私の漫画も、過去にドラマ化されたことが2回あります。
ぜんぜん単行本は売れてないんだけど、アンケートはけっこう良くて、途切れることなくずぅ~っと雑誌で派手に連載をしていたので、みんな騙されて白羽の矢が立った…というテキトーなイイ時代でしたよね(笑)。
最初にドラマ化した『べにすずめたちの週末』は、少女漫画界で初めて!イジワルキャラを主人公にした作品で、なにやらマニアうけして、キワモノ映画で有名な 河崎 実監督からじきじきにドラマ化のオファーがあって実現しました。
作品を気に入ってくれている監督だから、これでもか!というくらい原作に忠実で、女優さんもちゃんとおかっぱ頭。
細かいくだらないギャグも見逃さずに活かしてくれてすごく楽しかった。
関西テレビの関西ローカル、低予算、しかも早朝OAというマイナーさが自由
に拍車をかけたのかも。
その2年後にテレ朝系で作られたのが『SALE!!』という作品でした。
これはまったく意味不明なことばかり。
まず男兄弟ばかりの紅一点!(一姫三太郎)の紅(べに)ちゃんが、多額の負債を負った一家を立てなおすために奮闘する話なのですが、なぜか男兄弟を全員女子に変えられました。
今はイケメン並べてナンボの世界だけど、当時(30年前)は女の子じゃなきゃダメみたいな空気があって、私は勝手に「上層部のオヤジ(プロデューサーとかスポンサー)の鶴の一声で全員「女の子」に変えさせられちゃったんじゃないか??芸能事務所とのしがらみで女優を使わないとダメだったのか?」などなどと想像していました。
まあ百歩譲ってそれは仕方がない…(当時は)としても、キャラクターの名前までも全部変えられたので、さすがにそれは「なんでですか?」と聞いたら「特に意味はない」と言うので、せめて「紅」という名前は使って欲しいと言ったら、まあいいですよ!となったんだけど、なぜか紅が紅子に。しかも苗字は変えられたまま。
どうして??
兄弟全員名前に色の漢字が付いていて、その色のイメージをキャラクターの性格に意味を込めたのに。
結局、テレビ制作側にとって、原作なんてどうでもよくて、ただ素材として使いたいだけなんだと思った。
すごく不愉快だったけど、でも、そこでゴネるほど私の立場は強くないし、なによりテレビは一番エライ!!という圧があってドラマは完全に別モノ!だと思うことにしました。
友達や後輩漫画家から聞いた話もいっぱいあります。漫画家が被ったドラマ化での「理不尽なもやもやエピソード」は、ドラマの数だけあるよね、きっと。
近年では、伊藤理佐の『おいぴーたん!!』が『おいハンサム!!』というタイトルに変えられて、「なんじゃそりゃ~!?」と憤慨していたら、あれは理佐の3作品の合体ドラマだと聞かされ、結果的にめちゃくちゃ面白い作品になったから、結果オーライ。それでも「おいハンサム!!」はないだろう??と未だに思っていますが(笑)。
とにかく制作側の愛が良作を生むんだなぁ~と痛感しています。
『SALE!!』1巻の表紙。
Amazonで全巻読めるセットも出てた。
これは『べにすずめ…』の主演の田中雅子ちゃんと河崎監督と仲良く撮ったボケボケの写真。
服もメイクも時代だじゃね~~。80年代かと思っていたら1993年だった
。
田中雅子ちゃんは、女優を引退した後も長~いこと年賀状をやり取りしていました。
本当に律儀で優しい女の子でした。
『SALE!!』の記者発表。
主演は山瀬まみさんと、当時まだSMAPだった森且行くん。
お父さん役は堺正章さん。
菅野美穂さんや小松千春さん、脇役には上原さくらさんとかもいらっしゃいました。