ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

石家荘 1日目 河北省博物館

2014-03-31 23:17:04 | Weblog
正定県から、市街バスに乗って石家荘市へ。2元。
市内はそこら中を掘り返して交通規制も多く、バスの乗り場も変わっている。
現地の人に聞きながら、バス停を求め彷徨った。

で、すごく暑い。
どうやら、この日は22度まで上がったらしい。
バスの中の人たちは半袖になっていた。上海よりも暑いなんて。

で、1日目の最後は河北省博物館だ。

さすが河北省の省都、いろいろなものが展示されている。

出会った中で、一番美しかった仏様。



むかしの美人たち。



よくポスターなんかに使われる有名な人。



そしてやっぱり、主役はこの人でしょう。



世界史の資料集に載ってた。
かんのちゅうざんせいおうりゅうしょうのお墓から出てきた翡翠の鎧。
→漢字変換すると、漢の中山靖王劉勝だ。変換するのがめんどくさい。

あの劉備が、血を引いていると言い張ってた人。
本当かどうかは知らん。

この人のお墓の出土品は、本当に見応えがあった。
特に馬車に使われた金具を見ていると、中国は2000年前のほうが技術が高かったと
確信を持つ。

 

今の人には作れんだろう。



こんな遊び心、今の人はめんどくさがってやらない。



 

どれも気が利いている。

中国の博物館に行くと、
中国は約2000年前にピークを迎え、
そのまま徐々に退化し、共産党になってとどめをさされたんだと思ってしまう。




石家荘 正定県 1日目 天寧寺、隆興寺、趙雲廟

2014-03-31 23:06:20 | Weblog
せっかくVPNで繋がっているので、すでに間延びしたけれど旅の写真をアップ。

城壁のある南城門近くから市内バスに乗り、1元で市中心に戻る。
掘り返して通行止めになっている中山東路を歩いて天寧寺へ。



中国人は、どこでもカードゲームをしている。

お寺で花を見ていると、時間を忘れる。



次に、中山東路をもっと東に歩いて隆興寺へ。

他のお寺は、塔しか残っていないけれど、ここは本堂が残っている。
後から修復した感があるが。

きれいな壁画。



そして、美しい仏像。なのだが、ススがたまっている。

 

もうちょっと掃除しようよ。かわいそうじゃないか。

なかなか見応えがあるお寺なのだが、なんだか拡声器のようなものから奇声が聞こえる。
お寺から外に出て、その声の正体がわかった。



恐竜屋敷だ。そして、その前にかわいそうなラクダが座っていた。
こういうときの動物の目は悲しそうだ。

で、北上して趙雲廟へ。
その前に、東の城壁が見えて、吸い寄せられた。



正定県といえば、三国志の英雄趙雲の故郷として知られる。



もちろん最近作られた像。
お決まりのシーンだ。
劉備の子ども阿斗を抱きかかえて魏軍から助け出すシーン。

でも、三国演技を読んだ人ならみんな思うだろう。
ここで助け出さなかったほうが、よかったんじゃないか、と。

いろんな像がある。



そこそこ丁寧に作られているかな。

植木は兵士の形に刈り込まれ、何かと思ったら、手に持っている武器が主役だった。
これは三国演義に出てくる、誰々さんが持ってた武器だよ、という解説。



まあ、三国演義ファンにはたまらんだろう。
来ていたのは、全員、中国人の男の子たちだった。
女子は私ひとり。

中国人の若者たちは、石碑を読もうとしていたのだけど、
繁体字(旧漢字)で書かれた漢文は、彼らにとって難しいらしい。

日本人の私にはすんなり読める漢字も、彼らは、飛ばしながら読むことになる。
そういえば、小学生の頃は、難しい漢字が出てくると、
それを飛ばしながら読んでいたっけ。そんな雰囲気だ。

なんとも悲しいじゃないか。


太さで負けた

2014-03-31 22:44:10 | Weblog
VPNを繋ぐと、ちゃんと管理画面が開くということは、
これは物理的な理由じゃなくて、政府がブロックしているせいだな。

