ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

次の仕事

2011-03-31 20:55:18 | Weblog
もう3月が終わるなんて。
なんだか、2月からワープした気分だ。

すっかり忘れていたのだけれど、
いまの派遣先の企業は、もともと今日までのお話だった。
ふつうの会社員の一日を過ごしたいと思って、
地に足がついた生活をしてみたくてお世話になった。
すごく日本的な会社だったので、
正直なところ、鬱々としたし、続けられる自信がなかったけれど、
とりあえず、今日を無事に過ごせてよかった。

派遣契約はもう少し延長するけれど、
派遣元にも、所属部署の部長にも、
「就職活動をします」と言ったので、気が楽になった。
あんなにお堅い会社なのに「早退もOK」と言ってくれるなんて、
本当にありがたい。
正社員だったら、あの部長についていっただろう。

さて、次の仕事を考えるにあたり、
これまで、いろいろと自分の思うように仕事を選んできたけれど、
ひとつだけやり残していることがあることに気がついた。
1年前、いや、半年前には思ってもみなかったけれど、
いま、なんとなく心の準備が整いつつある。

それは、中国で働くこと。
一番、中国語が話せた新卒のころ、
会社員、仕事、キャリア、すべてに対してもっと希望をもっていたころ、
中国の駐在をしてみたいと思ったけれど、
そしてそんな話も当時の会社からあったけれど、
寝たきりの母を置いていく気になれなかったので諦めた。

その後、徐々に仕事で中国語を使うことの現実を知り始め、
日本の会社員というものに慣れるにつれて、
中国語が話せなくて、中国には行ったことがないような上司のもとで、
対中国の仕事をするなんて、自殺行為だと思い、避けていた。

でも、そんな私も人間的には少しずつ成長しているわけだし、
それに、頭で考えたことよりも、気持ちが正しいことのほうが多いから、
きっと今回もそうなんだろうと思う。
じゃあ、中国に行って何をするの?ということだけど、
アンテナが一度そちらに向くと、情報は入ってくるもの。
少しずつ準備をしてみようか。

夜桜

2011-03-30 21:31:58 | Weblog
東京では、花見を控えるように、というお達しが出ているらしい。
ということは、
今年のサクラは、しっとり、ゆっくり眺めることができるということか。

酔っぱらいの歓声や、混じり合ったいろんな食べ物の匂い、
妙にいちゃつくカップル。

どれも減るのか。
ん、カップルはかえって出没しそうだな。
最近のカップルは見せつけたいようだから、かえって減るかな。

まあ、ともあれ、春のサクラはいい。
とにかく、「今日は計画停電がなかったから、暖かかったんだね」という会話より、
「今日は、サクラの花がほころんだね」という会話のほうをのぞむ。

帰宅したら、家の前のサクラが、「今日は暖かかったよ~」と報告してくれた。
朝、少しほころんでいた蕾が開いている。
当然、夕飯より前に、一眼レフを持って、再び表に飛び出した。



少し手ぶれしたけれど、私がのぞいたファインダーでは、
すごくバッチリ見えていた。



明日の朝、早起きできるだろうか。

銀川の思い出

2011-03-29 22:00:47 | Weblog
最近よく思い出す中国の女性がいる。
95年に出張で中国の銀川に行き、ホテルの従業員のお嬢さんと少し仲良くなった。

彼女がある日、「私は韓国ウォンを持っているんだけど・・・」と話し出した。
危険な気配を感じたので、私は話をそらし、逃げた。

それから毎日、彼女は私を追いかけてくる。
「韓国ウォンを持っているんだけど、価値がわからない」と。

ある日、ホテルの廊下を歩いていたら、彼女がついてくる。
「銀行へ行っても、韓国ウォンのことが書いていない。
あなたしか聞ける人がいない。
あなたがお金を換えてくれるのでもいいのだけれど」と言われた。

金額を聞いてみると、韓国ウォンらしく、額面は大きく感じるのだけれど、
日本円にすると500円にもならない金額だった。
少し面倒になったので、
「韓国ウォンは、中国では換金できないから価値がないよ。
それに、私は韓国ウォンをほしくない」と言ってしまった。
ふと振り返ると、彼女は泣き崩れていた。

