林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

梅園

2011-03-02 | 風に吹かれて

観梅は国営武蔵丘陵森林公園の梅園がいちばん。


うららかな日曜日なのに、人出はこれしか。
焼き烏賊の美味い匂いの代わりは春の馥郁。ドンチャカ演歌の代わりに閑雅がある。


埼玉一のお勧めだけれど、大勢では押しかけないでね。

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間引き作業

2011-03-02 | お節介

森林公園に多い小楢は老木ばかり。薪炭林の役割は既になく生物の多様性が著しく失われている由。
それで3年前、実験的に小楢林約200平米を全て伐採したところ地表に日が当り、小楢ほか雑木林を構成する木々が爆発的に芽生え、陽射しを求めて一斉に背伸び競争をし始めた。

若い木の若葉は毛虫や青虫が好む。それを捕食する昆虫が集まり、単位あたりの昆虫の種類と数は公園内の他の地域の数十倍にもなり、更にその昆虫を捕食する鳥類がやって来て、木々の種子を運び、それが芽生え.......、という良い循環がここの200平米で既に始まっているそうだ。

ただこのままだと背伸び競争でひょろひょろの木ばかりになるので間引きをする必要がある。
この日集まった凡そ20人の作業は、草藪にしゃがみ実生木の凡そ半数を、公園が用意した剪定鋏で間引きし、一緒に笹も刈り取るという根気が要る作業だった。

剪定鋏での作業は相当能率が悪く、そのうえ腰が痛くなる。この作業は刈り込み鋏を使うと能率が良く、腰の負担が軽くなるが、実際の作業をしたことがない職員氏にそういうことは分からない。
それでも人数が多かったので凡そ200平米の放任地は午前中できれいに。

午後の作業は密生しているため雪で折れた何本もの竹を伐採し枝を下ろし、軽トラの荷台の長さに切断作業。
これには、間引きで使った剪定鋏が枝下ろしに有効で、別に用意された竹切り鋸が使い易く、鉈が無い、と不満な人もいたが、作業は猛烈な速さで進み予定の半分、1時間で終了した。

皆さんは本当の里山の再生に手を貸しているのだ、という老練の職員氏に鼓舞されて、じじいたちは可哀相なくらい真剣に、指示された作業を一心不乱にこなした。竹の伐採作業は火事場のような大車輪になり、写真を撮る暇も無く、季節外れの大汗で肌着がぐっしょり。

経団連のお偉方は日本経済に活力を取り戻そうとするなら、じじいたちを活用した方がいいと思うよ。

作業は大分早く終わった。いま梅園の梅が満開の由。
大分草臥れていたけれど誘い合わせて、知らなかった小道を経由し、梅園を訪ねた。
早春の陽射しに包まれて、観梅は愉しかった。雑木林は輝いていた。

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