さて、今日、会社の帰りにスーパーに寄った。
レジのおばさんたちは、当然のことながら、ずっと私語をやめない。
客に向かって話す言葉は2つ。「袋いる?」「○○元」。しかも上海語。

で、バーコードを読み込むピッの間に、おばちゃんたちは日本の話をしていた。
いわく、
「日本の女って、変よね~。いらっしゃいませ~。おしぼりどうぞ~、って、
 気取ってんのか知んないけど、くねくねした態度で話しちゃってさ~」

とりあえず、いま、野菜を投げているお前の態度よりは、いい。
私だけじゃなくて、世界中の人がそう思うだろうよ。
日本人のサービスのほうがいいって。

そう、上海語で言ってやりたかったけど、残念ながら、そこまで上海語はできない。
もちろん、おばちゃんよりも流暢な北京語で言ってやってもよかったんだけど、
おばちゃんの腕は、最近太った私の腕よりも太かったので、やめておいた。

給料日前

2014-03-30 21:51:51 | Weblog
よくよく見たら、かなり貯金額が減っている。

そりゃそうだ。
チベット旅行は、前に行った15年前に比べて、スゴい値上がり。
外国人は自由に歩かせてくれなくて、ガイドと一緒じゃないと
観光地に入れないこの徹底ぶり。
監視されている上に、監視する人に対して、ありがとうとお金を払う理不尽さ付き。

ついでに、あちこちプチ旅行に行っているおかげで、
いまはまさに給料日前の様相だ。

少し腰が痛く、ついでに鼻が風邪気味のにおいを発しているので、
この週末は家でおとなしく読書をすることにした。

3冊。『向田邦子の遺言』『横道世之介』『シャンハイ ムーン』
いずれも、ずっと前に友人から借りた本。

向田邦子さんの作品は、ドラマも見たことがないし、本も読んだことがない、と思う。
もしかしたら教科書で読んだことがあるかもしれないが、まったく印象にない。
有名な寺内貫太郎一家を生み出した人というのは、字面の知識として知っているが、
そういえば、私の家の中では、彼女の名前や作品名が、会話に出てくることはなかった。

ということで、妹さんが公開した遺言から入るというのもなんだが、
あまりにも基礎知識にとぼしいので、ネットで調べようと思ったら、
日本のサイトが激重という現実。
よくよく、私は縁がないのだろうと思い、断念することにした。

横道世之介は、モデルになった人は、私よりも少し年上だろう。
むかしのことを懐かしく思い出しながら読むとともに、
私の高校と大学時代を思い出すと、いろいろと殺伐としていたなあ、と悲しくなった。

先日上海で会った20代前半の男性が、
「僕の青春の歌手は、モモクロです」と言った瞬間に、
一緒にいた私と同世代の人たちが、一瞬「え?」と身を乗り出し、
その後、脱力して深々とソファーに身を沈めたのだけど、
きっと彼なんかは「ねるとん」が何なのか、知らないだろう。

『シャンハイ ムーン』は、上海租界時代の内山書店を舞台に繰り広げられる
魯迅先生のお話だけど、
租界に住む顔の見えない日本人が、それはまたイヤな奴らに描かれていて、
日本軍人も最悪で、ついでに国民党もすごくイヤな感じで、
大筋は面白いのに、なんだかちょっと後味がうんざりする気分になった。
きっと、日本にいた頃は、それほど嫌悪感をもたなかったと思うけど、
最近は本当に、左っぽいのがダメになった。

確かに紡績工場では劣悪な環境で中国人を使っていただろうし、
買春も日本人が他の外国人に比べて多くやっていただろうけど、
1930年代ともなると、フランスやイギリスの人たちは本国に引き上げ、
ほとんど日本人占拠状態だったから、住んでいた数自体も日本人が多いわけで、
特に、日本人が悪いとはいいきれないと思うけど。

そしていま、4冊目をどうするか迷っている。
『ツァラトゥストラはこう言った』の下巻にすべきか、小説にすべきか。
寝っころがって読むなら、スマホのkindleアプリで、満洲の本だなあ。

