ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

社会主義後のウズベキスタン

2010-04-17 17:05:11 | Weblog
変わる国と揺れる人々の心 (アジアを見る眼)
ティムール・ダダバエフ著、アジア経済研究所刊

私が「サマルカンドへ行く」と言うと、ほとんどの友人は、
サマルカンドが、どこの国にあるのかを知らない。
次に、「ウズベキスタンだよ」と言うと、また「?」が重なる。
私にとってはあこがれの地であるサマルカンドが、
こんなに日本人の認知度が低いところだとは思わなかった。

確かに、最近のウズベキスタンの情報は私も持っていない。
ということで、ガイドブックと併用して、この本を読んだ。
それぞれ、ある土地の一側面をよくまとめていると思う。

この本は、ソビエトが解体後20年のウズベキスタンのことをまとめているので、
旅行へ行く前に読んでおくといい一冊だと思う。
もちろん個人によって違いはあるだろうけれど、
どういった考え方をもった人たちがいま暮らしているのか、
その価値観のバリエーションのようなものを予備知識としてもっていると、
いろいろと見る目が変わって来るだろうと思う。

テレビ番組にしても、バザールにしても、
言葉は通じなくても、雰囲気で読み取れることはある。
その下準備には、とても適した一冊だと思った。

また、ここで書かれていることは、
中国の少数民族の地域にも、かなり合致することが多いと思うので、
チベットやウイグルの問題を考えるときに役に立ちそうだ。
当然、独立を求める人もいれば、求めない人もいる。

もしかしたら、広い意味で考えると、
日本の基地問題にも根底では通じるものがあるのかもしれない。

他国を見るというのは、本当に興味深いことだ。