当時、韓国人の留学生は、ドルで持ってきていた。
そして、中国人は外貨をほしがっていた。

彼女は、どうやってウォンを手に入れたのだろう。
あれだけ号泣したのだから、
きっとすごく辛い想いをしながら、手に入れたのだろうと思った。
それに、そのお金になにか夢や希望を持っていたのだろうと思った。
不安に押しつぶされそうになりながら、
それでも一縷の望みをもって、勇気をもって私に聞いたのに、
私が冷たく言ってしまった。
言った内容よりも、言い方のほうが冷たかったかもしれない。
翌日も、その翌日も、彼女の姿を見なかった。

いまだったら、なんて言うだろう。
当時と違って、韓国ウォンも中国国内で換金できる場所ができたし、
中国人も、むかしのように外貨を求めていない。
相変わらず韓国ウォンの額面は大きいが、
中国国内でも適正な価値を知ることができるようになった。
彼女は、いま、あのときのことを思い出すことがあるだろうか。

あのとき、換えてあげればよかった、とも思うけれど、
普通のレートで換えてあげたら、それはそれで、彼女は傷ついただろう。
だまされた人が悪いのか。
だました人が悪いのか。
だまされた人を、さらに傷つけた人が悪いのか。

あの時の彼女の涙は、いまでもとても重い。

お嬢さま

2011-03-28 21:55:03 | Weblog
勘違いされているようなので、面白いからそのままにしている。

会社で、
・世田谷区在住
・3LDKのマンションに一人暮らし
・持ち家
と、話したら、すごいお嬢さまなんだと勘違いされた。

18歳から1人で、親が買った家のローンを払い、いまでも住んでいる。
単に、それが一番安上がりだったからなんだけどな。

社会人になったとき、私が借りた奨学金と併せて、
ん~百万の借金があった。
預金なんてなくて、マイナスからのスタート。
母親は植物状態、父親は、ん~億円の借金があって雲隠れ。
お金には、とても苦労したけれど、
でも、一家が離ればなれになってしまったことに比べたら、
そんなにつらいことじゃなかった。

私にとっての「お嬢さま」の定義は、お金持ち、ではない。
私の同年代、つまり40歳くらいで、
「お父さん、お母さん、あれが食べたいな。
行きたいところがあるの。欲しいものがあるの」と言える人。
毎日じゃなくても、年に何回か、そんなことが言える人。
本当に実現してもらえるかどうかの問題じゃなくて、
そう言って、子どもに戻れる人。

そして、「何か食べたいものがある? 必要なものはない?」と
親から聞いてもらえること。
他人からじゃダメなんだ。親からじゃないと。

ということで、私はすごいコンプレックスの塊なのだけれど、
よくお嬢さまと勘違いされるので、そういうことにしている。

息吹き

2011-03-27 21:42:48 | Weblog
日本経済には大きな打撃だけれど、
いろいろと止まっているから、東京の空が本当にきれいだ。



夜は暗く、日中も無駄な灯りはない。
夏の計画停電の話が出ているけれど、
都心部のオフィスの空調が控えめになり、
いつものガンガン冷凍レベルなクーラーではなくなって、
クールビズが進み、自然の風を取り入れるようになったりして、
みんなが工夫をして節電をしたら、
かえって熱帯夜が減って、「東京の夏って意外とすずしいじゃん!」
となるのではないかと、期待している。

朝のラッシュも時差通勤が進んで、
仕事の効率は少し悪くなるかもしれないけれど、
でも、そんなだった昭和のころ、
日本の経済はどんどん上向きだったことを思うと、
意外と復興できるような気がしてくる。

モクレンの花(だと思うんだけど)が、なんだか蓮の花に見えた。



きっと被災地でも、もう少し暖かくなったら、緑の芽が息吹くだろう。
その芽は、泥の中から、とても明るく澄んだ色を見せるだろう。

与えられた範囲の仕事を、最低限の労力でこなす、というのではなくて、
仕組みに頼らず、自分の目で見て、頭で考えて、
あるときは、ふとよぎるカンを信じて、前を向く。
そんな労働を取り戻せたらいい。