しょうがない

2014-03-30 12:15:55 | Weblog
本当は旅行の写真をアップしたいのだが、回線が激重。
この週末にやる予定だったサイトのデバッグも、
サーバーが日本なので回線がほとんど繋がらず、早くも断念した。
ブログの管理画面を開くにも、約30分のトライアンドエラーを繰り返した。
私も辛抱強くなったものだ。

あと3ヶ月くらいで日本に帰国する予定で、
最近よく、私にとって中国人と協業するというのはどういうことだろうかと、
総括して考えるようになった。

中国は、GDPで日本を抜いた国だ。
中国人も、世界第二の経済大国と自負するようになった。

でも、よくよく考えてみると、
中国人の人口は公称13億。日本はたったの1億2000万。
1人当たりが生み出せる富の額を比べると、また違って見える。
中国と日本のGDP額の差は開く一方なので、
うかうかとしていると、本当にひっくり返されてしまうが、
私たち日本人が生み出せる付加価値は、世界的に見て、驚異的な額なのだろうと思う。

2013年の予測値は、wikiによると、世界全体では、74,171.718(単位は10億US$)
1位 アメリカ 16,237.746
2位 中国 9,020.309
3位 日本 6,149.897
4位 ドイツ 3,597.965
5位 フランス 2,739.274

人口は、アメリカは3億、中国13億、日本1.2億。
ドイツとフランスは、それぞれ1億人もいない。

もし、日本の人口がアメリカよりも多かったら、
単純にかけ算すると、アメリカのGDPよりも多くなる。
もし中国の人口なみに10倍したら、
それこそ地球上の資源が根こそぎなくなってしまうかもしれないほど、
産業が発展してしまうだろう。

つまり、いまの段階ではまだ、日本人だったら1人でできる仕事に対し、
中国人が何人も必要になるのは、いまはまだ、しょうがない。

だから「日本なんて抜いたはずなのに、こいつにかなわん。なぜだ」と、
中国人がムカムカするのも、しょうがないということだ。

そもそも、中国のGDPには、中国にある日系企業をはじめ、
外資企業が生み出す富も含まれていたり、いろんなからくりがあるのだから。
鉄道と船舶の輸送量を見てみると、かなり盛られているという話だ。
でも、GDP世界第二位という名は、宣伝効果としてはバツグンで、
それに引きずられて、実績が生まれてくることもあるだろう。
つまり、中国共産党お得意の「言ったもん勝ち」というやつだ。

中国のテレビでは、連日のように日本の再軍備を危惧し、分析する番組をやっている。
外に敵をつくって、国内をまとめようという意図だけではなくて、
本当に、いまの日本が軍備増強することを怖がっているのだと思う。

日本国内にいると気がつかないけど、日本は強大な国で、
そして中国は暗黒大陸なんかじゃなくて、いろんな人がいる国だ。

石家荘 正定県 1日目 城壁

2014-03-28 12:07:36 | Weblog
やっと投稿画面に入れた。

日本海に引かれている海底ケーブルのトラブルとか、
中国が禁止検索ワードを追加したとか、
日系の電信会社の回線が妨害されているとか、
まあ、いろんな話が飛び交っているけれど、とにかく回線が重い!

この時間帯はまだすいているけど、
夜になると、そんな脆弱の中、スゴい数の中国人たちが
日本の動画を見に行くので、回線が猛烈に混んで負ける。

さて、週末に行った南門。町を取り囲む城壁の南門。

最近、修復されたらしく、異様に大きい。




でも、門の両側には、昔の崩れた城壁が続いている。



南門の外に出ると、その外側にもう一重の城壁がある。



大きい門なのに、念には念を入れて、門は二重になっており、
歩くのが間に合わないと、内側の門までたどりつかず、
しょうがないから一晩明かすなんてことも昔はあった。

崩れた城壁に登れる。



修復した南門を真横から見る。



日干しレンガの雰囲気がわかる。



城壁を見ると、なぜかすごくワクワクするんだ。

石家荘 正定県 1日目 臨済寺 広恵寺

2014-03-25 00:05:19 | Weblog
猛烈にネット回線が遅いのは、私のせいか。もしかして。

さて、開元寺を出た後、徒歩約10分で臨済寺に到着。
ここにも美しい塔が残っている。

 

