ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

楽しい会話

2010-04-18 20:01:45 | Weblog
昨日、最近のウズベキスタンについての本を読んだすぐあとに、
中国語学習の仲間と、恩師である中国人の先生に会った。

さすがに彼らは「サマルカンド」と言うと、
「おっ! シルクロードだね!」と、ピンと来る話につながったし、
ロシアというか、旧ソ連領を放浪した経験のある人も来ていたので、
いろいろと情報収集をさせてもらった。

私がもっとも尊敬している中国人の恩師に、
本から仕入れたいまのウズベキスタンの知識をもとに、
中国の少数民族の地域の話をした。

こういう話を、本音でぶつけられるから、この先生はすごいんだ。
もちろん、本音で回答してくれる。

先生は、ウイグルはわからないけど、チベットに関しては、
いま独立しても経済的に厳しくなるだけだ、と、独立に反対の意見だった。
その直後の日本人の微妙な反応とのギャップがまた面白かったのだけど、
私は単刀直入に、こう言った。

ウズベクの本を読んで一番強く思ったのは、
ウズベキスタンがソ連の一員だったとき、
もちろん公用語はロシア語だったし、宗教も否定されることが多かった。
それに、ロシア語学校の方がウズベク語の学校よりもレベルが高く、
ロシアの大学に行ってこそ、出世できた。
経済的にも精神的にもロシアに依存していただろうし、
だからいま、独立すべきではなかったと言う意見もある。

でも、ソ連は、ロシア人を大量に移住させて、
大都市の人口比を現地人とロシア人で逆転させるような、
そういった植民政策は進めなかったのではないだろうかと思う。
だからこそ、ウズベク人の特に知識階級にとっては、
自分たちの土地をより住みやすいところにする方法が、
ソ連の一員という立場だと思えたのではないだろうか。
ロシア人の、あまり教育程度の高くない人がたくさん自分の土地に押し寄せて来て、
それで我が物顔に振る舞われたら、もっと感情的に違ったのではないかな。
もちろん宗教政策などで、農村部と都市部の受け取り方の違いはあるだろうけど。
と、言った。

その後、会話の方向は、
池袋の中華街に、現地の日本人が反対している、という話に発展して行った。

先生は、深く考えてくれているようだった。
あの先生は、決してイデオロギーや愛国心で、私の意見を否定はしない。
でもきっと、次に会う時までに、一歩も二歩も進めた意見を返してくれるだろう。

中国の人のうち、
文革前に大学に入ったような、文革時に勉強ができなかった人のなかには、
本当の知識人として、尊敬できる人がたくさんいる。
正直に言って、いま中国へ行ってもなかなかお目にかかれないような人だ。

そう思って振り返ると、私が尊敬している先生は、中国人ばかりだ。
日本の公立学校の先生は、変なイデオロギーばかりが強くて、
正直言って尊敬できたことはなかった。
不思議なものだ。