今回の震災で、「でも自分の生活は安泰」と思うのではなく、
いまだからこそ、ちゃんと働きたい、と願った。

台湾の李登輝さんが、ツイッターで、
「核のエネルギーが本当に市民生活にとって必要かどうか、議論しよう」と言っている。

日本の政治家も、そう言おうよ。
その発言は、現在福島で頑張っている多くの人たちや、避難している人たちにとって、
決して失礼な発言にはならない。

逆に、「あなたの献身を受け止めます」という意思表示になる。
先の大戦で亡くなった多くの日本の将兵や市民、外国の人たち。
その人たちを忘れることで日本はやってきたけれど、
同じ過ちを犯すのは、やめたい。

足踏み

2011-03-26 17:17:15 | Weblog
朝起きたら、少し肩こり。
気分転換をかねて、今年のプランター農園を開始した。

ベランダを軽く掃除して、
新しく届いたプランターを用意して、土を入れて・・・、
なんだか土が足りない。

本当に、こういった計算ができないんだ、私は。
苦笑しつつ、グラジオラスの蕾に救われた。

家の周りのサクラは、ここ数日の寒さで足踏み。
ピンクのサクラは、ピンクの蕾。



白いサクラは、蕾も白い。



私は白いサクラが好きだ。葉の緑とのコントラストがいい。
だから、家のそばの大きな白いサクラの木を、とても愛している。

そのサクラの根元に、ナルシストなヤツがいた。



違うか。ナルシスは、水にうつった自分の姿に見とれているうちに、
水仙になってしまったヤツのことだっけ。
ま、そこまで自分の姿が好きになれるというのも面白い。

春の花が咲き始めている。

心の通う会話

2011-03-25 22:34:46 | Weblog
今月末で、派遣契約が切れる人の動きが慌ただしい。
昼休みの話題は、どこにどんな仕事が転がっているか、だったり、
とりあえず外注の仕事をもらった、だったりで、
やっぱり女性はたくましいと思う。
キラリと光る見栄や牽制も面白い。

たいてい、派遣会社の営業の男性はボロクソに言われる。
仕事がおそい、間違いだらけ、人の話を聞いていない、など。
派遣で働く人は女性が多いし、女性は女性らしい心配りを期待するから、
確かに、派遣会社の担当さんは女性の方がありがたい。
会社で上司にするなら、私は男性がいい。
でも、派遣会社の営業は女性がいい。これは、ある意味で真理だと思う。

さて、同僚の派遣さんと2人で話す時間が少しあった。
彼女は私より少し年上で、家が少し遠い。
要介護状態で入院している母親がいて、少しボケ始めた父親と暮らしている。
今日、母親が介護施設にうつることになったので、終業時間すぐに帰り、
手続きをすると話していた。

彼女に、はじめて、私の母も14年間、植物状態だったと話した。
だから、もしまだ母が生きていたら、
今回の大震災、余震、そして停電、
私も心配で気もそぞろになっただろうから、
彼女もいろいろと気苦労が多いだろうと心配していたので、話せてよかった。

一言二言、少し話しただけで、
同じ介護の経験をもっている人なら、わかることがある。
周囲の人の何気ない一言に、ものすごく傷ついて自分をせめたり、
いろんなことがあっても、でも親だから愛したいと思ったり・・・。

両親が元気なときに、仲違いや衝突があったとしても、
それは、相手が人間としての機能を失って行く過程で心が通じなくなり、
すれ違って行くのとは、根本的に違う。
私の両親の年齢なら、ふつうは、まだ重度の痴呆にはなっていない。
だから「わかる~。私も親と仲が悪いからさ~」という同世代の人の相づちは、
苦笑に近い微笑を浮かべて流すしか方法がない。

ぽつぽつと彼女と話し、励ましているつもりが、
なんだかすごく私の気持ちが落ち着いた。
そしてなんだか、自分に自信をもった。
そうだった。あの日々を乗り越えてきたんだった。

