林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

街路樹無残

2008-11-06 | 高麗便り

 

綺麗な黄葉になる前に、ニセアカシアの街路樹が棒杭にされてしまった。
こういう無残な姿は見たくない。

ここのニセアカシアは、地質が悪いので道路に傾いたり、歩道の舗装を根が押し上げたりする。また、萌芽力が強いので枝葉が通行人や車両の邪魔になる。
そのため毎年の剪定と道路補修が必要で、その経費に市役所は困っている。

それでこの9月、市は、今あるニセアカシアを伐採したい、代わりに何を植えたらいいか、と自治会を通じて住民の意見を集めた。

これには驚いた。なぁんだ、3年もかけて、また振り出しに戻ったのだ。
これをタイマンと言わずして何というべきか。

3年前にも経費に困った市は、街路樹をどうしたらいいか、と住民の意見を集めた。
その結果、どういう意見が集まったのかは分らないが、市は対策説明会を開き、

  車の出入りの邪魔になる街路樹は、伐採してあげるから申し出て下さい。

とだけ言ったものだから、緑絶対保護主義者の猛烈な反対に合ってしまった。
街路樹とは何のためにあるのか、全く分ってないんですね、市は。

市は立ち往生してしまい、

  時間をかけて再検討します。

とその場を誤魔化して逃げ帰ってしまって、3年過ぎていたのだ。

もともとこの場所にニセアカシアを植えるのは無理だった。こんな酷い扱いをするなら、伐採してしまえばよかったのだ。

夏の日差しは、後ろの土手にある桜の枝で遮ればいい。桜は枝を切られるのを嫌うので、このまま伸ばしておけばいい。交通の邪魔にはならない。
後は、葉が小さく、成長が遅く、大きく育たない潅木を植えればいい。

潅木でも毎年の管理経費を出せないなら、斑入藪蘭(▼)はどうだろうか。
斑入藪蘭は、明るい常緑で、植えたままでよく、強い地被植物だ。

 

今回どういう意見が集まったのかは、報告が無いから知らない。
多分、伐採後別種植替え案は緑絶対保護主義者の猛反対があったのだろう。緑党は一旦植えた樹木を伐採することには、いつも絶対反対のようだ。

あるいは、代わりの樹木について要望を絞りきれなかったのかもしれない。
それで、市はニセアカシアを伐採せず生殺し状態にしたのだろう。

市は安易に住民の意見を集めるのではなく、自ら勉強し、伐採後の植栽案を作り、住民に説明し、説得すればいいのだ。辻褄が合った計画なら、この町の住民は理解する。
それとも、また3年、経費を垂れ流すのだろうか?

団地が出来て30年経った。
街路樹はここだけの問題ではない。いくつかある公園の、育ち過ぎ、混み合ってしまった樹木を含め、対策を考える時期である。

住民は固定資産税の他に、都市計画税も払っているのだ。

街路樹の希望を集めれば、桜、欅、銀杏、アメリカ花水木、マロニエなどだろう。
どれもがこの団地の狭い歩道や、悪い地質には適しません。
また電柱・電線の邪魔になります。