お供え物のごはんを持って歩くおばさん。ちゃんとお盆を捧げ持っている。
こういうちょっとした敬意がなくなった中国で、なんとも美しい光景じゃないか。



とはいえ、こぢまりとしたお寺なのですぐに見終わり、また歩いて次は広恵寺へ向かう。
ちょっと裏道を歩いたら、昔ながらの光景。



畑の向こうに、華塔と呼ばれる広恵寺の塔が見えた。



立派だ。

 

でも、本殿はない。
本殿があったところには、一本の木が生えていた。



こんなに大きく育っているということは、もうかなり前に失われたのだろう。
ご本尊はどこへ行ったのか。

広恵寺を後にし、また南下する。南城門(長楽門)へ。



道で出会った野良犬。

昔ながらの町は、そこに住む人が、自分たちの故郷を大切にしているので、
上海の路上のようにゴミも落ちていない。

通りでは、すれ違うおじさんたちが、
「おう、○○さん、久しぶり」「いや~暖かくなりました。すっかり春ですな」
「今度、一杯やりましょうや」「そうですな~、ぜひ」などと言いながら通り過ぎる。

こういう町がまだ中国に残っていることが、嬉しい。

城壁は、長くなるのでまた明日。

石家荘 正定県 1日目 開元寺

2014-03-23 23:58:25 | Weblog
この週末で、石家荘に行ってきた。
あまり意識したことなかったけど、北京市をぐるりと取り囲む河北省の省都で、歴史も古い。

土曜日の朝、前の晩に予約したタクシーが迎えに来なかったのだが、
たぶんあれは、電話で話しているときに「こいつ、外国人だな」と思われ、逃げられたのだろう。

上海虹橋空港を7時15分に出発する春秋航空に乗って約2時間。
上海から石家荘までは、当然ながら中国の土地の上を飛ぶので、結構地表が見える。
多くの畑を工場に変えた上海近郊。
そして、あまり豊かそうに見えない土の色をした畑を下に見ながら、北上した。

もしかして、中国は穀倉地帯を工場に変えてしまったんじゃないか。
工場もたくさんの水を必要とする。
だから、稲作や畑に適した土地と、工場の立地条件は、結構かぶると思う。

河北省の上空にさしかかったあたりで、空気の白さ濃度が一気に濃くなり、地表が見えづらくなった。
雲があるあたりが、うっすらと黄色くなっている。黄砂だ。春の河北省といえば、黄砂だった。

空港に降り立つと、非常に殺風景。
まだ新しく出来たばかりのようで、市内への交通網など、ぜんぜん整っていない。
空港から見た場合に石家荘市の手前にある正定県というところに行きたいのだが、
シャトルバスは出ていない。ついでにローカルバスもない。
空港の観光案内の人に聞いたら、一言「行く手段はない」とのこと。

あれー、と思っていたら、白タクの運ちゃんが「正定、正定」と言いながら客引きをしていた。
私の他にあと3人いる。前の助手席に乗っていいと言うことだったので、
50元で、正定県の政府がある中心あたりまで連れて行ってもらった。

まず、地球の歩き方にある地図と、実際の距離感をつかむために、てくてく歩いて、開元寺へ。



参観者は、私以外、誰もいない。
西安の大雁塔にそっくり。



塔を支えているらしき彫り物。お腹に、妙な親近感がある。



長い首を支えてもらっている亀。



本殿は、たぶん焼け落ちてしまったのだろう。
文革の後、ずっと放置されていた境内を、最近ようやく整備したような雰囲気だった。

開元寺を出ると、河北と言えばこれ。鳥自慢。



この時点で午前10時30分くらい。
非常に長い1日だったので、とりあえずここまで。

フリーズ

2014-03-21 21:37:44 | Weblog
中国政府にあまりマークされていないgoo。
Yahoo!と違って、動作が安定しているので,
中国に来てからは検索エンジンやニュース閲覧によく使っている。