物欲

2011-03-24 23:32:55 | Weblog
今朝、隣に立っていた女性が、
新しい携帯電話を持って、台湾語版のナルトを読んでいた。

新しい携帯電話、という呼び方が何とも間抜けだが、
iPhoneみたいなやつ、と言っても大差ない。

で、上から下にスクロールし、うつって行く画面がとても新鮮だったので、
私もジロジロと一緒に読んでしまった。

上から下。
右から左でも、左から右でもなく、上から下。
4ページ分くらいが1つのファイルになっているようで、
「下一页」ボタンを押すと、「卡通在线」の文字が表示され、
次のファイルがダウンロードされる。

私の感覚では、まだ少しダウンロードにかかる時間が長い。
漫画本だったら、もっとサクサクめくれるし、
漫画はリズムが命だと思う。

もちろん、ナルトは読んだことがない。
どんなストーリーかも知らない。
なんとなく、忍者みたいな格好をした人たちが出てくる漫画というだけの印象。
それに漫画はほとんど読まない。
だけど、漫画はスピード感とリズムだと思っているから、
まったりしすぎ!とイライラしそうなものだけれど、
いまの若い人はそうではないらしい。

ダウンロードの間に、
彼氏に一言メッセージのメールを送っている。
時間を有効に使っているというか、
漫画の世界にハマっているというよりは、時間つぶしなのか。

と、思いつつ、少し欲しくなった。
中国語のピンイン入力ができるもので探そう。

不安は期待

2011-03-23 22:07:44 | Weblog
今朝の新宿駅で、白い工事用ヘルメットを小脇に抱えた女性を見かけた。
余震が続いているし、気持ちはわかるけれど、
せめて原付用のオシャレなヘルメットではないのかい!と、突っ込みたくなった。

さて、このごろ、少し性格が外向きになってきたので、
今日はある会社の見学に行ってきた。
なんだか、すごく面白かった。

いまの派遣会社は、「ザ・日本」というような感じで、
外側からは、組織力で勝負!に見え、
どうでもいいところでは、アットホーム。
でも、仕事は個人の能力に頼り切っていて、助け合いもない、という雰囲気だ。
少し意地悪く言うと。

今日、遊びに行った会社は、個人が信念をもって仕事をしているように感じた。
仕事は会社のためでも、他人のためでもなく、
まずは自分のためにある、という雰囲気で、組織はゆるやかな感じだった。

どちらにもよさがある。
そして1年後、私は何をしているだろう。

過信

2011-03-22 22:18:11 | Weblog
今日、震災後はじめて、岩手の作家さんに電話をした。
用件はしごく事務的なことだったので、ずっと遠慮していたのだけれど、
やっと声が聞けて、嬉しかった。
内陸なので、ご親族もみな無事だし、家も大丈夫だということ。
でも、灯油やガソリンといった燃料がないので、身動きがとれなかったらしい。
今日は寒い中、自転車をこいで、郵便局まで、
私たちがお願いした文書を出しに行ってくれた。
「もうすぐ4月だし、あたたかい日も増えるから、大丈夫よ」という言葉。
すっかり、こちらが元気づけられてしまった。

さて、占いというものについてちょっと思うことがある。
私は寅卯空亡で、どうやらいま大殺界なのだけれど、
この1年ちょっとの間に、我が身に起こったことを思い返すと、
つまり運気が悪いってこういうこと?と思う。

私は、何よりも体力に自信があった。
私の知力、色気、すべては体力に劣る。
そう思っていた。

でも、ここのところ、どうも体調が悪い。
いつものようなパワーが出ない。
肩こりはもちろん、生まれてはじめて腰が痛くてまっすぐに立てなくなったし、
声が出ない日が約半月も続いた。
少し無理をすると、そのあと、しっかりと寝てもズルズルとだるい。

普段から運がない金運などは、今さら取り上げることでもないので、
運気が悪くても気にならない。
ただ、ふだん過信しているもののペースが変わると気がつく。
そんなもんなんだな、と思う。

そろそろしっかりと仕事がしたくなってきた。
それには、派遣という働き方はあわないと思う。
さて、この震災、ますます長引きそうな日本経済の停滞。
どのように進んで行こうか。