厨房の入り口の先にあった。
厨房の裏側で、食器を運ぶワゴンとか、
シフトで昼食をとっている中国人スタッフの食べ散らかしている光景を抜け、
やっとトイレにたどりつくと、やはりトイレットペーパーはなく、便座があがっていて、
ついでに、マメに拭き掃除しているらしき雰囲気ではあるものの、
その前の廊下で食べ物の油にまみれた靴の汚れを拭いたモップで
床を念入りに拭き掃除しているから、どこもかしこもツルツルすべる。

こんなところで食べる気しない&トイレに入っても落ち着かない。

伊勢丹の中国進出の話を、
日本クオリティのサービスを中国に根付かせる苦労話を、
さんざん美談として聞かされていたのに、
厨房の先にトイレがあるというのは、構造上の問題であって、
中国人スタッフのマナー以前の話だと思う。

ということで、日本もこの程度だよなあ、と、
落ち着く気持ち半分、なんだかとても、がっかりした。

食生活

2011-08-25 20:44:32 | Weblog
数日前から、管理人さんの子猫もウサギもいなくなった。
空のゲージが2つ雨にぬれている。
なんとなく、逃げたんだろうと思っている。
そう思いたい気持ちだ。

帰りに夕飯用の饅頭を買ったら、他にお客さんがいなかったこともあり、
お店のお兄ちゃんに「どこの人?」と聞かれた。
「日本人だよ」と答えたら、「へえ。話した感じは、中国人だね」と言われた。
わざわざ聞かれたということは、
どこかに中国人らしくない違和感があるということだろう。

饅頭に野菜炒めをそえて、夕飯の出来上がり。
このままだと、結局、炊飯器を買わないような気がする。

最近、昼食は、中国人向けの食堂に行っている。
トレーを持って並び、
食堂のおばさんに「あれちょうだい」「これちょうだい」と言い、
盛りつけてもらう。

ごはん、おかず2品、スープで、値段はだいたい20元。
食べきれないくらいボリュームがある。
同僚と一緒に行くと、おかず2品をシェアできるので、4種類が食べられる。
なかなかバランスがとれていい。
中国の学食を思い出すなあ。

ちょっと味が濃いので、午後、ノドがかわくけれど、
毎日違うおかずが食べられるので、結構気に入っている。
食生活が落ち着くと、気持ちが落ち着くなあ。

カギは母親

2011-08-24 22:53:04 | Weblog
今日は、とある日本人会に行った。
上海には、出身地や趣味というくくりで、いろいろな日本人の会がある。
別に日本人に限っているわけではなくて、中国の人も来る。

今日来ていた中国の女性は、手相を観られるということで、観てもらった。
「あなたは、人との縁が強くて、いい人たちに会う。もっと努力して」と言われた。
「何を努力したらいいの?」という質問には答えてもらえなかったけれど、
なんだか、心の中を見透かされたような一言だった。

その後、「結婚してるの?」と聞かれ「いいえ」と答えたら、
ダメね~という顔をされ、周囲の人が結婚談義に入った。
だいたい、こんな話だった。

中国女性A「日本人は、男性のほうが5歳くらい年上ということが多いね」
日本男性「最近の日本の男性は軟弱だから、年上のお嫁さんをもらうことも増えたよ」
みんなで「上海も、似たような感じなんでしょう」「そうみたいだね」

ここまで来た時、いきなりギアチェンジ。
中国女性B「生活していく上で基本となる収入はとても大切。
 愛情だけではどうにもならない」
日本男性「でも中国の人は、家だ、車だって大変じゃない。
 結婚して家を買って、そのローンが30年あったら・・・」
中国女性B「いや、中国の人はローン組まないよ」
日本女性「一括で払うお金持ってるの?」
中国女性B「親が払うから」
日本人みんな「ああ・・・、中国の若い人って、結局自立してないよね。
 親が金持ちかどうかじゃん」

もっと加速する。
日本男性「中国の人が、財産ばかりじゃなくて、もっと愛情も大切だと思えばさ」
中国女性B「そのためには、中国全土のお母さんの意識を変えなきゃだめ。
 本人じゃなくて、親が相手の資産をうるさく言うわけだから」

で、私は思った。けど、言わなかった。
というか、周囲の発言があまりにはやく、口をはさめなかった。
「ということは、お母さん世代の見栄の張り合いってことだ。
子どもの自立した生活云々ではなくて実家かどうか、ということなら、
結局は親世代の見栄の張り合いに、子どもが付き合わされてる、ってことか」

そんな家族、まっぴらだな。
もちろん中国の親子関係には、いいところもある。たくさんある。
小学生時代のお受験競争を端で見ているだけで気持ちが悪くなったような気分になった。
いずれにしても、カギは母親なんだよな。

大学生のころ、巴金の『ああ、結婚』という文章を読んだ。
すでに細かいストーリーが思い出せないけど、なんだか同じ中国の結婚観とはいえ、
ずいぶん雰囲気が変わったような、
いや、親が強いという意味では変わっていないような・・・。

人との距離

2011-08-23 21:56:29 | Weblog
どうも中国人化してきているようだ。
歩いてるときに、鼻歌をうたってしまう。

そのせいか、昨日は横断歩道を渡ろうとしたとき、
前にとまったタクシーから出てきたおじさんに、上海語で道を聞かれた。
「上海語わかりません」と答えたら、標準語で聞きなおされたので、
わかる範囲で丁寧に答えておいた。
そういえば、先日誰かに「日本語上手ですね」と言われたっけ。

今日は夕飯を食べに、家の近くの刀削麺屋さんに行った。
隣に、中国人の若いカップルが座った。
向かい合って座るのではなくて、4人掛けの席に並んで座る。
そんなにくっつきたいか、と、ツッコミたくなるほどだ。

そんなとき、たまたま男性の知り合いの男性が入店し、
「お~、久しぶり! 元気?」となった。
で、カップルの座っている4人掛けの席の、男性の向かいに座った。

男同士は話し始める。すごく盛り上がる。
そこまで大声でなくてもいいだろう!というくらい、話す、話す、話す。
いっぽうカップルの片割れの女性は、挨拶をするでもなく、
うつむいて、携帯電話のゲームを始めた。
とにかくゲームに集中、集中、集中。
まったく会話に入らない。

これが「80后」の恋愛&人付き合いのかたちなのだろうか!
会社の中国人スタッフは、とてもフレンドリーでよかった。

でも、もしかして、
彼らもプライベートのデートのときは、こんななんだろうか。