林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

毎日わいわい

2018-11-02 | 重箱の隅

樹木希林最期の出演3作品の一つ「モリのいる場所」は、洋画家熊谷守一とその妻の日常を描いた映画である。

画家は仙人暮らし。30年間、殆ど外出しなかったそうだ。
妻は夫にすこし不満はあるようだが、観音様のように何もかもを包み込む。

功成り名を遂げた洋画家夫妻の家は千客万来。
毎日、がやがやわいわい。家の中はごった返している。

山崎努と樹木希林の老夫婦役は絶妙である。
庭の昆虫や植物、それに暗がりが多い家屋内が美しい。

冒頭の昭和天皇、文化勲章を断られた長官、隣に完成した模型じみた高層マンションはどれも嘘っぽく、要らなかった。
熊谷守一の作品を随所に映し出して欲しかった。

映画を観終わったあとの余韻はない。
よくできた連続テレビドラマのような映画だった。

だが「日々是好日」よりは面白かった。

  

  熊谷守一作品はこちらをご覧下さい。

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