だがしかし、この2つの記事を開こうとしたら、ブラウザがかたまった。
「資金繰り悪化企業相次ぐ 中国」
「中国 水質汚染がきわめて深刻に 2014年3月21日」

まあ、わざわざ読まなくても、他のニュースや総合判断でわかることだけど。

先日の全人代で、汚職や不法な資金調達等を行っている
不健全な企業は切り捨てる、と、方向性が出たし、
これだけ違法な操業をしている工場が乱立していれば、
そして大気汚染もこれだけひどければ、土壌や地下水も汚れていて当然だ。

それでも、共産党は悪くない、一部の腐敗分子のせいだ、となるあたりから
あれれと首をかしげたくなるけど、
すべては後出しジャンケンの国なので、いずれこの歴史も書き換えられるだろう。

それにしても、メールやSNSの通信が不安定になっても、
QQというチャットだけはちゃんと繋がる。
海外との連絡にもバツグンの安定感をほこる。

全会話を当局にコピーされているというウワサはあるが、
これは共産圏なら当たり前のことなので、いまさらどうでもいい。

それにしても、いったいこの国の通信事情はどうなってるんだろう。
そう、素朴な疑問で口にしたら、中国人から、
軍は何でも使えるんだよ。回線も特別だし。衛星回線だから。という返事が返ってきた。

まあ、そりゃそうだろう。ネット規制しているのも軍なのだから。

仕事観

2014-03-20 20:55:23 | Weblog
最近よく、いろんな人と、中国人と日本人が一緒に組織をつくることについて話す。

中国人は、お昼ごはんのこと以外は何も考えていなくて、
お金とお休みの要求だけ激しいというイメージがあるけれど、
よくよく中国人と話してみると、
やはりみんな自分の人生のことは真剣に考えているし、
バブルに浮かれている人ばかりでもない。

日本人は、経営のためにも、中国人のみんなのためにも
業務の効率化・合理化を進めようとするけれど、
日本人の上司が、もしある日、
「はい、簡単にできちゃう仕組みが出来たよ。このフローどおりにやって」と言ったら、
きっとほとんどの中国人は、
「あなたは、私とまともに向き合ってない」と思うだろう。

日本人には予想外の反応だ。

誰にでも出来るような仕事を、廉価でやってほしくて、
むかし日本企業は中国に進出したけれど、
当時の中国では、そんな単純な作業でも、
国内のほとんどの人はできないような「先進的な仕事」だったから、
喜んでやる人がいた。

いまは、いくらお金を出したって、誰もやらないような仕事がたくさんある。
みんな、自分がそんなにすごい人間じゃないことはわかっている。
でも、みんなが求めているのは、上司からのこんな言葉だ。
「一見簡単そうだけど、でも○ちゃんだから、こんなに上手にできるんだね。
 意外と難しくて大変な仕事だね。他の人にもちょっと紹介してあげてよ」

だから「簡単にしておいたから、見ながらやって。このとおりでいいから楽でしょう」は、
中国人にとっては、バカにされたのと、人格を否定されたのと同じ意味になる。

でも、よくよく考えてみたら、
日本もマニュアルばっかり作って、業務の大半を平準化してから、
みんな、会社に行くのがつまらなく、ただのつらいことになったんじゃないか。
「私はここをちょっと工夫してるから、お客さんに喜んでもらってる」
そう思えていた時は、喜んで残業もしたんじゃないか。
自分自身の頭で、誰かを喜ばせる方法を考えるために。

誰が、人事評価シートなんかのために、何年も毎日努力するんだ。
学校の通信簿だって、社会人になったら、こんな薄っぺらい評価からは解放されて、
人が喜ぶ価値を作る仕事の、その一端を担うんだ、と思っていたから、
学校の勉強にだって、耐えたんじゃなかったか。

仕事のために人がいるんじゃない。
人が動くから仕事が生まれるんだ。

中国人と仕事について話をすると、いつもそう思う。